表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/31

13話 雨の日

 先日、鋼殻獣が確認され、それによって6名程の死者が発生した。

 その際、一組の冒険者パーティーが駆け出し冒険者のグループにその鋼殻獣をなすり付けたことが生き残った駆け出し冒険者達の証言によって明らかになった。

 その駆け出し冒険者のグループは3組のパーティー13名で一時的に活動していたのだが、この事件によって6名死亡、5名重傷、2名軽傷と言う形で、実質壊滅することになった。

 このなすり付けを行った四人パーティーは、中堅どころの四級冒険者であり、レベル平均も15と低くない者達だった。

 その為、この件はかなり重く周囲に捉えられ、即日『ハルの町』の冒険者協会から除名された。

 その上で、周辺の冒険者協会宛の『回状』も発付され、この国において冒険者協会に登録できないようにされた。

 冒険者は基本自己責任である。それは全ての街の冒険者協会でも同じで、その事は冒険者達にも周知徹底されている。

 その考えから言えば、この件も『自己責任』である、と言えなくもないのだが、対象者が掛けだし冒険者で15歳から16歳の成人し立てだった事と、なすり付けた者達が30代の中堅冒険者だった事が問題視された結果だった。

 そして、この件について他の者達が誰一人として彼らをかばう発言をする事が無かった事も、その処分を重くした理由である。つまり、普段からの行動に問題がある者達だったと言う事だ。

 この件について窓口で報告を受けた竜は、自分の件についてはあえて申し出なかった。すでに処分されている状態なので今更だと思ったからだ。

 ただ、死亡した6名の者達に対しては、後ろめたい気持ちを感じてしまう。

 無論、彼らの死に関しては竜には全く関係ないし責任は無い。竜の能力ではあの鋼殻獣を殺す事はもとより、対処する(すべ)も無かった。

 彼はレベル5程度の力を持つレベル1でしか無いのだから。

 それを理解してなお後ろめたく感じるのはどうしようも無い事だ。感情とは理屈では無いのだから。

 そして、この鋼殻獣に対しては、以前王都の冒険者協会から派遣して貰っていた2級冒険者のパーディーに再度依頼を出す事になったようだ。

 前回の依頼時は、一月間に亘って探索したものの発見に至らず、誤認の可能性が高いと言う事で依頼終了処置が執られた。

 今回、再度そのパーティーに依頼を出した訳だが、現時点では彼らがその依頼を受けてくれるかは不明だ。

 さらに、仮に依頼を受けてくれたにせよ、王都とハルの町の距離を考えて早くても10日以上の期間必要となる。

 その為当分の間、北の草原地帯から森一帯の立ち入り禁止が決定され、畑地の外郭部である麦畑での作業も禁止された。

 幸い麦畑は、畝の草取り程度しか作業は無く、短期間の立ち入り禁止であれば問題は無い状態ではある。

 そして、当然ながら竜も北草原が使用できなくなった。

 今の季節的には西草原以外では、北草原が最も収益率が良い場所だっただけにかなり痛い事態だった。

 現時点での目的である、『マジックアイテムの解析』を実行するには、その前段としてマジックアイテムの購入が必要となる。

 その為の資金を手に入れる為だったわけだが、西と北が使えない以上、後は東と南、そしてダンジョンしかない事になる。

 一応、試しにとダンジョンへと潜った竜だったが、一日目で止めてしまった。

 理由は、北方面が使用できなくなった分の人員がダンジョンへと訪れており、通常より過密状態で低階層ではとてもでは無いが十分な収益を得られる状態では無かったからだ。

 結局は南よりはましな東を選択せざるを得ず、東平原にて薬草採取と冬場に草原まで時折現れる斑蜘蛛を狩りその体内にある蜘蛛の糸の原液を取って売却する事でなんとか収入を得ていた。

 斑蜘蛛は、通常森に生息する体長40センチ前後で足を入れた全幅は1.5メートル程の赤地に黒の斑のある大蜘蛛である。

 この蜘蛛は冬場繁殖期となり、穴ネズミを毒で麻痺させてその体内に卵を植え付ける習性がある。その為、一部の斑蜘蛛が草原地帯の穴ネズミを目当てに草原地帯へと這い出してくる。

 この蜘蛛の糸は、体内で二つの袋に分けられた液体を合成する事で作られるのだが、その袋の液体を使って人工的に絹のような糸が作られるらしく、一匹当たりのこの袋が600(イェン)程で売れる。

 魔石もある為、斑蜘蛛一匹で700円程にな訳だ。竜に取ってはありがたい収入である。一日3000円で生活できる竜に取って700円と言う金額はバカにならない金額なのだ。

 

