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拒絶

あれから数日結局対策という対策は思いつかないまま再びアンブレイス男爵が城を訪ねてきた。

念の為皆には下がってもらい僕だけで話をつけることにしていた。



—-のだが、まぁいってきくような人たちではないわけで。


「今日は私も参加させていただきますわ。私のことなのに私のあずかり知らぬところで決められるなんてぞっとしますもの。」

「当然わたしも参加しますよ!こんな面白そ……ではなくて大変なこと未来の妻であるわたしが参加しないわけにはいきません!」

「……ひーも行く。」

「えぇ……。」


というわけで暗い笑顔を浮かべるステフと何故かわくわくしているマリー、何を考えているのかわからないヒルデを連れて客室に向かう。

さすがにこうなるとストッパーが必要になるのでセバスとメリッサにも同行してもらった。

扉を開けると以前のように僕を睨みつつ貧乏ゆすりをしていた。

が、その後ろに続く三人を見てギョっとしていた。

特にマリーを見てすぐに顔を逸らしていた。

さすがに末席とはいえ貴族ならば金色の髪を持つマリーを見れば王族に関係する人物であることは予想がついたのだろう。


「お待たせしたようですまない。」

「……いえ、こちらこそ急な訪問に応じていただきありがとうございます。」

「一応紹介しておきますね。僕のことはご存知でしょうから省きます。隣が婚約者のマリアンヌ・ヴァルハラ。その隣が妹のヒルデ・ブリュンヒルド。そしてその隣が客人としてお招きしているステファニー嬢です。」


明らかに委縮したように縮こまっているアンブレイス男爵。

うん、権力に弱すぎると思うんだけど。

いや、公爵家に喧嘩売っているのにそれはおかしいか?

ここまで露骨だと気分はよくない。

三人も聞いてた話と違って態度を改めるアンブレイス男爵を冷たい眼差しで見ていた。

それぞれを紹介しているときおとなしくはしていた。

だが、アンブレイス男爵はステフの姿を見た瞬間腰を上げて飛びつきそうな勢いで迫る。


「あぁ、会いたかったよ。ようやく僕の元に……。」

「……気持ち悪いので近づかないでもらえますか?」

「え……?」


ステフはより一層眼を細めてアンブレイス男爵を睨む。

ステフは聖女と呼ばれていたほど人に優しく接し、傷を癒してきた。

だが、あくまでそれは善意で行うものだ。

こうして悪意を誰かに向けるような人にはとても厳しい。

以前「私に聖女という称号は似合いませんわ。」と言っていた。

僕としては称号に拘る気はないのでどうでもよかった。

だが、今なら彼女の言っていることはわかるかもしれない。

誰にでも優しいような聖女と思われているのならそれは違うだろうから。


「私、あなたとは初対面なのですが不躾ではありませんか?」

「そ、それは……。おい、おまっ「誰に向かっていっているのですか?」……失礼いたしました。ブリュンヒルド公爵これは一体。」

「そう言われましても以前の話を聞いた三人がぜひこの場に行きたいと言われましたので連れてきただけです。」

「だ、だが、彼女は明らかに……そんなことをいうような人では。」


無下にされたことをよく思わなかったのか僕にどういうことかを問うてくる。

その最中マリーから冷たい声で指摘が入る。

それに対してまたしおらしくなる男爵。

この男はやはり何か勘違いをしているようにしか思えない。


「私と誰かを重ねているのかもしれませんが、私はステファニーです。母のアリシアと懇意だったそうですが私はあなたのことは知りません。ですので私に迫られても迷惑です。私は今が幸せなのです。ようやく好いた方と一緒にいることができるのですから私から奪おうとしないでくださいませ。」


そういって真剣な眼でアンブレイス男爵を見る。

それは拒絶だった。

僕もステフもお互い好いている自覚はある。

だからこそ婚約者としてデートしていた時間はとても幸せだった。

だが、それは奪われた。

そうして会うことも出来ないまま時は過ぎた。

僕はいつか会いに行けるよう最近は行動していたが、実際に災害の最中ではそれはもう絶望した。

ステフも会えないと知ったときのショックも当然あったし、闇ギルドに幽閉されたときはもう二度と会えないだろうと涙を流していた。

それが今また出会うことができたし、マリーやヒルデも一緒に楽しく過ごせている。

僕もこの大切な場所を奪われるのは我慢ならない。

ステフは立ち上がり僕の傍に立つ。

マリーは隣で僕の手を握って反対の手でヒルデの手を繋いでいた。


「あ、あぁ、おれは……。」

「僕も幾つかあなたについては調べさせていただいた。奪われる悲しみがあなたにはわかるはずです。少しはこちらの話も聞いていただきたい。いかがだろうか?」

「すまない、いや申し訳ございませんでした。」


ようやくアンブレイス男爵とは話を進めることができそうだ。

案外こうして実際に会うことで伝えられることはあるのだと再認識できた。

皆には感謝しないとな。

そうして顔を見合わせて笑いあう。

そんな様子をセバスもメリッサも微笑ましく見ていたのだった。

いかがだったでしょうか?

明日はようやくこの話し合いに決着が……?

お楽しみに!


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