王様と宰相の話し合い
ちょっとした閑話のようなものです。
「あの子の将来が楽しみだな。」
「ええ、本当に。」
未だ拙い部分はあるが、それでも若い領主としてよくやっていると思う。
だからこそグレイスもナイグルもジークハルトの将来が楽しみで仕方ないのだ。
「やはり若い世代が育ってくれるのは良いことだ。そういった意味でもジークハルトの学校を創ろうという考えも悪くない。」
「ですが、反発も多いでしょう。誰もが納得できるだけの案を出してもらわねばせっかくの良案も呑まれてしまいます。」
「そうだな。まぁこれから詰めていくとも言っていたし、楽しみにしておこうではないか。」
「そうですね。」
二人でこの国の未来を馳せる。
子は国の宝だ。
前ブリュンヒルド公爵が亡くなり、ステファニー嬢との縁談も消えたジークハルトの今後は一時期不安ではあったがどうにか立ち直ってくれたようだ。
それが何よりうれしかった。
どうしても国王や宰相をしていると国の暗い部分を多く見てしまう。
証拠を揉み消され手を出せず、そのまま腐っていった貴族も多く見てきた。
ジークハルトがまだ前を向いていることはよかったといえる。
現状南にきな臭い動きが見える。
それこそトレイル伯爵もだが、謁見の際のローレイル侯爵などいい例だろう。
ここで西のまとめ役であるブリュンヒルド公爵家まで潰れるといよいよ国が傾きかねない。
だからこそ、出来る範囲で支援をしてあげたい。
「それよりも陛下、よかったですね。マリアンヌ様も大事にされているみたいですよ。」
「……あぁ本当によかった。この際少しステファニー嬢をこちらで引き取ってからマリーがもう少し大きくなってから戻そうとも思っていたが、余計なお世話だったようだ。」
「全くその通りかと。いくら手のかかる可愛い愛娘のためとは言え、やりすぎです。この親ばかめといってやりたいですよ。」
「お前、遠慮ないな!?」
「今更ではありませんか。それとももっとかしこまったほうがよかったですか?」
「……いやいい。お前にまでそうされるとさすがにこたえる。」
「まぁそうですね。むしろ陛下がこうしろといったんですから諦めてください。」
「くっ。それはそうなんだがな!?」
誰もいない応接室に二人の笑い声が響く。
「そういえば、マリアンヌ様が先んじて婚約について公表しましたがどうしましょうか?」
「そういえば、そうだった……。あのじゃじゃ馬娘は本当にこちらの段取りを全て崩してくれる。全くどうしたものか。」
「そうですね。また考えましょうか。」
宰相はただただ頷き思考を巡らせる。
ただ、そんなことを言っているグレイスの横顔はなんだかんだとても嬉しそうであった。
全く仕方ない人ですね、と口には出せないが思う。
どうせ言っても否定されるだけだろう。
だからこそ何も言わずに考えるのだ。
陛下やあの三人の未来のためによりよい方法を。
いかがだったでしょうか。
明日は三人の視点に戻ります!
お楽しみに!
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