 竜が王都方面である東平原で活動を開始してから10日目、朝から雨が降っていた。

 その雨を見て、現在解析しているマジックアイテムである『温風機』を解析しようかと考えたが、このマジックアイテムの解析が60%程終わっている状態だった為、次の事を考えて僅かでも資金を稼ぐ為にダンジョンへと潜る事にした。

 雨の日は通常郊外へと向かう者達も、竜と同じようにダンジョンへと潜る。その為、冒険者協会裏口であるダンジョン用の出入り口はかなり混雑していた。

 そんな渋滞を起こしている通路で、革製の雨合羽を纏った竜は素直に並んでいた。

 雨脚が速くなり、その音で周囲の喧騒(けんそう)が消えた中、そんな雨音すら消して怒鳴り声が響き渡る。

「このクズ犯罪者どもがぁ!!」

「…………」

 怒鳴り声の後に何かを言っているらしい声が僅かに聞こえては来るのだが、こちらは雨音の為ほとんど聞こえない。

「うるせー!! てめーらだろうが、赤ちゃんを方々で(さら)っているのはよぉ!!」

「我々はそんな事はしていない!」

 今度は先ほど聞こえなかった方の声もハッキリと聞き取れる。

「てめーら以外に誰が生まれて間もない赤ちゃんなんぞを(さら)うって言うんだぁ!? 邪神への生け贄にでもしていやがるんだろお!!」

「我々は神の使徒だ!! 邪神など崇拝する事など無い!!」

(な~に)が神だぁ!? ダンジョンを作ったヤツが神で有るわきゃぁねーだろうが!! 邪神だろーが!! 邪神!!」

 そんな声が聞こえた次の瞬間、争い合う音が聞こえてきて、列が押されて竜も2メートル程道路側へと押し出されてしまった。

「チッ、またダンジョン教団の奴らかよ」

「ったく、雨のたんびによ」

 竜の周辺にいる者達もぐちぐちと文句を言っている。

 ただでさえ雨で鬱陶しい中、彼らの騒動でダンジョンへと入れない為イラつくのもしかたが無いだろう。

 どうやら今回は以前受付嬢から聞いていた時とは違い、冒険者とのケンカに発展しているようだ。

(ダンジョン教団ね… 宗教団体程始末に負えないものは無いな… 邪神って言葉だけは許せなかったって事か? しかし、生後間もない赤ちゃんを生け贄ね…… 事実かどうかは別として、物騒なのは確かか)

 竜は宗教家と呼ばれている者、自称している者を信用していない。

 竜が最初に入所した児童養護施設はカトリック系の施設だったのだが、神父が他界した後のごたごたが酷かった。

 小学校低学年だった竜にトラウマを生むレベルのもので、それを期に彼は宗教家を斜に見るようになり、負の面を特に意識して見だしたが故に現在に至っては完全に信用しなくなっていた。

 竜が考える宗教家とこの『ダンジョン教団』を同列に扱うべきものなのかは微妙である。元の世界の宗教家はこぞって『別物だ!!』と訴えるかもしれない。

 雨音の間を縫って漏れ聞こえていた騒音が聞こえなくなると、先ほどまでの渋滞が嘘のように列が動き出し、竜もその流れに従い移動していく。

 そしてダンジョンの入り口にたどり着くと、鼻血などを流した状態で横たわる三人の中年男性がいた。

(こいつらがダンジョン教団の奴らって事か?)

 その三人は、竜達と同様革製の雨合羽を着用していたのだが、殴り合いのケンカの果てに引き裂かれて、下に着ている服が半分以上露出していた。

 その露出している服は泥に汚れてはいるが、かなり上質の服である事が竜にも見て取れる。

 また、一人のめくれ上がった腕には、高価と一目で分かる腕輪すらはめられている。

(着飾った宗教家…… 典型的なヤツだな)

 竜自身の経験則に基づく固定観念上の宗教家と、眼下の宗教家の像が完全に一致したようだ。

 ただ、竜が『高価な腕輪』と認識した腕輪に関しては、確かに高価ではあるが装飾品では無くマジックアイテムなので、実用品である関係上若干竜の考えからは外れているかもしれない。

