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久々の平穏

あの王都での出来事から一か月が過ぎた。

最近は特に目立った事件は起きていない。

おかげでのんびりとした日々を過ごすことができている。

といってもやることはたくさんある。

それこそ領内の整備や孤児関連だ。

マリーやステフを始め、セバスにクラインの協力もあり順調に話は進んでいる。

領内に関してはすでに復興は終わっている状態だ。

ここから更に交通の利便性に万が一の災害に備えての貯水池の増築や食料生産のための整備が行われている。

これらはもともとの資金とあの事件で貰った資金の一部を充てる予定だ。

孤児に関しては今はまだ領地の屋敷でメイド見習いをしてもらっている。

この期間も勿論無駄にしないため、教育を行っている。

当然、孤児だけではなくステフによるマリーへの教育も同時並行で行われていたが。

学校運営は進めることにはなったが、開校は当分先になる予定だ。

領内は経済が潤ってきているが、まだ安心できないため来年以降に本格的に開校予定だ。

建立する土地の確保はすでに済んでいるし工事も進んでいる。

では、現在溢れている子供はどうするのか。

これに関しては現状人手は欲しい我が領地で幾つか仕事をしてもらう代わりに復興に使った仮設住居に住んでもらうことになった。

復興が終わっているのでこの仮設住居は取り壊す予定だったのだが、どうせなら一時的に再利用しようということになった。

さすがに無茶な仕事はしてもらうことはない。

基本的に内職ができそうな仕事をしてもらう予定だ。

これで少しでも行き場を失った子達を救うことができればいいと思う。

最終的には設立した学校の寮に移ってもらうのでできるだけ早く実現できるよう頑張らないといけない。


「ふぅ……。」


今日の分の政務を終わらせる。

外は既に日が沈んでいる。

政務に追われるのは相変わらずではあるが、問題ごとがないのは本当に素晴らしい。


「ジーク様、お夕食の準備ができております。」

「すぐに向かうよ。」


書類を整頓して移動する。

そこにはすでにマリー、ステフ、ヒルデの三人が席についていた。


「ジーク様、お疲れ様です!」

「ジーク様、お疲れ様ですわ」

「兄様、お疲れ様。」

「あぁ、待たせたね。それじゃ頂こうか。」


感謝を捧げ食事を始める。


「今日の政務は終わられたのですか?」

「今日はもう終わったよ。マリーは今日の進捗はどう?」

「そ、それは勿論ばっちりです。」


視線をちらりとステフに向ける。


「マリー様はしっかりと勉学に励んでいましたよ。マナーに関しては……もう少し忍耐が必要かもしれませんが。」

「ちょ、お姉様!?」

「ふふ、そっか。これからも頑張ってね。」

「はいっ!勿論です!!」

「ヒルデはどうだった?」

「ん、問題無し。」


今度は教育係の侍女に目を向ける。


「お嬢様の習熟度は凄まじく、このままのペースでも問題なしどころか同年代では先に進んでいるほうかと。」

「そっか。ヒルデはやっぱり賢いな。勉強も頑張ってて偉いよ。」

「……ん、ありがと。これからも頑張る。」

「うん、その調子だよ。」


ヒルデは少し頬を赤くして俯きながら答える。


「あの……兄様。お願いがある。」

「ん?なんだい?」

「今日久しぶりに一緒に寝たい。」

「えっと……。んー。」

「……だめ?」


どうしたものかと悩む。

兄妹だからいいといえばそうだろうが、そろそろ兄離れできないと困るのではないかと考える。

困ってセバスに視線を向けると一瞬考えたあと首を縦に振っていた。


「わかった、いいよ。今日は一緒に寝ようか。」

「うんっ。嬉しい。マリーも姉様も一緒。」

「「「え!?」」」


この場の全員が驚愕した。


「だめなの?」

「い、いやそれはさすがに……。」

「そ、そうですわね。婚前で同衾は……。」

「わたしは全然構いません、というか寧ろうぇるかむです!!」


僕は困惑し、ステフは否定しつつも顔を赤くし焦り、マリーは嬉しそうにしている。

三者三葉それぞれの反応を示す。

これを見ていた家臣達もどうなんだろうかと思っていたが以前にもそういえば似たようなことがあったと思いなおす。

そうして家臣たちは一斉に思考を放棄した。

もうなるようになれと。

その様子を感じ取ったジークは更に慌てる。

だが、そこにマリーから小声での援護射撃もありステフも同調したことで話は終わる。

そうして味方のいなくなったジークは三人と一緒に寝ることになった。

ジークを真ん中にして左隣にマリー、右隣にヒルデ、その隣にステフが寝る形になった。

就寝直前まで四人で楽しく語り合い、寝落ちするかのようにマリーとヒルデは夢の世界へ旅立つ。


「ジーク様、私は今幸せです。こうしてまたあなたとひぃーちゃんと過ごせるのですから。あの時は助けていただき本当にありがとうございました。」

「僕がそうしたかったんだ、だから気にしないで。これからもよろしくね?」

「はい、勿論ですわ。」


そうして二人顔を合わせて笑う。

そうして二人も夢の世界へ旅立つ。

今日はとてもいい夢が見れそうな気がした。





……当然お約束のようにメリッサが目を光らせていたが気にしないものとした。

こればっかりは許してほしい。

いかがだったでしょうか?

本日から二章が始まります!

いやぁよかったですね、平穏な日々が戻って()

ん?これが続くか?続いてくれたらいいですよねー

というわけで明日もお楽しみに!


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