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あれから数か月。

マリーと話し合ったことで来てすぐに比べたら良好な関係を築けていると思う。

基本的にヒルデと一緒にいることが多いのもあって寂しい思いもあまりしていないようだ。


さて、マリーとステフに会いに行こうという話がどうなったか。

結論から言うと進展はない。

あの時すぐに会いに行こうと思っていたのだが、さすがに領地も今が大事な時だからとセバスから待ったが掛けられた。

当然といえば当然だろう。

為すべきことを為していないのに領主の自分が自由に動くことなんて許されるはずもない。

というわけで今の今まで執務に追われつつ領地内でマリーとヒルデと街を散策するという日々を過ごしていた。

その間にステフに手紙を送るも相変わらず返事はない。

正攻法でステフと会うことは難しいと思っていたが、どうしたものか。

領主が無断で他の領地の娘を連れだすなんてどう考えてもよろしくないし。

こうして行動を結局起こせずじまいであったが、僕もマリーも諦めるつもりは一切なかった。

いっそのことトライル家を潰してしまいましょうか、とマリーは言っていたがさすがに冗談だと思いたい。

南の有力貴族の一つであったトライル家を潰そうとすると必ず南の取り纏め役であるローテイン侯爵が黙っているはずないのだから。


「さて、今日の分はおしまいかな。」

「お疲れ様でございます。ジーク様お茶はいかがでしょうか?」

「ありがとう。もらおうかな。」

「どうぞ。」

「ふぅ、この時間が落ち着くよ。」

「クリス様と同じようなことをおっしゃられますね。」

「そうなんだ?やっぱり父上も苦労はしてたんだね。」

「それはもちろん。できるだけご家族にはそういった姿を見せないよう努めてましたので。」

「そっか……。さすが父上だなぁ。」


いつまでも暗いままではいられない。

僕のほうから下手に気を遣うはやめて寧ろ父上達のことを教えてくれるよう頼んだ。

それからというものこうして少しずつだが色々教えてくれるようになった。

それがいいのかはわからない。

なんだか皆が父上達のことを忘れてしまうのが怖いのだ。


(父上、母上。立派にこの領地を守って見せますので見ていてくださいね。)


コンコン、扉がノックされる。


「入っていいぞ。」

「……兄様失礼します。」

「お、ヒルデか。どうした?」

「もう仕事は終わったの?」

「あぁ丁度今終わったところだ。」

「そっか。なら今日一緒に寝よ?」

「構わないけど、どうして急に。」

「最近兄様仕事忙しくて構ってくれなかったから。」

「そうか、わかったよ。後で僕の部屋においで。」

「んーん、今日は私の部屋に来てほしいの。」

「そうなのかい?んーわかった後で向かうよ。」

「ん、待ってる。」


トテテテテと小走りで去っていくヒルデ。


「良かったのですか?」

「ん?まぁまだ六歳だ。偶にさみしく思うこともあるだろうし仕方ないだろう?」

「そういうわけではないのですが……。」

「どういうことだ?さすがに成人前の兄妹が過ごすのに外聞が悪いなんてことはないだろ?」

「いえ、()()()()()()問題ないのですがね。」

「???」


セバスが何を言いたいのかいまいちピンと来ない。

いつもこうして勿体ぶる言い方をするのだ。

全く、言いたいことがあるのであれば言ってくれればいいのにな。

そうして執務室を片付けていく。

外は星が奇麗だった。

久しぶりに妹と過ごすのだ。

少し楽しみであった。

軽食を取ってお風呂で汗を流してから妹の寝室に向かう。


コンコン、とノックする。


「いいよ、兄様。」

「ああ、失礼す、る?」

「こ、こんばんはジーク様。」


目の前にはヒルデだけでなく、マリーも一緒にいた。

どうして、と思ったがそもそもヒルデは今ではマリーとセットで扱われるほど一緒に行動している。

そんなことはこの屋敷の誰もが知っているのだ。

だからこそセバスは言い淀んでいたのだろう。

かという僕は完全に失念していたのだが。


「兄様?どうしたの?」

「いや、少し驚いてな。」

「そう、早く入ってきて。」

「あぁ。うん。」


ヒルデがこちらに寄ってきて下から覗き込むように見てくる。

僕の態度を不思議に思ったがすぐに手を引いて中へと誘う。


「兄様は真ん中。」

「「え!?」」

「ん?そのほうが話しやすいし寝やすい。」

「そ、そうか。」

「そう、ですか。」

「ん、そう。」


そのまま僕をベッドに横たわせる。

そして、ヒルデは僕の右側で右手を掴む。

それを真似するようにマリーは恐る恐る左側で左手を掴む。

そうして三人で川の字というか小の字のようにして寝る。

よくよく見ると壁際にメリッサがこちらを射殺さんとする表情で見ていた。


おひい様に手を出したら殺す、そんなことを目が語っていた。


コクコクと頭を必死に上下に振る。

それから他愛もない話をしてから眠る。

ぐっすりと安らがな表情で眠る二人を見る。

まさしく両手に花である。

あるが、こちらを見ている目線のせいでものすごく寝づらかった。


今日は確実に悪夢を見せられそうだ。

きっとその隣で眠る二人は幸せな夢を見ていることだろう。

いかがだったでしょうか?


この三連休どうして過ごそうか正直迷っています。

皆さんはどのように過ごしますか?

私は予定が特にないので空いた時間で明日明後日も続きを書こうか迷っています。

もしかしたら三日間投稿されるかもしれません。

時刻はいつも通り九時です。

もし投稿されなければまた来週土曜日となりますのでお楽しみに!


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