 これは無駄に高い高級腕時計のような実用品の名を借りた宝飾品では無く、純粋に実用品として作られた結果高価になった物である。

 現時点において竜にそれを判別する知識は無い。そして仮に理解したとしても、実用・宝飾に関わらず高価な品を身につけている=金満クズ宗教家と判断したかもしれない。

 特に、現在彼自身が資金に困っているが故に……

 固定観念と若干の逆恨みから『金満クズ宗教家』認定した、地面に横たわり(うめ)いている三人を横目で侮蔑の眼差しを向けて通り過ぎていく。

 若干出足をくじかれた感のあるまま竜はダンジョンへと入っていった。

 そして、予定通り1~2階層でのモンスター狩りを始める。

 だがある程度覚悟していたとは言え、雨の関係で通常以上の冒険者が訪れていた為、低階層は芋洗い状態となっていた。

 元々低階層は、駆け出し冒険者や成人前の子供などが活動しているのだが、深い階層へと向かう者達の通路でもある訳で、朝の通勤(?)時は日本の地下鉄状態を醸し出す。

 竜はその人混みを回避するべく、早々に下階への主要通路から離れ、迷宮の外れ部分へと進んで行く。

 このダンジョンは『迷宮』である。迷宮、即ち迷路状になっている。

 だが、8階層までのマップは冒険者協会内に無料で掲示されており、誰でも閲覧・模写することが出来る。

 通常駆け出し冒険者は、このマップを自分たちでノートなどへ書き写し、それを見ながらダンジョンへ潜っていく。

 当然、日常的に狩りポイントとして利用している場所以外はマップを記憶しておらず、書き写したマップを確認しながらの移動となる。

 だが、竜の場合は違う。

 彼は『肉体操作』のインプラントによって脳の能力も強化している。無から有を生み出せるような『天才』ではないが、高い記憶力・速い思考力を持つ『秀才』と言えるレベルになっている。

 そしてその高い記憶力によって、彼は全てのマップを完全に覚えている為、書き写したノートなどを見ながら移動する必要がない。

 また、常に意識の一部でその脳内マップを参照しながら活動が可能なので、ある意味、TVゲームにおけるマップ的なモノとして活用できている。

 さすがにゲームのマップのように、モンスターを赤い光点で示すなどと言う事は出来ないが、新規の場所でもまさにオートマッピングの形でマップを作成していく事が出来る。しかも、リアルな3Dマップとしてだ。

 竜の脳の強化は、『意識のマルチタスク』も強化されており、通常の者よりもかなり自由に同時に複数の思考が可能になっている。

 普通者は、半無意識下によってマルチタスクを実行している。例えば、ディスプレイを見ながらのブラインドタッチ、車を運転しながらタバコに火を付ける等だ。

 竜の場合は、複数の処理を意識的に同時に実行できる。現状意識的に出来るのは三つだが、その上で普通の者のように無意識的な処理も別途可能だ。多分、訓練を実行すれば五つ程度は意識的に同時処理出来るかもしれない。

 仮に竜に『○○魔法の加護』と言った魔法系の加護が有ったとしたら、同時に複数種類の魔法を展開するという事も可能だったかもしれない。まあ、現実に加護を持たない為、全く意味のない推論である。

 そんな『マップ』を使い、他の者達よりも効率よく移動して狩を行った竜であったが、ダンジョンのモンスターの湧き出し数が一定で有る以上は、狩れる数には限界があった。

 その為、夕方まで活動してなんとか赤字にならない程度稼げただけだった。

(まあ、それを覚悟で来たんだけど、やっぱりキツいな……)

 多少、やっぱりマジックアイテムの解析をした方が良かったのかも、と思わないでもなかったが後の祭りだ。

 そんな竜がダンジョンを出たのは、竜の腕時計の時間で午後4時を回った頃だった。

 朝降っていた雨はまだ小ぶりながら降り続いており、冬場と言う事もあってか、すでに夕暮れかと見まがう程の暗さになっていた。

 そんな小雨の中、ダンジョンで入り口から出た竜は、右手にある建物へと入っていく。

 そこは、ダンジョン専用の魔石買い取り所で、夕方の時間のみ開設されている。

 元々は無かったらしいのだが、いちいち広大な施設を回り込んで冒険者協会ホールの買い取り窓口まで行くのが大変だと言う事と、ホール内買い取り窓口の混雑を解消する為に設置されたようだ。

 ただし、夕方以外は閉ざされている関係で、その場合は回り込んで正面入り口からホールの買い取り窓口へ行くしかない。

 その専用窓口に8分程並び、竜の魔石の買い取りは30秒程度で終了した。4000(イェン)である。

 宿代2000円、夕食500円、朝食分+昼食分の屋台飯500円、銭湯代200円を支払えば残は800円だ。本日の貯蓄可能額はこの800円となる。

 次にマジックアイテムが購入できる日が遠い事を実感してため息をつきつつ、左手の前に『次元収納』から雨合羽を出し、それを着込んで足早に冒険者協会施設の裏口から出て行く。

