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名工ガーヴ

昨日は投稿できずすみません、今日は二話投稿です。


ミミルに案内してもらった料亭はとても美味しかった。

普段はどうしても立場があるので毒見やらなんやらで出来立てをそのまま食べることはできない。

いつも食べているものや食べたことがなかったものまで様々な料理が並べられた。

ステフから色々言われたが今は変に騒ぎを起こしたくないので許してほしい。

それにうん、やっぱり出来立ては格別に美味しい。

そうして出された料理を楽しんだ。


それからついに有名な鍛冶師の元へ案内してもらった。

今回の目的は魔剣グラムンクを見てもらうことにある。

というのもこの魔剣まともな手入れができていないのだ。

領内の鍛冶師にも見てもらったのだが、理解不能な代物だといわれた。

魔剣とはそもそも何かしらの魔力が込められて作られた武器であり、現在この国で出回っている魔剣は発掘されたものが大半なのだ。

その為、扱うことのできる職人が少ないのだ。

そんな中、王都でついに魔剣の製造に成功した職人がいた。

それが名工ガーヴ、ミミルの父親である。

僕としても謎の多い剣ではあるが、よくお世話になっているのは事実なのでちゃんとした手入れをしてやりたい。

間も無くしてガーヴの工房に到着した。

中に入ると筋肉質のドワーフが出迎えてくれた。


「父ちゃんただいま。」

「おう、ミミルかおかえり。大事はなかったか?」

「それが聞いてよ、帰ろうとしたらさぁ……。」


なんというか第一印象は穏やかな人だった。

職人と聞くとどうしても偏屈なイメージが湧いていた。

というのも領内の鍛冶師がそういった傾向が多かったのだ。

話を聞いてもらうまで時間がかかったが、興味が移るととことん語りだす。

そしてプライドが高いので中々魔剣を離してくれず解明しようとする。

まぁそれから徹夜してもわからないといわれることばかりだった。

そういう人ばかりだったので正直驚いた。


「なるほどな。ブリュンヒルト公爵、娘を助けて頂きありがとうございます。」


そういって丁寧に頭を下げるガーヴ。

これは話やすいかもしれない。


「いや、気にしないでください。たまたま通りかかっただけですしこれから同じ学び舎で切磋琢磨する仲間ですから。」

「それでも親としてやはり感謝はしたい。何かあれば言ってください。」

「……それでしたら一つ頼みたいことがあります。この魔剣なんですが……。」

「魔剣!?是非とも任せてほしい!!!」


魔剣という言葉を聞いた瞬間目の色を変えたガーブ。

後ろでミミルが額に手を当てて天を見上げていたのだった。

次は九時に投稿予定です。

お楽しみに!

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