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俺は闇、幼馴染みは光の勇者様  作者: 焼き芋(ちーず味)
第一章 魔王編 物語の始まり
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番外編 幼き頃の思い出

テスト期間が終わり~

ウッハウハな俺の気分~♪


さァ!勉強するかッ!!

カタコト…と不規則に揺れる

今は馬車の中、二人で旅をしているので馬車に乗っているのだ

今の時間は朝早い

他の乗客も乗っているがほとんどの人が寝ていて

起きてる人たちは本当に小さな声で話して、他の人を起こさないようにしている

私はその人たちに一回誘われたが「またあとで」と言って断った

私にはやることがあるのだ

それは・・・


「・・・スゥ・・・スゥ・・・ムニャァ~・・・もう食べられん・・・」

定番の寝言を言いながら寝ている黒髪をへそ位まで伸ばした少年

徹夜の寝顔を笑顔でずっと見ている

ずっと飽きずに見ている


「・・・~♪」

軽く鼻歌を歌ってしまう私

え?徹夜視点?いえ、美月視点です、今日は私が主人公です

・・・ん?なんとなく考えた事だけど「主人公」ってなんのこと?

とりあえずその話は忘れよう

徹夜はやることがなくなったらしくいつも寝ているのがほとんどになってきていた

中学ではなぜか私関連で追われていたし、高校でもなぜか私関連で追われていた

・・・なんで私関連なのだろうか?

