逃亡
あさ、目が覚めた。
しかし、あることに気がついた。
ユウがいない。
「ふん、自由の身になったと思って逃げやがったか。」
タケシが言った。
「探しましょう。こんな分からないところに女性をおいてはいけない。」
ナイトが言う。
「ふん、平和が来なかったら、死刑は消えないもんな。それまでは、死刑囚だ。」
タケシが怒りをこめて言う。
そんなかんじで、ユウを探すことになった。
「あ、その前に、これをつけてください。」
そういって、小さな黒い物体を渡された。
「GPSです。」
なるほどなと思った。同時にさすが、ナイトとも、おもった。
「では、わたしは、ここにいますので、二人は、探しにいってください。あ、なんかに、遭遇して、動きをとめたら、ここの、黒いボタンを押してください。そしたら、僕がルナから、うちますので!」
たしかに、GPSには、黒いボタンがあった。そして、もうひとつ白いボタンもあった。
「この、白いボタンは?」
「あー、なにか、命に関わるようなことがありましたら、それをおしてください。もう一人の方を向かわせますので。」
なるほど。っとおもった。
「では、捜索スタート!」
しかし、あたりは、何もかもが破壊されていて、隠れるようなところなんてなかつた。
とりあえず、ぼくは、西へ、タケシは、東を探すことにした。
そして、十時間ほど捜索した。
ナイトを通じてタケシから連絡がきた。
「タケシさんは、海にまでたどり着いてしまったようです。東の方向にはユウさんは、いないみたいです。」
ということは、こっちにいる。
さらに、二時間すると、たくさん、岩があるとこについた。
ここが、どこなのか、さっぱり、わからない。
「シクシク」
これは、人の泣く声だった。
もしかしたら、そう思って、捜索した。
すると、岩のうしろに、ユウがいた。
「ユウ!!!」
「タイト…」
「どーしたんだよ!心配しただろ!」
「怖いんだよ…死ぬのが。なんで、戦わなきゃいけないのよ!わたしは、ただ、死刑を待つだけでよかったの!それで死ねるなら、怖くなかったのに、なんで、なんで、あんなでかいのに殺されなくちゃいけないのよ!やだ!戦いたくない!」
「じゃ、おれが、守ってやるよ。」
そういって、僕は、泣きながら訴えてくるユウを抱き締めた。ユウはすこし、驚いた様子でいたけど、そんなの、僕は、気にしなかった。
「だから、頑張ろう。一緒に戦うんだから。」
「うん、ありがと。」
「戻ろう。」
「うん。」
そうして、ナイトにみつけたことを連絡して、手を繋いで歩きながら帰った。
空には、星が輝いていた。