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運命の出会いは突然に

この世界に転生して五年。

僕は王都での披露宴に参加することになった。

毎年行われる王家主催のパーティーだ。


ここヴァルハラ王国では五歳になった貴族家の子は王都の披露宴に参加して顔合わせをすることになっている。

これには子供同士の交流や婚約者探しやパーティーデビューの側面もある。

今回の披露宴は五歳の子はほとんど参加するが、他の年代の子も全くいないわけではない。

交流のためにも多くの貴族家が参加する。

その際に跡継ぎの紹介の場としても子供を連れてくることが多いのだ。


「ジーク緊張しているか?」

「いえ、父上。教わったことも頭に残ってますし、むしろ楽しみです」

「そうか、それはよかった」


公爵家の長男として恥ずかしくないようこの五年間努力してきた。

勉学については正直前世のこともあるので全く問題はなかった。

むしろ、出来が良すぎて神童だとかなんだとか騒がれたっけ……。

貴族としての礼儀作法だったり、魔法・武術は少し苦戦したけどもさすが公爵家の血筋というべきか覚えるのは早かった。

武術に関しては今では騎士団に交じり、訓練をするほどになった。

魔法に関しても無詠唱で魔法の行使ができるくらいになっていた。

将来が楽しみだと両親からはたくさん褒めてもらえた。


そういえば今年新しく家族が増えた。

妹のヒルデ・ブリュンヒルドだ。

妹が生まれたばかりというのもあり、母は領地に残ったままだ。

生まれたばかりの妹がとても可愛くて最近時間があれば顔を見に行っているほどだ。

前世でも弟妹のことをよく可愛がっていたので一緒に遊ぶのが密かな楽しみだったりもする。


「そろそろ会場に向かおうか」

「はい、父上」


そういって馬車に乗り会場に向かう。

すでに披露宴は始まっている。

家は公爵家なので会場入りの際は少し遅れて入場する。

他家が委縮しないように配慮する形だ。


会場にはすでに多くの人がいた。

僕たちが入場するとすぐに視線が集まる。


「ブリュンヒルド公爵、ということは隣が噂の神童か」


どこかからそういった声が聞こえた。

集まる視線や小声を気にせず父に追随して歩いていく。

それから父に連れられ数人の貴族と会話していく。

名前を聞く限りどうやら公爵領の周辺貴族のようだ。


「お初にお目にかかります。クリス・ブリュンヒルドが長男、ジークハルト・ブリュンヒルドです。」


父に促され決まり文句のように自己紹介をしていく。

正直全く料理に手を付ける余裕がない。

父に言われたとおり、軽く出発前に口にしていて正解だったと思う。


それから王族の方々が会場入りしてきた。

歩く姿から堂々たるオーラを感じる。

父は王様と昔から仲がよかったという。

学園の時の武勇伝を何度か聞かされたほどだ。

ちなみに王様の名前はグレイス・ヴァルハラ。

王妃はアナスタシア・ヴァルハラで東部を任される侯爵家の出身らしい。

ちなみにブリュンヒルド家は西のまとめ役を任されている。

最後は王太子のユリウス・ヴァルハラ。年は僕の一つ上で六歳になる。

王都の学園に通うことになったら年が近いのもあり、恐らく一番交流することになるのではないかと思う。


その後王様からの挨拶が終わり、王様のもとへ挨拶に向かうことになった。

その内容は特にこれといったものはなく、淡々と終わってしまった。

本当に仲良かったのかと疑問に思っていると


「挨拶にくる貴族は多いからね。王城でも会えるし今はこれくらいでいいのさ。きっとすでに内心ぐったりしてるよ」

「なるほど」


そう疑問に答えてくれた。

確かに参加している貴族の話をずっと聞くのは大変だろうな。

仲いいからこそ近況報告だけして早々に挨拶を終えたのか。

いつか自分もそういった風になるのかなと少し想像していた。

まあまずは王太子と仲良くなるところからか。


「そうだ、ジーク。そろそろ奥で子供だけで集まる頃だろうしそっちに行っておいで」

「わかりました。では行ってまいります」


そうして子供が集まっている場所へ移動した。

が、どうにも居心地が悪い。

皆緊張しているのか遠巻きにこちらを見ている。

そんな取って食うようなことはないんだけどなと内心苦笑していた。

するとその中でも一人でいる女の子を見つけた。

白く絹のような髪を持ち、一挙一動が可憐な少女に目を奪われた。


「おひとりですか?僕はブリュンヒルド公爵家の長男、ジークハルト・ブリュンヒルドです。よければお名前をお聞かせください」

「私はステファニー・トライルと申します。噂の神童にお声がけいただけるなんて光栄ですわ」


これが僕の運命を左右する出会いとなった。

お待たせしました。結局朝になってしまった……

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