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結婚して~  作者: しょてぃお
15/20

最終手段はキノコです

 今日は川中島の戦いの跡地ではなく方向が全く違う場所に訪れていた。

「あのこいつ痴漢したんで逮捕してもらえませんか?」

 中年サラリーマンが犯人を差し出すかのように俺を前に押し出した。

 その行動に腹がたったが前につんのめり転びそうになったが、顔を上げると見慣れた顔がそこにはあった。

「君今度は何したの?」

 リカを探している警官が何故か目の前にいたのだ。多分あれだろ、ここら返の地区の担当がこの人なのだろう。

 しかもあれだ。別にこの前だって何もしてないのに何かした事あるいい方してるよこの人。

「別に何にもしてないですよ。また何か下手なイチャモンつけられただけです」

「いや、しただろお前」

 俺の言葉にすかさず反応して中年サラリーマンが答えた。

「だからしてないって!」

 俺もさすがにカチンときて声を荒げていたが、中年サラリーマンは余裕の表情を見せて知らんぷりしていた。

「ちょっと聞いてるんですか!?」

「あーもういい、いい。ここはやっぱり本人に真相を聞こうじゃありませんか?」

 俺も含めて警察官中年サラリーマン全員が女子高生に視線を向けた。

 少しもじもじしているのかセーラー服の裾を掴んで俯いていた。

 まぁ無理もないだろ。こんなまだ若くて可愛い美少女に言わせるのは気の毒だろ。

「や···やられました。スカートの中をモゾモゾって」

 おーい!やってねーんだよだから。そこにいるオッサンなんだよ。やってたのわ。

「本人も言ってるから···御愁傷様」

 といい警官は俺の肩に手を置いてきた。

 失礼だ。失礼だろ警官。

「何度も言うけどやってないって」

「もういいからから」

 ダメだこの警官。完全に俺の話し聞いてねー。

「おい、お前が良かったら示談でもいいぞ」

 俺と警官の話しを割って中年サラリーマンが入ってきた。

 あーやっぱりさっきから思ってたけどこの二人ただたんの詐欺グループだわ。

「ちなみにいくらですか?」

 中年サラリーマンは片手でパーを開いていた。

「5円ですか?」

「バカヤロー。五百万だよ五百万」

 あるわけねーだろんな金。

 一応ポケットに手を突っ込んで確認してみたら、じゃらじゃらと小銭の音がなり手元には十円玉が十枚しかなかった。

 あれ俺二百円あったはずだけど···落としたかな。思い出せねーけどどっかに落としたな。

「おい、どうすんだよ?」

 中年サラリーマンが鋭い口調で俺に言ってきた。

「すいません警察官さん。これって脅迫されてるんですけど?」

「ださなければ逮捕です」

 あんたもかーい。あんたもグルなの。ねぇ完全にグルだよね。

「あるわけないでしょそんな大金。ふざけないで下さい」

「おい、お前は女のやらかい身体イヤらしい手つきで触ったんだよ。こんな金安すぎる位だぞ!」

 女子高生をふと見たら口を一瞬ニヤリとしたような感じがした。

「分かりました。お金ならあげます。ちょっと手を出して下さい」

 中年サラリーマンは手を出し俺はその上からじゃらじゃらと小銭を十枚落とした。

「おい、おちょくってんのか?」

 中年サラリーマンは鷹の目みたいに鋭く見てきた。

「いいえ本気です。これが俺の全財産です」

「絶対嘘だろ。普段どういった生活してんだよ」

 その質問は愚問だぜ。

「取り敢えず草は食べています。それと今度本当に何も食べ物なくなったらキノコ焼こうかなと思っています」

 その話しを聞いて周りが俺から半歩後退りしたのが分かった。

 本当に引かないでくれるかな。惨めになるから。


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