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婚約披露宴

「緊張してる?」

「そ、それはそうですよ!こうして皆さんの前に出るのも久しぶりですし……それもジーク様と一緒ですし……。」

「そっか。あんまり気負わなくていいからね?何かあれば僕が対応するから。」

「はい、お願いします。」


控室で緊張しているマリーに声を掛ける。

この後陛下から呼ばれてから会場へ入場して自己紹介を軽くする流れになっている。

その後は多くの貴族が僕たちを訪ねることねになるだろう。

マリーは大半を自室で過ごしていたのもあってこうした大きなパーティーに参加するのが数年ぶりくらいになるそうだ。

そのおかげかこうして少しぎこちなさが表情に出ている。

そっと手を握ると強い力で握り返してきた。

そうしてにへらと表情を崩して笑顔を浮かべる。


「大丈夫そうかな?」

「はい!ありがとうございます。でも、もう少しこのまま手を繋いでもらっててもいいですか?」

「もちろん。なんなら会場内でも手を繋いでおこうか?」

「!?そ、それは願ってもないですけど……さすがに自重します。」

「はは、わかったよ。」


そろそろ陛下からの呼び出しがかかる頃だ。

僕たちは入口へと進む。

その間は当然手は繋いだままだった。


「我が娘とその婚約者にして英雄公爵ジークハルトを紹介しよう。」


陛下の声が聞こえた。

お互いに頷きあって繋いだ手を放し、今度は支えるようにしてエスコートする。

盛大な拍手に迎えられて僕たちは会場へと入場する。

僕は一歩だけ前に出て軽く礼をする。


「本日は私たちの婚約披露宴にお集まりいただきありがとうございます。マリアンヌ王女殿下と手を取り合い今後も王国の為尽力していく所存です。今後ともよろしくお願いいたします。」


マリーの横へと戻る。

陛下から祝いの言葉を頂き紹介は終わる。

それからは多くの貴族が長蛇の列を作り挨拶にくる。

その中にはローレイル侯爵も含まれていた。

さすがに王家主催の披露宴で馬鹿な真似はすることなく、祝いの言葉を述べて早々に立ち去って行った。

何もなくて安心した半面、あまりにも呆気なさ過ぎて何かまた企んでいるのではないかという疑念にも囚われる。

少しだけ不安そうにマリーが僕の袖をつまむので安心されるために笑顔を向ける。

その光景に周りの貴族は黄色い声を上げていた。

そうして時間はあっという間に過ぎていった。

多くの貴族は好意的な反応が多かったがやはり少なからず不満を漏らすようなものもいた。

といっても小さな嫌味を言ってきたくらいなので分かりやすかった。

当然顔も名前も憶えているので何かあればすぐに対処できるだろう。


「マリーお疲れ様。ずっと立ちっぱなしになっちゃったけど大丈夫だった?」

「はい!少し疲れましたけど嬉しさのほうが勝ってたのでなんとか大丈夫でした!」

「そっか、それはよかった。ちょっと遅くなったけど屋敷に戻ろうか。ステフとヒルデがお祝いしてくれるようだからね。」

「はい!早く戻りましょう。さすがにお腹が空きました!!」


ずっと挨拶されてたのもあって食事をとる時間が全くなかったのだ。

これから四人で小さなお祝いをする予定で料理は二人が用意してくれているそうだ。

披露宴もうれしかったけどゆっくり皆でお祝いできる方が嬉しいとマリーと二人そろって感じたのだった。


次回は来週予定です。

お楽しみに!


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