 その後、雨の中営業していた屋台で明日の朝食分と昼食分を購入し『次元収納』に納め、食堂で夕食を取って銭湯を経由して宿へと帰った。

 この宿は、この世界に来た初日から泊まってい『春風屋』で、この5ヶ月間、一度も他の宿へ移った事は無い。

 この宿は他の宿と違い、食堂が併設されていない。その為、面倒くさがりの冒険者には人気が無いらしい。

 また、連れ込みも禁止している関係で、冒険者はもとより一般人がラブホテル的に使う事が出来ないのも人気が無い理由の一つだ。

 ただ、この二つは純粋に宿泊を考える者にとっては得がたい事で、酔っ払いの喧騒や(ねや)の声に気を取れらる事無く寝る事が出来るのだ。

 その為、一定の固定客は存在しており、竜もその一人である。

 そんな『春風屋』に帰ってきた竜は、玄関で革製の雨合羽を脱ぎ、水を切った後、靴に付いた泥を玄関マットでこすって落としていた。

「お帰りなさ~い」

 声を掛けたのは宿屋のカウンターに座った8歳の少年だった。この少年はこの宿屋を経営している夫妻の長男でリョーと言う。

 お手伝いでは無く、仕事としてカウンター業務を行っている。

 この世界では、6歳を過ぎた当たりから労働力として扱われ、10歳を過ぎれば他の店や職場に働きに出される事も当たり前だ。

 8歳のリョーが実家の仕事に携わっているのはごく普通の事である。

 この宿屋は完全な家族経営で、リョーの両親と彼の4歳年上の姉の四人家族で切り盛りしている。

 姉のレイはシーツなどの洗濯や掃除関係を行っており、あまり宿泊客と接する機会は無い。

 これは、両親が意図的に行っているもので、年頃の娘に対して荒くれ者である冒険者がちょっかいを掛けられないようにとの予防策だ。

 実際冒険者は相対的に荒くれ者である。この街で乱暴狼藉を働いている者の8割が冒険者なのだから間違いは無い。

 今日のダンジョン教団員に対する暴行もその一つで、その上でほぼ全ての冒険者がそれをスルーした事もそれを証明している。日常茶飯事なのだ。

 そう言った意味では竜は変わり種だ。冒険者らしい騒動を起こした事が無い。

 自身から騒動を起こす事も無いが、『臭っせー騒動』のように揶揄されようが逆恨みされようが全く無視して取り合わない。

 仮に無視したと言って逆ギレして殴りかかられたとしても、ある程度までは反撃せずに受け流すだろう。

 とは言え彼は別段臆病者(チキン)であるという訳ではない。ただ単にやっかいごとがイヤなだけだ。

 そして、『肉体操作』のインプラントが有る限り、ケガなどは瞬時に治す事が可能と言う事もあり、竜的に()()()()()()は全く気にするに値しない事なのだ。

 そんな竜なので、この宿でも扱いは悪くなく、洗濯物干し場使用代金の50円も無料にして貰っている。まあ、長期宿泊で有る事も理由の一つではあるのだが。

 (くだん)のリョー少年と竜の関係も良く、互いの口調も砕けたものになっている。

「だだいま。 この雨一日中降ってた?」

「あ~ ダンジョン行ってたんだったね~ うん、降ったりやんだりだったけど殆ど降ってた。 だから洗濯できなかった」

「明日にはやんでいて欲しいな」

「だね~ やんだら東門?」

「ああ、今のところあっち方面しか行けないからな」

「ねぇ、東行ったら蜂蜜取ってくる?」

「まあ、有ったらな。あんまり期待すんなよ」

「やったー!」

 カウンター内で椅子に立って年相応に喜ぶリョーを見る良の顔には苦笑が浮かんでいる。

 リョーが言っている蜂蜜は『地蜂の蜂蜜』の事だ。秋から初冬に掛けて、竜の財政を支えた食材である。

 この『地蜂の蜂蜜』は地蜂が越冬する際の食料として備蓄している物で、当然ながら冬期も進めば消費されて量が格段に減ってしまう。その為、殆どが売り物にならず、採取する者もいなくなる。

 元々この『地蜂の蜂蜜』である『蜂蜜玉』の採取は広範囲の地面を掘る必要がある為、労力的にあまり益の少ないものとされている。

 冬期に至っては、採取出来る蜂蜜の量が格段に少ない為採取しようとするものは皆無と言って良いだろう。

 だが、竜の場合は『透過』という力を持つインプラントを持ち、『次元収納』に剣スコと称される元の世界から持ってきたスコップを常備している。

 その為、この採取作業にかかる労働コストは非常に少なくてすむ。薬草採取の片手間に自分で食べるために採取可能なレベルで、だ。

 そのような訳で、時折『地蜂の蜂蜜』を持って帰ってきて、この幾つかをリョーの家族にお裾分けしていた。

 この『地蜂の蜂蜜』はソフトボールサイズの蜜蝋に入った状態で3000円と言う値段で買い取られる事から分かるように、高級食材に近いものである。

 店頭販売価格は瓶詰め状態で倍の6000円程となっている。この宿の宿泊費の3倍だ。

 当然ながらそうそう頻繁に一般人が食べられるような物ではない。故にリョー()に喜ばれた訳だ。

 両親はともかく、リョーと姉のレイは確実に餌付けされたと言って良いだろう。無論、竜にそんな気は無いのではあるが。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