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タイムリミット

最近の僕は何故か忙しい。

というのも近々この領地を長く離れる予定があるせいだ。

僕は今年で12歳になった。

そうしてもうすぐ年度が変わる。

そうなると僕は王都の学園に通わなければならない。

12歳の貴族の子供は4年間学園で学び、領地経営や貴族としての教育を施される。

もちろん領地貴族への人質の意味もある。

正直既に領主の僕が行く必要があるのか疑問ではあったが、同年代の繋がりは大事だから大切にするよう昔父上がよく言っていた。

だから僕は陛下や宰相と相談した上で色々融通してもらった上で学園に入学することになっている。

内容としてはどちらかと言うと王宮にメリットがあるものが多い。

その内容は領主としての仕事を優先することだ。

領地経営を学ぶ場ではあるが、その領地経営が疎かになるのは良くない。

そういった面を考慮しての配慮なわけだ。

ブリュンヒルド領と王都はそこまで距離は離れていないので大体は対応できるとは思う。

かといって万が一何かあったら大変だ。

実際数年前に竜の侵攻があったわけだし。

だから事前にできる対策を入学前に終わらせたいのだ。

それが今回の忙しさの要因になっている。

―――のだが。


「はぁ·····。」

「また溜息ですか?幸せが逃げますぞ。」

「実際に最近幸せに逃げられてる気もするけどね。」

「·····失礼しました。」

「いいよ、僕も悪かったし·····。」


先日のことがあってからマリー達と会うことが出来ていない。

その為仲直りするタイミングがないのだ。

いつも何かしら言い返すセバスも今回ばかりは何を言っても薮蛇だと感じたのか早々に謝罪した。

会うことが出来ていないというのも時間作れば良いじゃないかと思うかもしれない。

だが、時間を作ったとてマリー達に避けられるのだ。

そんなことが1週間続いた。

もう僕の心はボロボロだ。


「何はともあれ早々に仲直りして下さることを祈っております。使用人もこの異様な雰囲気に気をもんでるようですので。」

「それはほんとにごめん。」


僕だって出来ることならしたいんだよ·····。


「はぁ·····。」


そして再び溜息をつく。

学園入学まであと1ヶ月を切った。

もう時間もあまりない。

何としても仲直りをしなければ·····。


「ジーク様、ここ間違っておりますぞ。」

「·····すぐに訂正する。」


何はともあれこの書類の山をどうにかしなければ。

僕は心の中で再び溜息をつき仕事を再開する。

僕は気持ちを切り替え黙々と仕事をこなす。

全てはみんなと仲直りするために。

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