07話 レベルアップ
今日は朝からシトシトと雨が降っている。
北の草原で探索を実行しだしてから大分時が経ち、二つほど事態が展開した。
先ず、竜が自分の身体を『肉体操作』によって改造し、その結果成分が足らなかった等で本来有るべき状態に無かった部分も無事全て予定の値となった事だ。
その為、『肉体操作』を起動し自分の身体を確認した際に常に出ていた『注意』のイメージがやっと出なくなっている。
当初は単純に食事を取り、その後に『肉体操作』を使って胃の中の食物から吸収すれば直ぐに不足分をまかなえる、と考えたのだが、予想に反してなかなかに思うように行かなかった。
不足分でも、タンパク質や水などは当然のごとく十二分に摂取してはいるのだが、多分それ以外に必要とする栄養素が不足していたのだろう。
特に、熱を加える事で分解してしまうような栄養素の吸収に手間取ったのかもしれない。
予定よりかなり遅くは成ったものの、予定した状態になった彼の身体は、元々の身体の2割増し程度に筋肉が付いた引き締まった身体となっていた。
この筋肉は、遅筋と速筋が半々で満遍なく配置されたいわゆる桃色筋肉と成っており、さらに各筋束自体が通常の倍以上の性能で、性能だけで言えばオリンピッククラスのアスリートを軽く凌駕する。
そんな肉体が完全な形で形成された時点で、その性能を十全に発揮できるように訓練も実施してきた。
その上で、訓練の途中『肉体操作』で自分の身体をチェックし、負担となっている部分を確認しつつ出来る範囲で補強も実施していく。
主に骨や腱が全力稼働時の筋肉に負けてしまっている事が分かったからだ。
『肉体操作』には問題が出るような場合にはその改造が出来なくなる安全機能があるのだが、それはあくまでも通常生活における場合で、限界近くの稼働時は想定していないようだ。
実際、普通の人間の身体も無意識のうちにストッパーが掛かっておりそれを外した事によって筋肉の力で骨折が発生するケースも往々にしてある。
その為、竜が施した改造時にはそんな限界稼働時の負担までは考慮されていなかった訳だ。
その分の調整を実際に身体を動かしながら実施していく。
だが、これは単に強化すれば良いというものでは無い。部位によっては強化する事で硬化し、動きを妨げる原因となる事もあるし、重量が増しすぎれば当然身体全体への負担と共に素早さを失う事になる。
そういった事を実際に確認しつつ妥協点を探る作業が必要だった。
地味なトライアンドエラーを繰り返し、満足がいった時点でその状態を遺伝子に反映させる。
今回は激やせするような事も無く、『肉体操作』でチェックしてもアラートは出なかった。
以上が良かった展開である
もう一つは予測していた事ではあるが、レベルアップができない事が分かったと言う事だ。
あの後、以前と同じように探索を続け、モンスターを殺した数が100を超えた。
その直後、他の冒険者が引き連れてきた大量の殺人蜂を殺した事で、確実に150匹を超えたのだがレベルアップする事がなかった。
この事を冒険者協会の窓口嬢へ報告すると、「念のため200匹まで様子を見ましょう」と言われ、冒険者協会側からの依頼という形で多少の金を貰い、2日間ほどダンジョンへと潜る事に成った。
だが、目的の200匹を十分超える225匹目を殺したもののレベルアップは無かった。
ちなみにレベルアップ時は、その前から身体が内側から破裂するような圧迫感を覚え、それが限界まで達した感じがした時がレベルアップ出来る時で、その状態で一晩熟睡する事でレベルアップが完了する。
竜は、炸裂感どころか内側からの圧迫感すら全く感じた事がない。つまり、レベルアップしていない。そして、レベルアップする前兆すら全くないと言う事だ。
それでも念のためにと、これまた冒険者協会の支出でレベル確認を実施した。
レベル確認も『確認の儀』同様、冒険者協会内の一室に設置されたマジックアイテムによって実施される。
そのマジックアイテムは『確認の儀』のマジックアイテムの半分ほどの大きさで、価格は同じく2億円程との事だ。
そして、通常は確認を行うには1回2万円を徴収するらしい。大金だ。
元々、レベルアップ自体は前記の通り個々人で分かるので、わざわざこんな大金を支払ってまで確認を求める者は多くない。覚えていられないほど立て続けにレベルアップする事はないのだから。
では、なぜにこの様な高価な装置が辺境の街にまで設置されているかというと、一つは仕官の身分証明のためだ。
この世界には、ものの本によく有るようなステータスプレートのような物はない。故に、自らの強さ即ちレベルを他者に簡単に証明する方法が無い。
