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愛されたい、愛したい
あの日、彼女は世界を失った
言葉の重さと鎖の重さを比べた
空には星が無かった
『この月は今、だれが見ているだろうか』
私たちは風に押される
雨に流され、
太陽から恵みを受ける
雷は怒り、大地を跳ねる
さよなら世界
どうか明日も私を愛して。
「ねぇ、いつになったらその態度治るの?」
「そろそろストレスやばいんだけど」
聞いてたけど聞こえないフリをした
いつから問題児扱いされてんだっけなあ
「すいません、気をつけます」
それでも弱虫な私は頑張って声を張ったんだ
どこがダメかよく分かんないけど、とりあえず謝るんだ
そうすれば大丈夫だから
「ほんっと、すぐ謝れば済むと思っちゃって。まあ、いいけど」
ニヤニヤと口角をあげた先輩を横目に、頭を下げて足を一歩踏み出した
今日も、最悪な世界が始まる