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俺が無理だろと言ったが、ババサマは片付ける手を休めず。
「無理ではない、早目の晩ごはんにする。」
そう言って、いつも日が落ちてから晩ごはんだが、夕暮れる前に軽く食べさせた。
「なんで、こんなに少ないの?腹が減ってないけど、少な過ぎない?これじゃあ、寝る時に腹が減るよ!」
「食べさせられてるのだから文句を言うな。」
あれ?声の響きがいつもと違う?
少し疲れた感じがする。今日が成人の儀式なら村は祭だ。
もしかして、昼飯を置いて朝から見かけなかったから、祭に参加した?と文句を言いたいくらいの気持ちを思わず抑えた。
俺も祭に行きたかったが、今日が祭だとさっき聞いたばかりで、もう宴は終わっただろう…儘ならない足許に1人で行けないのは分かっていたが…
俺一人留守番させ、誰も迎えに来てくれない寂しさは無視しよにも出来ない…
ババサマにそんな気持ちを八つ当たりをしたいくらいだが…
もし本当に成人の儀式を見に行くなら、きっと皆には内緒なはずだ。
神聖で危険な儀式…ババサマの態度で本気で俺を連れて行ってくれようとしていると感じる…
足が儘ならないこんなガキを連れて行ってくれるなんて、ババサマにとって何の得もない事をしようとしているのは不思議でならない…
字を覚えている間は、平和で意外と心地好い環境に安心感さえ感じていたが、ババサマの最初の言葉が蘇る…
死を受け入れろ…
ゴクリと自分の唾を飲む音が大きく聞こえた。
意味が分からないから、無視していた言葉…
成人の儀式がババサマの言った言葉の意味の答えなんだろうか…