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生徒会での勧誘

お昼になったので殿下に言われた通り生徒会室に向かう。

今回はステフだけでミミルとは別行動だ。

どういった内容なのかわからないので万が一領主としての話であれば、聞いてしまえばミミルに負担がかかってしまうことを配慮した結果だった。

まぁそれであれば生徒会室で話すことではないだろうから違うとは思うけども。

生徒会室の扉を叩く。


「殿下、ジークが参りました。」

「入ってくれ。」

「失礼します。」


許可を得て生徒会室に入室する。

中は他の教室よりも装飾は多いが仰々しい感じはしない。

なんていえばいいだろうか、見た目よりも機能性を重視しているような感じだ。


「この部屋は昔、無駄に予算を使って必要のない物に溢れていたからね。売却して必要なものだけ買いそろえて後は孤児院に寄付したよ。」

「……あの、殿下。私は何もいっていないのですが?」

「顔にそう書いてたからね?あと、ここは学園内だから殿下ではなく名前で頼むよ。」

「ではユリウス先輩と。」

「うん、いいね。学園って感じがしてとてもいい。」


そういってユリウス殿下は楽しそうに笑っている。


「あの、今日はどういった用件で?」

「あぁそうだった。単刀直入に言おう。生徒会に入ってくれないか?」

「え?」

「もちろん、君の懸念もわかる。贔屓だと思われるかもしれないが君の成績を見る限り生徒会に相応しく、なにより英雄と呼ばれる君の信頼も厚い。今から生徒会を手伝って貰えると今後の役に立つと思うのだがどうだろう?」

「それは……。」

「ふむ、領地のことを心配しているのか?確か優秀な部下もいて今のところ君がいなくてもうまく回っていると聞いているのだが信用できないのか?」

「いえ、そんなことはありません。信頼できる人達です。」

「なら良いではないか。ぜひ生徒会に入ってくれないか?」

「……。」


僕は、迷いを振り切って答えを出す。


「決めました。」

「そうか、生徒会に入ってくれるか!」

「いえ、申し訳ありませんが辞退させていただきたく。」

「な!?」


生徒会室にユリウス殿下の驚愕の声が響く。

だが、僕の後ろに控えるステフは嬉しそうな笑顔を浮かべていたのだった。

いかがだったでしょうか?

また明日続きを投稿予定です。

お楽しみに!


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