3 みんなの手当の間に・・
次の瞬間僕は絶望的な気分になった。けが人が多すぎるのだ!
怪我をしていないのは、僕とキリヌだけ・・
いや、そうでもないかもしれない。熊から振り落とされた時に、
足を打ったらしく、ジンジン痛む。
僕は周りを見渡した。よく見るとロメナが立ち上がっている!
僕はロメナに駆け寄ると、「ロメナ、大丈夫?」
と声をかけた。すると・・・
「何を深刻がっているの?他のラミーはともかく、私は全然大丈夫よ?」
と言ったものだから僕は驚いた。何せ熊に思いっ切り足を噛まれたのだから。
それをロメナは何事もなかったかのようにしている。
僕はふととロメナの足を見ると、すっかり傷がなくなっていた!
僕は不思議に思って、「ロメナ。傷、どうしたの?」
そう聞くと、「あぁ。そういえばリリカにはまだ話していなかったね。
私はトカゲと、メキシコサラマンダーと、人間のラミーだから、
その分再生力が高いの。」そう答えてくれた。
僕は、「そうなんだ。」としか言えなかった。
驚いた気持ちもあるが、明らかに僕の心はこう言っていた。
(明らかにアメリカサラマンダーやトカゲよりも再生早いだろ!)
まあそこは彼女にもわからないのだろう。
僕はそう思い、尋ねるのをやめた・・・・・・
「はぁ〜。疲れた。」僕はそう言って地面に寝転がった。
みんなの治療を全て終わらせたのだ。それはもう疲れたのなんの・・
その時だ。遠くでノコギリで木を切るような音と一緒に、
動物たちの悲鳴が聞こえてきた。「なんでこんなことをするの?」
「なんなんだよ?!」「どうしてこうなったの?」
などの動物たちの声が聞こえてくる。僕は、
動物たちの声がする法会と走って行くとそこには、
異様な光景があった。おおきな木の切り株がたくさんあり、
近くにあった湖は全て水が汲み取られている。
そして何よりゾッとしたのは、切り株の断面だ。
切り株の断面は、ノコギリに切られたようになっている!
見間違うはずがない。僕は人間の世界の森で、何度も見てきたのだ。
僕は周りを見渡した。すると、遠くにノコギリと大きな木とツボを持ったウサギが、
崖に向かって飛び跳ねて行くのが見えた。あいつが犯人だろう。
僕はそいつを追いかけることにした。何をする木なのだろう?
そのウサギは、崖のバリアが貼ってある場所まで行くと、
その水の入ったツボや、大きな木をお崖の向こう、
人間の世界へと放り投げた。動物はいけなくても、
ものは渡れるようだ。だがその荷物を目で追って行くと、
向こう岸には人間がいた。そして人間はその荷物を受け取ると、
どこかへ持って言った。このウサギは人間に木や水を渡している。
これじゃあ楽園が崩壊してしまう!そう思った僕は、
そのウサギに「何をしているんだ!?こんなことはやめようよ!」
そう言った。が、ウサギは『うるさい。邪魔しないで。』そう言って、
僕を蹴り飛ばした・・・・
「はっ。」僕は目を覚ました。周りをみると、元の楽園とは違って、
花は何もなく森もほとんどなくなり、湖は干からびている。
あのウサギの仕業だと僕は思い、仲間達の元へ走り出した。
早く止めなければ。崩壊へのカウントダウンは、すでに始まっている・・・
続く
早く止めないと!