~酒屋での出会い~
引き続き、文体や内容がおかしかったらご指摘等よろしくお願いします!!
それではごゆっくり、
呆然としていた俺たちだったが、ふと我に返るとパチパチパチと拍手の音が聞こえた。街人が俺たちに拍手をしてくれているようだ。普段拍手されるようなことをしていないから、なんだか照れくさい。
しかし、街人達の表情はどこか不安気に見える。やはりモンスターが襲ってくるのに慣れていないのだろう。
「みんな!今から飲みに行こうぜ!! 」
親父が街人達の不安を消し去ろうと、声を上げたようだ。親父、ナイス。
~酒屋にて~
「うっまぁぁぁぁぁ 」
香ばしい香り、肉汁たっぷり、程よい塩加減。
さいっこうの焼き鳥だ!!
「あんちゃん、もっと食べておっきくなんな! 」
酒屋のおっさんが人懐っこい笑顔で焼き鳥を出す。
「うっす! 」
異世界で焼き鳥が食べられるなんて幸せだなあと、
感動している矢先、
「はい!あはい!あ、はいはいはい!! 」
手拍子が聞こえ、親父の姿が目に映る。ノリっノリで踊っているみたいだ。昔っから酒癖が悪いんだよなあ。今は美少女だから様になっているが、あれが親父だと知っている俺はどんな顔して見てればいいんだよ……
「すみません! 」
「ん? 」
1人の青年が話しかけてきた。顔立ちが整っていて、爽やかイケメンと言った感じか。年齢は俺と同じかちょっと上くらいだろう。
「自分はジュール・アルバっていいます。ジュールって呼んでください。」
「あ、近藤 翼っていいます 」
「コンドウ ツバサ?面白い名前ですね。それにしてもさっきの魔法凄かったです!!やっぱり日々の鍛錬の賜物なんですか? 」
「あ、うん、そんな感じ笑 」
最初っからできましたなんて言えねぇぇぇぇ
「僕今保育士をしてるんですけど、いつか冒険者になって稼ぐんです!ツバサさんよりも強くなってみせます!! 」
「お、おう笑 がんばれ! 」
何だこの溢れ出る爽やかオーラは。自分が情けなくなってくるじゃないか。
「ふぇえええまだ酔ってねえぞぉ 」
「酔ってます。ほら、ちゃんと歩け!あとちょっとだから! 」
フラフラな親父に肩を貸し、老婆の家のドアを開けた。
「おかえり。お二人さん 」
老婆が出迎えて来てくれた。こんなに遅いのに、なんだか悪いな。
「もう眠いじゃろ。もう寝なさい 」
申し訳ないが、寝させてもらおう。今日も色々あってヘトヘトだ。
「ありがとう。おやすみなさい 」
「おやすみ 」
ベットに倒れ込むように眠った。
~翌日~
「おええええええええええええ 」
はあ。こうなると思ってたよ。
「親父ー大丈夫かー? 」
「だ、大丈おええええええええ 」
「こりゃダメみてえだな 」
いい歳して全く。飲み会の翌朝はいっつもこんな感じだったな。
「フォッフォッフォ あのお嬢ちゃん、見かけによらず、随分と飲むんじゃな 」
「本当、見かけによらずですよね 」
「まあまあ、お食べ 」
この婆さんが作る料理、まじでうまいんだよなあ。
「うう……気持ちわりぃ…… 」
親父がトイレから帰ってきた。だいぶ気分が悪そうだ。
「ったく。飲みすぎんなって毎回言ってるだろ 」
「はい。すんません 」
「あ、そうだ婆さん、俺らスキルが分かったんだ 」
「知っておるぞ。魔王を倒すやる気もでてきたじゃろう 」
「い、いやちょっとな 」
正直、結構やる気が出てきた。やる気と言うよりは、自信がついた気がする。
「フォッフォッ でも忘れてはならぬことがある。
スキルの説明にもあった通り、お主らは2人でひとつ。どちらが欠けても駄目じゃ。お互いを尊重し、高め合うことが出来たら、きっと魔王も倒せるじゃろう 」
「おう! 」
今の俺たちならできる気がした。あのデカブツを一撃で倒せたのだから、魔王だって……
「で、魔王はどこにいるんだ? 」
確かに。魔王の場所がわからなければ倒せないじゃないか。
「わしも知らん 」
「ええええええ!じゃ、じゃあ倒せないじゃないか!! 」
「まあ、落ち着け。この世界のどこかにいることは確かじゃ。まあどこにいるかは自分たちで調べなさい 」
「そんなぁ…… 」
魔王の居場所が分からないなんて、鬼畜すぎる……
「じゃ、じゃあこれからどうすればいい? 」
「そうじゃなあ。ここに居てもしょうがないから、隣町にでも行ってきたらどうじゃ?なにかわかるかもしれんぞ 」
「おお、それはいい考えだ。いこうぜ! 」
「いいね! 」
「して、隣町はどこに? 」
「東に30km行ったところじゃ 」
『遠! 』
「大丈夫じゃ。隣町には竜車がでておる。30分もあれば着くわい 」
なら良かった。しかし隣町まで30kmとは。この世界って結構田舎か?
「じゃあ行きますか! 」
「うぇい! 」
街では、外壁の修理が行われていたが、みんな平和に暮らしているっぽい。道中、親父が子供に絡まれていたが、気にしないことにした。
「あ、ツバサさんじゃないですか! 」
昨日の爽やかイケメンだ。
「あ、どーも。こんにちは 」
それにしても眩しいなこいつは。
「どちらに行かれるんですか? 」
「あ、ちょっと隣町まで 」
「隣町ってレガリー町ですよね…… 」
ジュールの顔が曇った。なんだ?隣町になんかあるのか?
「どうした?レガリー町がどうかしたのか? 」
「あ、いえ!なんでもないですよ!僕も行ったことがないので行ってみたいなーって、あはははは 」
明らかに顔がひきつっているが、気にしないことにしよう。隣町に行ったことがないなんてどこのお坊ちゃんだよ。まあ気をつけて行くか。
「おい親父、行くぞ 」
子供と戯れている親父をひっぱがす。その容姿だったら子供に人気が出るのも無理はない。その証拠に、群がっている子供は全員男の子だった。
「ったくいいとこだったのに 」
「へいへい 」
竜車の停留所に着いた。
「おおお!これが竜か!可愛いなあ!!! 」
「それな! 」
めちゃめちゃに可愛い。竜って聞いたからごつい感じをイメージしていたが、人懐っこくて可愛い。
「出発進行ー! 」
竜が走り出した。乗り心地も悪くない。これなら快適に隣町まで行けそうだ。
隣町、レガリー町への期待に胸をふくらませ、
竜車に揺られた。
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