~レガリー町にて~
引き続き、文体や内容がおかしかったらご指摘等よろしくお願いします。
それではごゆっくり、
竜車の乗り心地は最高だった。レガリー町までの道のりでは、「The 異世界 」って感じの景色が広がっていた。
可愛いモンスターが沢山いて、癒されっぱなしだ。やはりこの辺は比較的安全な区域なのだろう。
「御者さん、レガリー町ってどんなとこ
なんですか? 」
親父が質問をする。確かに気になるところだ。さっきのジュールの反応も少々気になった。何かあるのか?
「あそこは鍛治の町として有名なんだ。
しかし…… あそこはちょっと不気味なんだよ。
なんでかは分からないけどねえ、雰囲気が暗いと
いうか、怖いというか…… 」
「そうなんですか…… 」
まあ、百聞は一見にしかずだ。行ってみればわかるだろう。
今は異世界の景色を楽しむことにした。
「ふぁぁぁ 着いたーー! 」
レガリー町に着いたみたいだ。いかにも工業の町って感じだ。あたりの家から煙が出ているから、鍛冶の町というのも納得できる。屈強な男達が歩いているのも納得できる。
「なあ親父、金はいっぱいあるからよ、武器買おう
ぜ武器! 」
そう、この前のモンスターを倒したことで、俺らの手元には、30250ゴールドもあるのだ。こんなにあったら武器も買い放題だろう。
「いいな!買いに行くか! 」
~近くの武器屋にて~
「おおー!すっげえ〜 」
そこにあったのは、綺麗な武器たちだった。派手な装飾などはないが、繊細な刃が俺たちを見とれさせた。
「このレイピアいいなあ! 」
親父が綺麗なレイピアに釘付けになっている。
「これ装備させてくれるのかな?店員さ〜ん!! 」
返事がない。
「店員さん? 」
やはり返事がない。なんだろう。店員が居ないのか?
そういえばやけに静かだな。「いらっしゃいませ 」もなかったし。そう思ってレジの方に向かうと、がたいの良いエルフが居た。
「いや、いるじゃないすか。店員さん、あのレイピ
ア、装備出来ますかね? 」
返事がない。さすがにおかしい。しかもこのエルフ、うつむいて何かをブツブツ唱えている。その表情はどこか狂気じみていて、不気味だった。御者さんの言っていたことは本当だったようだ。怖い。
「おい、親父。店出ようぜ 」
「お、おう 」
親父も雰囲気を察したらしい。俺らは大人しく店を出ることにした。
「なんだったんだよあの店…… 」
「ほんとだよなあ、せっかくいい武器揃えてるのに
なあ。もったいない 」
さっきの武器屋の愚痴を言いながら帰ろうとしていた。すると、
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!やめて! 」
近くで、女性の叫び声が聞こえた。
「なんだなんだ!」
声のする方向に行ってみると、鎧を着た2人の男が、1人の女性を連れていこうとしていた。
「おい!何してるんだ!!放してやれ! 」
たまらず、2人の男の前に立った。正直、怖い。
体格差がありすぎる。気迫で押しつぶされそうだ。
2人は何も言わず、俺を突き飛ばして進んだ。
突き飛ばされただけなのに、全身が痛かった。自動車に轢かれたかと思った。しかし、勇気を振り絞って近くの木の棒を持ち、2人に襲いかかった。
攻撃は当たった。でも、びくともしない。2人は振り向いて、少し驚いたような顔をした。
「応援を要請 」
1人が短く言葉を発し、もう1人が俺を担いだ。
強い力だ。暴れても無駄なのはわかっていた。どこに連れていかれるのだろう。さすがに死刑はないよな。
俺は諦めて、身を任せることにした。
「翼!!!! 」
親父が必死な顔でよんでいる。
大丈夫だよ、の意味を込めて、おれはグッドサインを送った。
気がつくと俺は、檻の中にいた。石でできた壁に、トイレ、洗面所、ベットと、最低限のものが置かれている。
檻の中で、俺は考えた。自分の弱さに、気付かされた。スキルが強くても、本人が強くないと意味が無いじゃないか。俺が強かったら、助けられたかもしれない。弱い人達を救えたかもしれない。
現実でもそうだった。周りに合わせることを知ってから、周りの目を気にするようになった。バカにされるのが怖いから、『普通』を演じてきた。でも、誰も助けられなかったじゃないか。
いじめだって見て見ぬふりをした。先生の悪口を言っておきながら、内申点が怖いから先生に媚びを売った。俺はずるい。もっと強くならないといけないんだ。
「1249番、出ろ 」
無表情な男が、檻を開ける。俺は素直に、檻から出た。
「死刑にはならないですよね? 」
怖かったから聞いた。異世界だから、めちゃめちゃな法律もあるかもしれない。だとしたら困るのだけれど。
「……………… 」
返事がない。この町の住人は返事を知らないのか?さっきからこの町の人とろくに会話したことがない。しかもこいつもうつむいてブツブツ言っている。やはり不気味だ。
「これに着替えろ 」
そこにあったのは、茶色い布切れだった。
おいおい、こんなの服じゃねえだろ。心の中で文句を言いつつ、男の目が怖かったので、渋々着替えた。
「今日からここがお前の仕事場だ 」
そう言われた場所は、広大な荒地だった。
なんだかよく分からない草が生え、茶色い土がもろに露出している。そこには、必死で耕している人たちが何十人といた。
「早く働け 」
無造作に鍬を渡され、荒地に放り込まれる。まあ、死刑にならないだけまだマシか。
無理やりにでもポジティブに考えることにした。
うぅ…… この先どうなるんだ……
「つ、翼???!!! 」
可愛らしい声がした。どこか抜けてるが、聞き覚えのある声だ。
「親父!!!!! 」
そこに居たのは、紛れもない、美少女になった親父だった。
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