プロローグ
俺は海道龍太、しがない高校生だった。
なぜ過去形なのか、それは俺が死んでしまったからだ。
俺は三度の飯より本が好きな極々普通の学生。
両親や弟妹との関係は良好。
近所付き合いもよく、休みの日にはボランティアなど積極的にしていた。
バイトもしていたし、お金もそこそこ貯まっていた。
しいていうなら彼女ができなかったくらいだが、何不自由なく暮らせていたと思う。
そんなある時、乗っていたバスが急にスリップし転倒。
たまたま隣に座っていた少女を助けようと身を挺して庇ったことで俺は命を落としてしまった。
最後に目が覚めた時に家族や助けた少女が泣いていたのが印象深い。
ごめんと一言声を掛け俺は意識を手放した。
さてなんでこんなことを知っているのかという点だが、それは俺が転生したからだ。
急に意識が戻ったと思うとそこは知らない天井だった。
声を発そうにも「あうあう」といった形でしか発音ができない。
どうやら俺は生まれたばかりのようだった。
それからしばらくして夫婦が俺のもとへ訪ねてきた
男性の方は俺の父親でクリス・ブリュンヒルド。
母親はドロティア・ブリュンヒルド。父からはティアという愛称で呼ばれている。
「ああ、ジークハルト。目を覚ましたのかよかった」
「ジークちゃん心配したんですよ」
そして今の僕はジークハルト・ブリュンヒルド。ブリュンヒルド公爵家の長男だ。
二人は僕が目を覚ましたのを確認してすぐに目に涙を浮かべベッドへ駆け寄ってきた。
というのも僕は生まれてからすぐに高熱を出し数日目を覚まさなかったようだ。
そして先ほど目を覚ました時に世話役のメイド、アイナが急いで二人を呼びに行った。
その時に大声で名前を呼んでいたことで今の状況が大体理解できたというわけだ。
嬉しそうにしている二人を見て何だかほっとした。
どうしても前世の家族の悲しげな涙が頭から離れなかったから。
今度の人生はちゃんと長生きして親孝行できればいいな。
正直タイトル酷いと思うんです……
でもこれ以外思いつかなかったんです(´;ω;`)
というわけで毎週土曜更新でこの新作を書いていこうと思います。
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ちなみに夜中にもう一話投稿予定です。