表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/33

第2章 ★ 審判の星(13)ファイナル・カウントダウン②

(13)ファイナル・カウントダウン(Part2)


 異常は電波障害だけではなかった。彗星の接近に伴い二つの巨大な天体は、千年の恋がようやく実り、やっと出逢えた恋人同士のように、お互いを求め合っていた。


☆強大な重力干渉で、異常現象が各地で大きくなった

――――――――――――――――――――――――

 重力干渉による海面の急上昇に伴って、史上最大の大津波。

 大気圧の急激な変化により、大竜巻や稲妻の嵐。

 異常な重力場がもたらす大地震と、それに伴う地割れ。

 火山の大噴火と、それに伴う溶岩の激流。


 狂っていた惑星環境人工コントロール装置は、とうとう無用の長物と化した。

 地底を激走していたサンダー・トレインが、ゆっくりと宙を舞う。

 当然の如く人々は逃げ惑い、都市は大パニックに陥った。


 逃げるといっても、何処にも逃げ場はない。

 助けを求めても、誰も助けることができない。

 人々は跪き、天を仰ぎ、祈るしかない。


 これ程までの天変地異が一度に起こってしまっては、彗星が衝突しようが、回避されようが、それは大差ない問題であった。既に地表は壊滅状態に陥っていた。



☆ミカリーナは、ようやく妹と連絡が取れた

――――――――――――――――――――

 強い電波障害のため無線通信がつながらず、やっとつながったTV電話も画像は乱れ、音声だけの通話となった。


 ノベリーナは喜んで来てくれるものと、ミカリーナ達は思っていたが、その返答は違っていた。


「わたくしには、母から頼まれた大事なお役目があります。それに、お父様のことが心配です。わたくしは、まだここに残ります。いよいよの時が来ましたら、お父様を連れて脱出しますから、心配なさらないで。お姉様たちは、お先に……」

 ノベリーナの言葉が少し途切れた。それは胸の奥に想いが詰まったためなのか。


 一息入れると、ノベリーナはつづけた。

「それから、ジーニアウス様には……、よ~ろ~し~く~お~伝え(ください)」

(ザーッ、ザーッ、ザー……)


 最後の言葉を伝えるノベリーナの声は震えていた。それは強い電波障害のせいなのか、それともノベリーナは泣いていたのか。通信は突如途絶えて確かめようもないが、鋭い直感能力を有する姉には、妹の思いを汲み取れた。


「ノベリーナ。もしかして、あなた……、ジーンのこと?」


 宇宙船の出航準備が完了したところで、キャプテン・ジーンは決断を下した。国王の勅命にかけても、今できる最善の方法を取るしかない。


「さあ! 出発だ」

 ジーンは歯切れよく出航の号令をかけた。


 シルバーファルコム号はサンライズ・スペースポートをあとに勢いよく飛び立った。まるで大空を舞うコンドルのように、滑らかで実に美しい飛行である。


 銀白色に輝く反重力宇宙船は、真っ白な一筋の飛跡を残し、宇宙へと向かう。

 その勇姿は、まさしく『宇宙ファルコン』の旅立ちであった。

 

 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