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「今回のご子息の件はわが公爵家に対する宣戦布告と捉えても?」

「け、決して公爵家に牙を剝こうなどとは思っておりませぬ。」


ダインス伯爵を呼び出すとすぐに彼は屋敷へとやってきた。

息子からの手紙で異変を感じて既に領地から王都へと向かっている最中だったとか。

それから関所を通過したところをセバスが呼び止め屋敷に来るよう促した。

さすがセバスの情報網というべきか、入れ違いにならずに済んだのはよかった。


「ではどういうことです?」

「そ、それは……確かに意図的に情報を伏せていたのは確かです。ですが、それは息子の為を思ってでした。」

「情報を伏せることがご子息の為になるのですか?」

「……王女殿下にお会いするまでのレイヴンはそれはもう我儘で手を焼いておりました。殿下がお帰りした後息子はもう一度王女殿下にお会いしたいと、胸を張って会える自分でいたいといったのです。幼き息子が変わろうとしている姿を見て身分の違いはあれど応援したいと思ったのです。ですが、最近王女殿下の婚約が発表されたではありませんか。それも実は我が領地に来た一年後には既に内定していたらしいと。……それでは余りにも息子が不憫に思えてしまったのです。とても私の口からはそんな残酷なことはしたくなかった。」


少しだけらしくもなく感情が先に出てしまった。


「それは貴殿のエゴではないか。確かに事実を伝えればレイヴン殿の想いは行き場を失うことになったのかもしれない。だが、それを他人に任せるは間違っている。父である貴方の口で真実を伝えてその上で道を示してやるのが親の役目だと私は思う。……今でも思うがやはり両親に教えてもらいたかったことはたくさんある。しっかりとご子息と話す時間を設けることを薦める。」

「……仰る通りです。私が不甲斐ないばかりにご迷惑をおかけしました。いかなる罰も受ける所存です。ですのでどうか、息子は……。」

「だから言ったではないですか。しっかりとご子息と話すように、と。今回の件は重い責を問うつもりはありません。まぁ多少の賠償は請求させてもらいますが。」

「……ありがとうございます。」


そうしてダインス伯爵達は深く頭を下げていた。

若干マリー達は不服そうではあったけど文句は言わなかった。

いかがだったでしょうか?

次回は来週になります。

お楽しみに!

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