こんなにも眠ってるのは小学生の頃以来だったと思う

・・・

今思い出すだけでも幸せな気分になるわぁ~・・・

え?気になるって?じゃあ、お話しよう

ん?誰に話すんだろう?時々変になってるね、私





              ─ とりあえず・・・♪ ─



えっと、最初に話しかけたとこから行こうかな


それは私が小学一年生の初めの頃の話

その頃は私はなにやら周りから天才やらなんやらと騒がれていた

今も徹夜に「完璧女」だなんだて言われているが

小学生あたりからそんなこと言われていた


「みつきちゃん、すごいね」

「あたまがよくていいなぁ~」

「小6のべんきょうできるんだもん、すごいよ」

テキトウにやっただけで答えが解けるという無駄な頭

それが周りから評価されていた


「そんなことないよ~♪」

と、そんな感じでいつも私の周りに集まってくるクラスメート

私は人を集める体質らしい、ちなみに中三のときに徹夜に言われるまで気づかなかった

とても楽しくお話し、笑ったりしていた。クラスメート全員が私の周りに来ていた

ただ、一人だけ、いつも来ない男の子がいた


「・・・スゥ・・・スゥ・・・おかわり!・・・スゥ・・・カレー・・うまっ・・スゥ」

なにやら食べ物関連の寝言しか言ってない少年

黒髪はその頃からへそあたりまで伸ばしていた少年

徹夜だ。カレーでも食べている夢を見ているのか

口をもぐもぐさせて時々、満面の笑みになる

私は友達と外で遊ぶことになり、みんな凄い勢いで外に出て行く


「ねぇ、てつやくんも一緒に遊ぼっ」

なんとなく一人はダメだと思って話しかけてみた

それでもおきない

なので、肩を揺らしながらしゃべりかけてみたのだ


「・・・スゥ・・・ふぇっ!?」

なにやら変な声をあげながらおきる徹夜


「外に一緒に遊びに行こうよっ」

再度徹夜を誘う私


「んあぁ~・・・いい、遠慮しとく・・・眠い・・・スゥ・・・」

そう言って眠りだす徹夜

それを二回ぐらい繰り返した後、友達に呼ばれたので諦めてしまった


そしてその日は終わり

また同じような事を二日ぐらい繰り返した





「なんでいつも寝てるの?」

私がなんとなく問いかけてみた

そのときはちょうどシャキッとしていたからだ


「睡眠は人生唯一の救いだからさ・・・ねむぅ~・・・」

なにやら意味のわからない事を言い出す徹夜


「・・・?」

それに疑問の顔を浮かべる私


「・・・ほら、眠ってる時ってなにもかも忘れられるだろ、だからだよ、

というわけで・・・スゥ・・・スゥ・・・」

また眠りだす徹夜

今思うと小学生の癖に老人の様な事言ってるから笑える


「???。・・・眠ってるよりみんなと話してたほうが面白いと思うけどな」

まぁ、そんな感じでその日も終った






「「「景山先生、おはようございまぁ~す」」」


「うむ、おはよ~」

これは朝の会の時

うちの担任の先生は女性で、美人な人だった

授業は算数、ちなみに徹夜は景山先生に叩かれて起きていた

一年生の初めの頃なので算数の時間はたし算

すこし教われば簡単にわかる所だ


「徹夜、『1+1』はなんだ?」

これは初歩の初歩といっていい問題だろう

とうぜん「2」と答えるのが普通だ


「・・・田んぼの「田」です」

まじめに答える徹夜


「・・・」

無言で近寄る景山先生


「いたぁッ!?」

おもいっきりチョップされていた

それを見て笑うクラスメート

景山先生が黙って教卓まで戻る


「徹夜・・・答えは?」

その目には殺意が込められている


「2です・・・」

涙目の徹夜はそう答える

今思い出しても可愛いなぁ~・・・そんな感じの授業はいつもあった

まぁ、ほとんどの授業で寝ているから授業の最初は景山先生のチョップが飛ぶのだが

そして、またそんな日が続き




「ねぇ、徹夜の家につれてってよ」

なんとなく言ってみた


「なんでお前を連れて行かなきゃいけねぇんだよ・・・」

ちなみに徹夜と私の家は同じ方向にあり

私の家の帰る道の途中で徹夜の家がある、という感じだ

この頃は私が徹夜に付きまとっている感じになっていた

その日は一部の先生の会議で景山先生も同じ時間に家に帰るという

学校にしては珍しいときだった


「気になるから、だめ?」


「だめ」


「絶対?」


「絶対」


「・・・本当に?(ジ~ッ」

ずっと見つめる攻撃発動中


「・・・うっ」

なにやら焦っている徹夜、なんでだろうか・・・?


「わかったよ!!家に入れるだけだからな、すぐ帰ってもらうぞ!!」


「うん!」

そんな感じで徹夜の家に潜入は成功したわけである

幼い私は天才だと思う、まぁ何回かやったら相手にされなくなったけど・・・

今思い出すだけでもむかつく・・・あとで起きる前につねってやろう

ちなみに、これを数回やった末、徹夜は「目をそらしたり焦ったら負け」というものが植えつけられ私がジ~っとみるとジ~っと見返してくるわけである、

それで真っ赤にして顔をそらすのが私だ


「ただいま~・・・」

徹夜が家に入っていく、それに続いて私も入っていった


「おじゃましま~す♪」

ニコニコ笑顔の私だ


「おかえりなさい、あら?美月ちゃん?」

そんな声、それはほぼ毎日聞いてるような声だった

目の前に出てきたのは担任の先生、景山先生だ


「ふぇっ!?」

それに驚く私


「お前、俺の名前を知ってるか?」

徹夜は普通に私に問いかけてきた


「ん~、えっと景山かげやま 徹夜てつやって、あぁッ!?」

そこでやっと気づいたのだが、先生の苗字は景山

徹夜の苗字は景山、先生と徹夜の苗字は同じだったのだ


「それにしても、徹夜がお友達・・・しかも女の子を家に連れてくるなんて~」

ウリウリてな感じで徹夜のわきをつついてる先生

その顔をとても嬉しそうな感じである、なんでそんなに嬉しそうなのかは不明だ

徹夜はそれを嫌そうな顔で無視していた


「こいつがしつこいから連れてきただけで、別に俺がすきでやったわけじゃないじ、すぐに帰ってもらうから、ほらもういいだろ、かえre・・・」


「ささ、美月ちゅわぁ~ん、家に上がって!あまりいいお菓子ないけど遠慮しないでね~」

徹夜の言葉を遮って私の手を引っ張る先生

学校で見る先生はいつも凛としてるかんじだったのでなんだか別人にさえ思える

そして私は家にひっぱられていく、後ろでは徹夜の溜息が聞こえて


「・・・だから嫌だったんだ」

そんな声が聞こえた




「美月ちゃんは何がすきなの~?」

先生の質問


「えっと、ん~、ぬいぐるみ」

私の返答


「んふふ~、徹夜はね将棋が好きなのよ、笑っちゃうでしょ、老人みたいで」

そんな感じで話している私と先生

徹夜は言ってる事も老けていれば、好きなものも老けていた


「うっさいよ、お母さん!!将棋で小1に負けてる人が何言ってるんだかッ!!」

となりで顔を真っ赤にさせて叫んでいる徹夜

なにやらツッコミがずれているのは気のせいだろうか・・・?

それを物ともせずにニコニコしながら徹夜のことを話す先生

なかなかあれは面白かった。それに徹夜の秘密が何個か聞けた





んで、そんな日が結構続いたわけです

家が近かったし休みの日にもアポなしで行ったわけです

親には勉強を友達の親に教えてもらう、ってことで言ったわけであります

なぜか本当のことを言う気にはなれなかった

なぜだろうか・・・?




