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結婚して~  作者: しょてぃお
8/20

ペンペン草

 結局1日経ってもリカちゃんは帰ってくる事はなく朝を迎えていた。

 自分のボロアパートの中を改めて徘徊すると、妙に辛気臭い感じに包まれていた。

 俺は別にそんなの気にしないでいたがいつもいる人がいないと、その場所をついついみてしまう。

 名残惜しそうに俺は視線を外し、ボロアパートを後にした。


 それから3日5日と経ち、気付いたら7日目の朝を迎えようとしていた。


 さすがにこれだけ待っても戻ってこないとなると、誰かに拉致でもされたか···まさかな。

 それか金でも要求されたか···まさかな。

 考えれば考えるほど不安は募り心配になるが、リカが良く訪れる場所やめぼしい所などあいにく検討もつかない。

 だとすると、ただ黙って待つしかない。

 今日は日曜日だから仕事も休みだから、自分の趣味を満喫出来るな。 

 俺の趣味は知っての通りSNSでの悪口。

 最近リカが来てから全然悪口書き込めてなかったので、久しぶりで俺の指先がワナワナと震えていた。


 SNSで『家出少女』と検索すると、でるわでるわ変な書き込みが。

 携帯片手に下にスクロールすると、一つ気になる一文が目に止まった。


『絶世の美少女とただ今お家で二人っきり。まさかモテない俺にこんな美少女が近付いてくれる何て笑笑』


 モテない中年オヤジも俺の赤外線スコープの対象なのは間違いがない。


『俺もそんな時期がありました。だけど突然別れは訪れます。何故なら後ろから太い眉毛のガンマンに撃たれるからです怖怖』

 と打ち込みを俺はした。

 しかも思わず恐怖感をだすために怖を二回も使っちゃったよ。

 昔SNSでこれを使われた時は恐怖で一日その事について考えてるほどだ。


 それからしばらく時間を潰したが、飽きたので昼飯を買う為に家の外にでた。


 俺の好物は肉だ。肉の中にも焼き肉、すき焼き、ステーキ、焼き鳥などなどいろいろいろな方法で肉は使われている。

 その中でも好きなのは焼き肉だ。

 だってあの網から脂が落ちて火力がまし、さらに肉が燃える感じが好きだね。

 口の中に入れた時の肉とタレが絶妙なハーモニーを醸し出す、あの感じも大好きなんだよ。

 やベー想像したら口の中からよだれがでてきた。


 焼き肉店を目指す為に改札口に定期券を通して長野駅を目指した。


 長野駅に着き街の中を徘徊していたら旨そうなな『焼き肉が世界で一番旨い』という看板が見えたので、俺はポケットに手を突っ込み残金を確認すると200円しか入ってなかった。


 リカがいなくなってからまた金遣いが荒かったせいかこれしかない。リカがいてくれた時は金は全部あっちが支払ってくれていたんだがな。

 財布がいなくなるのは寂しいもんだな。

 

 しょうがねー。ペンペン草でも食うか。ちなみにペンペン草は別名でナズナって意味だ。


 俺は焼き肉店を諦め家の近くにある公園に向かう事にした。

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