この世界における公務員とでも言える職業、衛士・騎士・兵士などの強さを必要とする者を雇う際、必要となるのがレベルの証明書である。
その証明書を発行するのに必要なのがこのレベル確認のマジックアイテムと言う事になる。
そして、この証明書を発行し保証するのが冒険者協会と言う事にもなる。
ただし、これだけではこのマジックアイテムが使用される頻度は著しく少ない。なんと言っても兵士などの募集は滅多に無いからだ。
実際に一番使用頻度が高いのは、護衛依頼などで依頼者がレベル指定を行うケースが有り、それを証明する為に使用される事だ。
特に、定期で巡回している商人では無く、流れの商人の場合はこの街の冒険者の情報や縁故がない為、レベル指定という形で依頼するケースが多い。
無論この場合は、証明書発行の為の費用は商人側が持つ事になる。
この様な事情で、一定以上の大きさの街にある冒険者協会にはレベル確認のためのマジックアイテムの設置が半義務付けられている。
そんなマジックアイテムを使用した結果、予想通りレベル1と言う結果が示された。
竜としては、件のレベルアップ感を全く経験していないのではあるが、現状の、『肉体操作』によって改造された身体能力は間違ってもレベル1とは言えない状態になっていると自覚していただけに、若干疑問にも感じた。
その為、レベルアップと言うモノ自体について尋ねてみる。
その際、担当してくれていた窓口嬢は四人の窓口嬢の中で一番ラフ口調の窓口嬢で、唯一彼の事を「竜君」と呼んでいる。
他の窓口嬢は全員相手が年下でも「○○さん」と呼ぶのだが、彼女だけは明らかに年下の冒険者は「○○くん」と呼ぶ。
竜としては、四人の中では一番話しやすい相手である。
「あの、実際の所レベルアップってなんですか? モンスターを殺すしかレベルを上げる方法はないんでしょうか? 身体を鍛えるとかして……」
疑問を問いかける竜をあきれ顔で見た窓口嬢は、ため息を一つついた上で説明し出す。
「えーっと、先ず、レベルアップの前に人間の構造から教えた方が良いわね。知らないでしょ。あ、やっぱり。
人間の身体は、肉体・エーテル体・アストラル体・魂の4つのモノから出来ているの。で、レベルアップで関わってくるのがエーテル体ね。
モンスターを倒すでしょ、その時にモンスターのエーテル体を少し吸収するの。これが一定以上貯まると満タンに成ってさっき言ったレベルアップの前兆の状態になる訳。
で、この状態で一定時間…まあ一晩ね。落ち着いて眠る必要があるから、ゆっくり眠れない野宿とかじゃだめ。
落ち着いて眠れたらその間にふくれあがったエーテル体が破裂するの、それがレベルアップ。
破裂って言ってるけど、これっていわゆる脱皮って考えてくれれば良いわ。エーテル体が入っている袋が大きくなる為の脱皮ね。
この脱皮によって、内蔵できるエーテル体の量が一気に増える訳。で、このエーテル体って、肉体に関するエネルギー体でね、それが増えると言う事は肉体的な成長の幅が増えると言う事になるの。
で、この時、僅かだけど…おおよそ15%って言われているわね。それだけは無条件に身体の能力が上がるの。
つまり、全く鍛えない人がレベルアップを繰り返したとしたら、鍛えられる幅の15%ずつ強くなっていくって事ね。実際はそれじゃ高いレベルには成れないんだけどね。
で、ついでにエーテル体がはじけた際に、これまた僅かだけどアストラル体にも影響を与えるの。その結果精神に関わるエネルギー体であるアストラル体も僅かに増えて魔法などを連続して使える回数が増えるの。
これらを含めてレベルアップって呼んでるわ。分かった?」
竜は深くうなずく。
レベルアップとは、モンスターのエーテル体を吸収する事による脱皮であり、それによって上がるのはあくまでも成長の幅であり、無条件に強くなる訳ではない。
ただ、各レベルアップごとの成長可能幅の15%程度はパラメーターが上がってくれる。と言う事だ。魔法の使えない彼にはアストラル体に関しては関係ないのでそれは考えない。
「あの、レベルアップに必要なエーテル体ってモンスターじゃなきゃダメなんですか? 普通の動物とかは?」
ふと疑問に思って質問すると、窓口嬢はよくぞ聞いたと言う風に、ニッカと笑う。
「うん、一応動物でもエーテル体は吸収できるわよ。でも、圧倒的に少ないの。しかも質も悪いからレベル1からレベル2に上げるのが精一杯ね。つまり実質出来ないって事。
レベルアップに必要なエーテル体は基本的に魔石を持つモンスターからしか手に入らないって思って良いわ。で、そのエーテル体の質は魔石の大きさと比例するの。
