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照れる幼王女

「「「「「おかえりなさいませ、ジーク様。」」」」」

「みんな、ただいま。」


あれから頼まれていたお土産を幾つか見繕い領地へと戻る。

屋敷につくとマリー、ステフ、ヒルデに加えてセバスやメリッサ達使用人が出迎えてくれる。

荷物を運んでもらうように指示をして執務室にすぐに移動する。


「えっとどうでしたか?」


マリーが恐る恐る結果を聞いてくる。


「あぁ、このままであれば問題ないと思うよ。残りは陛下と宰相が手続きしてくれるみたいでまた連絡くれるって。」

「そうですか、よかったです。」


マリーは安心して胸をなでおろす。

後ろで聞いていたステフとヒルデもハイタッチをして喜んでいる。


「とりあえずこの件はいいけどもう少しやらないといけないことがあるから今執務室に向かってるんだよ。」

「そ、そういうことでしたか。」


わざわざ廊下でこんなことを聞いてきたのはきっと僕がすぐに執務室に向かっていたせいだろう。

そのため結果が良くなかったのではないかと考えついたといったところか。

なんとなくマリーの頭を撫でる。

マリーは「ふぇ!?」と素っ頓狂な声を上げる。


「心配してくれてありがとう。」

「い、いえその、あ、そうです。頼んでいたお土産見てきてもいいですか!?そっちが気になってたんですよっ!」

「ふふ、いいよ。ステフとヒルデのもあるから一緒に行っておいで。」

「はい、二人とも行きましょうっ!」


恥ずかしくなったのかマリーは慌ててこの場を去ろうとする。

なんだかおかしくなって笑みが零れる。

マリーに手を引かれ移動するステフもおかしくなったのか笑っていた。

執務室に入ってしばらくするとセバスが入ってくる。


「さてと、今日の分の仕事も終わらせますか。セバス状況は?」

「はい、まずは西の―」


領内各地から上がってきた陳情を確認していく。

そこからすぐに改善できるものは手配をして時間がかかるものには計画を立てていく。

仕事をさばくのがどんどん早くなってきている気がする。

ここで気を抜かずに当然一つ一つ向き合っていく。

慣れてきた時が一番怖い。

これは前世のときからそうだった。

油断していると思わないミスをしかねないのだからより慎重にしなければいけない。

特に領主として領民の生活がかかっているのだからより一層だろう。


「―以上になります。」

「助かったよ。それでも今日は少なかった?」

「ジーク様自身のお仕事が早くなったのもあるかと思います。それと幾つかはマリアンヌ様を筆頭にステファニー様とヒルデ様で対応していましたのでそのおかげもあるかと。」

「そっか、それはまたお礼を言っとかないとね。」

「それがよろしいかと。」


僕の代わりにこうして仕事をしていてくれたのがたまらなくうれしかった。

懐に入れていたお土産とは別のプレゼントを触れる。

我ながら買っていてよかったと思う。

後でタイミングを見て皆に渡さないとな。

いかがだったでしょうか?

また明日投稿予定です。

お楽しみに!


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