~最強(かも)なスキル~
引き続き、文体や内容がおかしかったらご指摘等よろしくお願いします。
それではごゆっくり。
とりあえず、老婆に言われるがままに役所にやってきた。随分大きい役所だ。ここで『スキル』とやらが調べられるらしいのだが……
「すみません、『スキル』を調べたいのですが 」
親父が受付の人に訪ねる。
「はい、かしこまりました。少々お待ちください 」
そう言って受付の人は、タッチパネルのようなものを持ち出し、
「このパネルに手をかざすことで、現在のレベル、能力値、スキルなどが分かります。モンスターを倒したら自動的に賞金が送られます。尚、レベルが上がった際には、対象の前にレベルが表示されますので、ご了承ください。」
なるほど、レベリング制度もあるのか。ずいぶんファンタジミックな世界だな。
「おお、なんかRPGゲームみたいだな! 」
親父はご満悦のようだ。
「それでは、手をかざしてください。」
「おう! 」
親父が手をかざすと、パネルが光を放った。光が収まると、パネルに文字が表示された。
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近藤 徹 レベル1
HP:120/120 MP:20/20
攻撃力:20
防御力:124
速度:240
スキル 『妖精の擁護』(Defending the fairy)
内容:対象(自分以外)のMPを1回復する。
発動条件:対象が半径10m以内にいること。
必要MP:5MP
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最初は意気揚々と眺めていた親父だったが、だんだん顔が青ざめていくのが分かった。なんだろう?
「おい、これはどういう事だ? 」
「どうした親父? 」
「こ、これをみてくれ 」
「どれどれー 」
そんなに青ざめることは無いだろ笑
軽い気持ちで見た訳だが、見終わった頃には、
「あはははっはっはっはっ!!!!!!!」
なんだこれ。面白すぎるだろ!なんだよMP1回復って。しかもMP1回復に5MP使うとか面白すぎるだろ!明らかにゴミスキルだ。笑
「おい、こら!笑いすぎだ! 他人の不幸で笑いやがって!!!」
「悪い悪い、つい笑 」
「さーて、次は俺の番かな 」
きっと強いスキルに違いない。俺が親父をカバーしてやるか。
「それでは、手をかざしてください 」
又もや、パネルが光る。どれどれ?
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近藤 翼 レベル1
HP :120/120 MP1/1
攻撃力:32
防御力:59
速度:200
スキル 『龍王の息』(Dragon King's Breath)
内容:対象(自分以外)に対して莫大なダメージを
与える。このスキルを持つ者は、レベルに
関係なくMP上限が1になる
スキル『妖精の擁護』を持っている者とレ
ベルを共有する。
発動条件:半径10m以内にスキル『妖精の擁護』を持
つ者がいる
必要MP:1MP
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このパネルを読んでいくうちに、俺は驚きを隠せなかった。偶然にしてはできすぎている。このスキルは、俺たちのためにあるようなものだった。
「おい、親父、ちょっと見てくれ 」
親父は相変わらず不機嫌なままだったが、パネルを読むうちに、表情は驚きに変わった。
「お、おい、これ! 」
「ああ、そうだ。俺らのスキルを組み合わせれば、最強かもしれねえ!!」
まあ、そうはいっても最強かどうかは俺のスキルの強さにかかっている。スキルの内容には「莫大なダメージ 」と書かれていたが、どれくらいの強さかはいまいち分からない。
「まあ、とりま使ってみようぜ! 」
「そうだな! 」
そう言って役所を出て俺達が召喚した草原に向かっていると……
グオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォ
バコォォォォォォォォン
大きな音を立て、外壁を崩して街に侵入してきたのは、黒い怪物だった。大きな牙、赤い目、そして10mはあるであろう巨体が目の前に現れた。
昨日追いかけ回された怪物とは別次元だ。街人達は、パニックを起こして逃げ惑っている。
「や、やってみるか? 」
「やっちゃえやっちゃえ! 」
物陰に隠れた親父が応援している。殺してえ。
深呼吸をする。足音が近づいてくる。怖い。でもやるしかない!!
「龍王の息(Dragon King's Breath)!!!!!!」
自分の手から紫色のモヤモヤした炎のようなものが放たれる。反動がすごく、立っていられなかった。
紫色の物体は、怪物のもとにあっという間にたどり着き、大きな音を立てて爆発した。
「い、一撃………… 」
そこにあった巨体は倒れ、分解されるように天に昇っていった。
「よ、よくやった、息子よ 」
「見てただけだったろ 」
「うっ…… 」
「ん? 」
目の前にスクリーンが表示された。
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レベルアップ
近藤 翼 レベル1→レベル72
HP:810/810 MP:1/1
攻撃力:102
防御力:205
速度320
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なっ?!!レベル上がりすぎだろ!!!!
一撃でこんなに上がるものなのか?
確か俺と親父はレベルを共有するはずだから、親父も同じレベルなのだろう。親父は唖然としている。
「こ、こんな上がっていいのかよ?まだ最初の街だぜ? 」
俺たちは呆然と自分のステータスを見つめていた。
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