つまり、一定以上レベルアップしたら、一定以上の大きさの魔石を持つモンスターを倒さない限り次のレベルアップは出来ないって事ね。
当然、魔石の大きなモンスターは得てしてそれに比例するように強い訳よ。それを倒す為には一定以上の強さが必要だから、レベルアップした上で鍛えないと先ず次のレベルには上がれないって事。
あ、そうだ、これも言っておかなきゃ。レベルアップに必要なエーテル体を得るには動物ではなくモンスターを殺す必要があるって言ったけど、唯一例外があるの。
それは人間」
「人間ですか……」
「そ、人間は魔石を体内に持たないでしょ。でも、殺す事でモンスター並みのエーテル体を吸収できるの。
当然レベルの高い者を殺せばより質の良いエーテル体を多く吸収できるわ。
……なぜこんな説明をするのか?って思ってるでしょ。残念ながら冒険者にはこの知識が必須なの。
もちろん、レベルアップする為に人を殺しなさいって言ってるんじゃ無いわよ。人を殺してレベルアップしたような者と戦う可能性があるから、それを理解して置いてほしいの。
まあ、取りあえず盗賊ね。あいつらは、絶対に人を殺しているから、意外にレベルが高い者が多いのよ。
外を探索したり、護衛依頼を受けた際、奴らに襲われる可能性があるでしょ、冒険者を続けていれば。
そんな時、絶対に躊躇してはダメよ。下手なモンスターより強いと考えて、戸惑わず殺す事。じゃないとあなたが死ぬ事になるから。良いわね」
それまで以上に真剣な顔で念を押す彼女に、竜はしっかりとうなずいて返した。
「それとね、人を悪意を持って殺すと弊害があるのよ。これは自衛や盗賊討伐などの場合は別なんだけど、そうでない状態で殺すとエーテル体と一緒にアストラル体の一部も吸収してしまうの。
これって、エーテル体の流れからすると良い事のような気がするけど、そうじゃないの。
アストラル体は精神に関わるエネルギー体なの。実質個人の性格を形作る一番の要素ね。2番は魂なんだけどね。
で、その性格に関わるアストラル体を吸収すると言う事は他人の性格や行動パターンを吸収してしまうと言う事。
つまり、それを繰り返す事でどんどんと元の人格を失っていくの。その為に、一定以上そんな行為を繰り返した者は明らかに性格が破綻するわ。
その上で自壊してくれれば良いけど、往々にして凶行に走るケースが多いのよ。困った話よ、全く。
さらに困った事になるのが、さらにそんな行為を繰り返して、アストラル体が満タンに成って脱皮した場合ね。
精神に関わるエネルギーが拡張して、普通より大きな魔法を使えるようになるんだけど、当然おかしくなった頭はそのままなの。
で、そうなった者を魔人と呼ぶ訳。
この魔人の中でも元々魔法系の加護を持つ者は呆れるぐらいの魔法を使えるんだけど、狂った頭とその魔法で、災害レベルの災厄を招くのよ。
そんなのが現れたら、村レベルは確実に消滅よ。実際過去何回も起こっているわ。
だからこそ、この事は知って置いてほしいの。レベルアップの為に人をあやめる事が絶対にないように、そして、盗賊などのような者と対峙した際魔人予備軍たる彼らを殺す事を絶対にためらわないようにね」
この話は、色々と動じない竜にとってもかなり衝撃的なものだったようだ。
「この魔人化だけど、エーテル体の脱皮がアストラル体に影響を与えたように、アストラル体の脱皮もエーテル体に影響を与えるの。
で、肉体に関するエネルギー体であるエーテル体に変化が発生して、実際の肉体にも変化が波及する訳。
その変化は人それぞれなんだけど、皮膚の色が真っ赤になったり、頭部や肩から動物の角のようなものが生えてくるケースもあるわ。
そういった外観の変化からも魔人という呼称が付けられたんでしょうね」
竜は、この世界の事について無知である事を理解していた。だが、一部の事は自分の知っている常識に当てはめて勝手に分かった気でいた事に気づかされた。
この『レベル』の件は、なまじ自分が元の世界で普通に認識している言葉だったために、解釈や考え方が違う可能性を全く考慮していなかった訳だ。
(考え方を改めないとな……)
黙したまま反省する竜だった。
そして、この際だから、分かった気でおらず疑問はしっかり尋ねておこうと考え、窓口嬢に尋ねる。
「殺人で問題の無い場合と問題の有る場合の線引きがハッキリ分からないんですが……」
「あっそれね。ん~、まあ、常識的に考えてくれれば良いわよ。法や道徳に反した殺人はダメ、自衛や討伐などの法に準じた殺人は問題ないって感じね。
ただ、戦争は注意ね。普通に戦争で兵士として敵兵を殺すのは問題ないわ。でも、その際、敵兵でも殺す事を楽しんで殺したらダメ。
