~プロローグ~
え~この物語は以前、他サイトで投稿していた小説『明日への光』というものがあったのですが、それの数年後が舞台ということになってます。
なので、以前の話を知らない皆様にもわかりやすくしたいと思いますのでよろしくお願いします。
「jte」――
それは学生たちによる軽犯罪者捕獲組織。
科学の発達したこの街で、その組織は活躍している。
「jte」の主力となる学生たちは、主に「能力者」と呼ばれる存在。
彼らは一般人とは異なる力を持ち、時に他人を傷つけ、時には傷つけられることもあった。
「jte」ではそういった学生たちの居場所となる場所でもあった。
この物語は、そんなjteのメンバーである少年たちの物語である。
~都内某所~
夜中になって人のいない場所に向かって何かに追われているかのように男は走り続けていた。
後ろを見ることはなく、表情は怯えている。
息を切らしながら、たどりついた先は廃墟となった場所だった。
「はぁ……はぁ……」
男は壁に背をつけて足を止めた。
手には拳銃が握られており、服には何やら赤いものが付着していた。
「……殺っちまった……。俺の人生も……終わりだ……」
男は拳銃を床に落として、膝から崩れ落ち放心状態になった。
男はただ、俯いていた。
それからどれだけ時間は経ったか分からない。
男がふと顔を上げると、目の前には人影があった。その人影から何やら鋭利な刃物が見える。
男は目を見開き、声を上げようとした。
だが、男の声は外にも聞こえず、廃墟内にも聞こえることはなかった。