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王からの手紙

なんやかんやあって夕食までの時間を残った政務をこなしつつ待っていると王都から一通の手紙が届く。

差出人は国王陛下。

内容に関しては予想通りというべきか、突如として領地へ押しかけた王女殿下達についてだった。

要約すると、

まず初めにこのような事態を招いてしまったことへの謝罪。

マリアンヌのことになると過激になる部分が多いがそれでも許してほしい。

その上で彼女達は納得するまで王である自分の言うことも聞かないので気が済むまで滞在を許してほしいこと。

当然滞在費は支払う用意があるとのこと。

そして、それらを含めた上で何かしらお詫びをさせてほしい。

とのことだった。

王という立場としては内容としてはとても低姿勢であると思う。

なので今回の手紙は一人の父としての部分が強いように思えた。

確かに急なことで驚いたし巻き込まれはしたが、そこまで気にしてはいなかった。

それだけマリーが愛されている証拠でもあるし、いずれ義姉となるのだから仲良くはしておきたい。

ということで了承の手紙を一筆したため王都へ送る。

そんなことをしていると夕食の用意できたようだった。



夕食にはステフ、マリー、ヒルデは勿論、隣に若干不服そうに頬を膨らませたアリアンナ王女とミリネリア王女がいた。


「姉上方、いつまでそのようにいじけているのですか。それとも先ほどの()()をもう一度しなければならないのですか?」


若干怒りを滲ませたマリーが姉二人を問い詰める。


「い、いやそんなことはない。」

「ええ、もちろんわかっていますとも。」

「では、早く。私もせっかくの夕食の席を壊したくないのです。」

「ジークハルト殿この度は申し訳なかった。」

「ジークハルト様申し訳ありませんでした。」


そうして席を立ち頭を九十度下げる。


「い、いえ、どうか頭をお上げください。大事な妹の為を思っての行動、同じ妹を持つ身として気持ちはわかりますので。」


当たり障りのない形で謝罪を受け取る。


「そうか、うん、ありがとう。」

「寛大なお心、ありがとうございます。」

「それとですが、先ほど王都から文が届きました。陛下からこちらに滞在の許可は頂いてますのでどうぞゆっくりしてください。」

「……そうか、ではそのようにさせてもらう。」

「……お言葉に甘えさせていただきます。」


王女二人は居所が悪そうにしている。

マリーもあーと思わず声を漏らし目を逸らしている。

なんとなく状況は掴めた。

念のため僕の口から滞在許可をだしたが、これは陛下からの手紙を元にである。

当然その時こちらに使者は来ているので王女二人に直接説明することもできただろう。

だが、ここで敢えて事情を二人には説明もせずにこの場で聞いたということは陛下からの信用度や今回の件での怒りが作用したのだろう。

それを二人もマリーもわかっているので表情が崩れたのだろう。

マリーの最初の出会いでもそうだが、このお転婆具合は昔から相当なものなのだろう。

そうしてお互いにスッキリした上で夕食に臨むつもりが、二人の消沈具合に結局お通夜状態となってしまったのだった。









いかがだったでしょうか?

また明日投稿予定です。

お楽しみに!


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