あと、敵国民でも戦争に関係ない民間人を殺したりするのもダメ。捕虜を虐殺したり殺さなくて良い場合に殺した場合もダメね。
たた、殺さなくて良い場合って言っても、本人がそれを知らず処刑を命じられて殺した場合とかは問題ないわ。
この、殺した際に吸収するアストラル体をカルマと呼ぶ研究者もいるわね。そのカルマを吸収するかしないかは本人の魂が判断しているのではないかって話。
ま、難しく考える必要はないわ、常識的に行動すれば良いの。それでいて盗賊相手なら容赦なく即斬よ」
即斬よ、と言ってにっこり笑う彼女が微妙に恐ろしく感じたが、これがこの世界の常識なのだろうと自分を納得させる。
そうでなければ被害が拡大し、自身も死ぬ可能性が高いと言う事なのだろう。
それらを自己納得した上で、竜は彼女に礼を言った。
「でも、ニッポンだっけ? 小さな島国って言ってたけど、よっぽどのド田舎なのね。こんな常識すら知らないなんて。どこにあるのよ」
やはり、あまりにも常識知らずすぎると感じたのだろう、その後彼女は窓口が暇な事にあかせて竜に日本の事を聞いてきた。
竜も、ある程度の事はぼかしながらもそれに答えていく。
実は、この会話が竜にとってこの世界に来てから2ヶ月近くたって初めてのプライベートな会話だった。
四人の窓口嬢の中で唯一口調の軽い彼女が相手だったからなのかもしれない。完全な雑談に成ってからも5分以上話し続けていた。
だが、そんな会話は出入り口から入ってきた一人の冒険者によって遮られた。
その冒険者は足早にホールを移動し窓口まで来ると、窓口にいる竜を無視して窓口嬢に若干声を荒げながら話しかけた。
「おい、あの馬鹿教団また来てやがるぞ、なんとかしろよ!」
その言葉を聞いた窓口嬢はため息を付いて、一旦後ろを見て事務所内の誰かに目で合図を送る。
「またですか、全く… 雨のたびに… 申し訳ないけど、私たちにはどうしようも無いですよ。暴力を振るったり何か犯罪を犯したりしたのなら別だけと、そうじゃないでしょ?」
「そりゃーそうかもしれねーけどよ、入り口はふさぐは、訳の分からん事をほざきまくるは、邪魔でしょうがねーんだよ」
その後もしばらく同様のやりとりが続いたが、二人の話そのまま、なんとかしろ、無理です、のまま終わってしまった。
実際、その冒険者も理解はしているようなのだが、納得したくないと言う事なのだろう。最後は「もう良い!!」と言って出て言った。
その冒険者を見送った後、竜はその教団と言うものについて尋ねてみた。
「あー、アレね。おかしな宗教団体よ。彼奴らいわく『ダンジョンは神が作られた神聖なものなのだから、人が手をかけては成らない』って事らしいわ」
「ダンジョンが神聖なですか?」
「そっ、ダンジョンを放置したらモンスターがわき出してエライ事になるのに、何言ってんだかね。全く」
「そんな教義で信者がいるんですか?」
話を聞く限り、カルトも極まった教団のように聞こえるのだが…と、教団を維持できている事に疑問を感じる竜だった。
「組織としては小さいのよ。でもね、なぜか世界中に活動家がいるの。信者じゃなくって活動家ね。彼奴ら信者を増やす活動はしていないのよ、あくまでもダンジョンに手を出すなーって言い続けるだけ」
「それでやっていけるんですか? 組織として」
「不思議よねー、存在そのものも謎だけど、その資金繰りも謎なのよ。アレで暴力的な事をするんだったら、即座に壊滅できるんだけど、そうじゃないから余計困るのよ」
彼女が言うには、雨が降ってフィールドでの依頼が実行しにくくなると、その分ダンジョンに潜る冒険者が増えるのだという。
その時を狙ってか、毎回のようにダンジョン前に数人で押し寄せ、身体でダンジョン入り口をふさいだり、説法を大声で繰り返したりする嫌がらせを実行し続けているらしい。
教義に何か深い理由でもあるかと思えば、『ダンジョンは神が作られた神聖なものなのだから、人が手をかけては成らない』を繰り返すだけで、それ以上に掘り下げられるものも無いのだという。
結局は、その文言を使った単なる嫌がらせ集団だ、と言うのが世界レベルでの見解らしい。
だが、それならばなぜそんないい加減な組織が維持できているのかって話だが、それが全く分かっていないって事だ。
一通り話を聞いた竜だったが、何はともあれ自分には関係ない事だと判断したようで、それ以上聞く事をやめ、協会を後にした。
入った時にはまだ小ぶりだった雨は、すでに完全に上がっており雲間から僅かながら太陽が見えている。
この状態なら、明日は天気は大丈夫だろう。
空を見上げて、この後フィールドへ向かうか検討したが、まだ若干怪しげな空模様なので、今日は『リペア』を使って剣や防具の修復をして過ごす事にする。