4年ぶり3
コ「あ、あ、アルインス先生!?」
アルインスはドアを閉め、コシェの元へ歩み寄る。そして手で「2」と示し、地べたに座る。
アルインスが地べたに座るのを見てコシェも腰を下ろす。
コ「博士!本当に久しぶり!本当に4年ぶり!急に居なくなって、本当に、不安だったからね?」
そう言ったコシェは、とてつもなく笑顔だった。
ア「ごめんね。なんせ私は元々ドーガルアの人だったものですから、ドーガルアに突如として帰されてですねぇ…」
アルインスはコシェの頭にポンっと優しく手を置いて、本当にごめんね。お疲れ様と言って労をねぎらった。
本当に博士は変わっていない。どうして年下である自分にまで敬語を使うのか。誰にでも敬語を使ってしまう癖は、4年たった今でも変わっていなかった。
コ「…えっ!?博士って元からドーガルア人!?よくあんなタスタ語をペラペラと…」
今日、コシェは何回驚くことになるだろうか。もう一日に3回位は驚いている。今日は色々なことが起こりすぎて寿命が縮みそうだ…
ア「えぇ、ドーガルア人ですよ。なんならコシェさんだってドーガル語上手く喋れていますよ?」
コ「え?本当に?嬉しい!」
ア「さて…この際ですから出会った経緯を話しませんか?そうした方がここにいる理由もきっとはっきりしますよ。」
コシェが頷くとアルインスは話し始める。
ア「私は元々からここの職員でタスタへの調査できました。」
コ「え!?そうだったんだ!知らなかった…」
私でも知らなかったという事は、アルインスも裏方で動く人なんだろう。
まだ自分が子供だった頃、タスタとドーガルアは敵同士でも無かったため、ドーガルアからタスタに行くにはまだ容易かった。
タスタ共和国は連盟国にも狂軸国にも呼ばれていたが投票の末、連盟国入りが決定した。
連盟国入りしたのはつい最近の話であり、半年すら経っていない。だからこそ自分もドーガルアへ来れた。
総統のナフーガ様はきっとタスタの連盟国入りを機に連盟国から来た永住権がある人々を呼んだのだろう。勝手にそう思っている