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4年ぶり2
「少し気が抜けていたような気はしますが、腕は全然落ちていなくて良かったです。」
確かに聞いたあの懐かしい声。そして顔。わかっている。何年も一緒にいたからこそ分かっている。この人が誰で、どんな人か…
しかし、コシェの頭の中ではこんらんとはてなマークがいっぱいで思考も動作も停止してしまう。
コ「……………な、ち、、え???」
驚きすぎて呂律も回らない。コシェは生きている中で最大の驚きを味わった。もうこれ以上驚くことが無いと言えるほどの驚きだった。コシェは石像のように固まってしまって動かない。コシェの目の前にいたその懐かしい顔の人は、その反応を面白がるように笑って言った。
「すごい後ろまで下がるね。………えーっとやっぱり混乱しますよね…」
と少し苦笑いした様子で、折りたたみナイフをしまう。うーん…っと悩む様な素振りを見せ、頭を掻き、さっきからずっと固まっているコシェをこちらに感づかせるために、コシェの肩をボンッと強く叩いて
「お久しぶりですね、コシェさん。4年ぶりですね〜…」
とのんびりとした口調で言った。