第4章 4年ぶり
ベ「実際どうなんですか。本当にここへ来て大丈夫だったんですか?少なくとも親などはいたはずです。どうなんでしょう?」
コ「確かに親もいます。ただ、あまり話したくはないです。マイナス的な意味で。そもそもタスタとか言う小国のクソ国家はすぐ滅びますよ、どうせ。」
べ「結構刺さる事を言うんだね」
そうベルンクスは、苦笑した。
ベルンクスが小声でそうなんでしょうけど。と言ったのをコシェは聞き逃さなかった。
(あぁwこれがいわゆる手のひら返し…ってやつかなw一応ドーガルアは狂軸国に勧誘してたんだがなぁ~…その後すぐに民主主義の首相に成り下がったんじゃあ入るのはやっぱり連盟国だよな………)
廊下をしばらく歩いていくと、ある部屋の前に着くなりベルンクスは言った。
べ「一旦この部屋で待機の方をお願いします。と、同時にここがあなたの部屋となります。各それぞれの幹部にあなたのことを言うように言われたので……あと部屋から出ないようにお願いします。もしこちらの者が来たら、あなたなりの対応をお願いします。ないとは思いますが、もちろん平和的な方向でよろしくお願いしますね。」
そう言ってベルンクスは部屋から出ていった。
部屋の内装はまるでホテルのよう。入ってすぐ右のドアを開けると、お風呂場があり、突き当たり真っ直ぐ行けば右手にシングルベッド、大きなテーブル、書類を入れるような棚と、小さな四角い冷蔵庫……そして小さなキッチンまであるじゃないか!…なかなか豪華な作りになっている……クローゼットは、壁付けとなっていてハンガーもご丁寧に幾つか掛けられている。
(どうしてこうなったのだろうか……でもまぁこれも面白そうだが、殺し屋としての仕事はできなくなってしまう……それにしても、べルンクス様は長い時間、手を握ってきた。恐らく心理やらに長けているだろう。私のあの軽蔑も、噓じゃない事を見抜いていたようだったしな………ナフーガ様の秘書のような立場であれば、普通に考えられる気がする。っていうか、玄関先で質問したのに何も答えて貰ってないんだがなぁ〜…)
これからどうなるのだろうと色々考えているコシェは気分転換にと窓を開けた。
ふと懐かしい顔が思い浮かんでしまった。
コシェは、大きなため息をつき、ぼーっとしようとした。時刻はもう既に3時を越えようとしていた。出発は早朝と早かったものの、やはり来るのに時間を費やしてしまった為、ゆっくりとは出来なかった。と言うか、できるはずもない。何分かしてノック音が聞こえた。その音にコシェはハッとして頭を切り替え、ドアを開けた。
(!)
ドアを開けた瞬間、刃物のようなものが見え、咄嗟にコシェは、一気にベッドがある直線上の位置まで下がった。びっくりして目を見開いて静かにドアの方を見ている。腕だけしか見えなかったものが徐々に明らかになる。