まぁ、そんな感じの日々が続くけど

徹夜は学校で毎日のように寝ているのは変わらなかった


そんなある日

不幸が私に降ってきた

人を引き寄せるということは、危ない人も引き寄せる天才なのだろう


「ということで、不審者が出るから気をつけるように」

という景山お義母さんの言葉

お母さん、というところに間違ってるような漢字が入ってるのは気にしないで欲しい


「もし、刃物を持ってる怪しい人をみたら大声で叫んで逃げなさいね

たぶんそれでいいはず」

景山お義母さんはそんなアバウトなことを言っている


そしてガラララ…という音をたてて扉が開いた

そこにはマスクを着け帽子を深くかぶりサングラスをかけた、とても怪しい人

そしてその手には刃物、噂をすればなんとやら・・・だ


『きゃあ~~~~~~~~~ッ!!!』

普通、こういうとき小学生は反応できないものだろう

反応できずに固まってる所を刺される、それが普通のはずだ

先生が話をしたせいか、みんな叫んで教室を出て行ってしまう


「まじで出た~~ッッ!!」

先生まで出て行った、だめだしょ・・・


「スゥ・・・納豆にドリアン・・・おぇぇ・・・キモっ・・・スゥ・・・スゥ」

徹夜は夢で変な食べ物を見たみたいだ


「徹夜!!おきなよぉ!!」

そして残ってるのは私と眠ってる徹夜


「・・・~~」

なにやらボソボソとした声が聞こえた

そちらを見てみると不審者が口を動かしていた

ゆっくりとこっちに歩いてくる

一歩歩くごとにその声が鮮明になって聞こえてきた


「一緒に、楽しい所であそぼぉよぉ~・・・♪」

今なら撃退することもできただろう

それなりに昔から運動もできていて徹夜のいうチート性能はこの頃からあり

こんな不審者ぐらい返り討ちにもできたと思う

でも・・・


(怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖いッッ!!)

子供の私にはこの光景は動けないものだった

そしてまだ買ったばかりだ、とでも言わんばかりにきれいに光る刃物の先がこっちに向いている。不審者は近づいてくる

ゆっくりと、確実に、そして・・


「いっしょにあそぼぉぉぁぁぁぁぁぁぁぁあああッッ!!」

不審者が大声を上げながら刃物を私の腹に向けて勢い良く刺そうとして来た

恐怖で目を閉じることもできずに固まっている私


「・・・うっさい」

その言葉と共にガッと刃物を持った不審者の手首がつかまれた


「・・・?」

私はその手の主を見る

それは眠そうな目をゴシゴシともう片方の手でこすりながら立っている徹夜だった


「君も遊ぶぅ・・・?」

不審者の言葉、完全に狂っている


「うっさい、俺はおきたばかりでイライラしてんの

それに、キモイおっさんと遊んでても疲れるだけだからやだ」

そんな言葉を言った後、不審者の手首から生々しい音が響いた

悲鳴を上げながら手を押さえている不審者

その手は変な方向に曲がっている

そのときは気づかなかったけど子供のときから徹夜は力が強く

手首の骨を粉砕したのだろう


「・・・俺が面白い遊びを提案してあげるよ、俺におっさんがなぐられる遊び」

次の瞬間には不審者の腹に徹夜の拳がめり込んでいた

腹を押さえてもだえている不審者


「まぁ、俺のストレス発散だけどね。ちなみにさっきのは俺の眠りを妨げた分」

そんなことを言いながらまた拳を構えている

もだえている不審者の顔は徹夜のちょうどいい高さまで下がっていた


「そして、これは美月を怖がらせた分」

そんなことを言いながらニッコリと笑った徹夜

次の瞬間には不審者の顔を徹夜が殴り飛ばし

不審者はガラスとかを巻き込んで廊下まで吹っ飛んでいった


「ふむ・・・美月、大丈夫か?」

それを見た後に徹夜が聞いてきた


「・・・う、うん」

それに答える私、まだこの状況についていけてない


「そか・・・じゃあ、俺は寝るから」

え?と反応する前にまた寝始める徹夜

さっきまではイスに座りながら寝ていたのにめんどくさそうな顔して

床にくるまって寝てしまっている


「床で寝ると汚いよ?」

それを見て出てきた言葉はそれだ


「・・・スゥ・・・スゥ・・・」

ちなみに徹夜はもう寝ていた

その後は先生たちが慌ててきたのだが不審者は白目を向いてのびてるし

教室では女子生徒が眠ってる男子生徒のほっぺをツンツンと指でつついてるし

いろいろとありえない状況に唖然としていた


そんな感じで時間が過ぎ

いつもどおり二人で帰るときになった

今までクラスのみんなが私が不審者を撃退したって勘違いして

騒いだりして、徹夜と話すことができなかった

今は徹夜が帰る途中の自販機でファンタを買おうとしてる

買っちゃだめなのだが、この光景には慣れた

ちなみに背が足りなくてボタンには手は届いていない


「・・・徹夜、ありがと」


「ん?・・・どういたしまして」

やっとの事で手が届き、ファンタを口の中に流しながら答えてくる


「徹夜」

また徹夜の名前を呼ぶ


「んぼ?ぐぼぼ(んあ?なんだ?」

飲んでる途中なので何を言ってるのかよくわからない


「私、徹夜が好きになっちゃった」


「ごぱぁッ!!」

ファンタ(グレープ味)が空中でとても美しいアーチを作った




            ─ かぁ~らぁ~のぉっ♪ ─


「・・・スゥ・・・スゥ・・・」

大きさは変わったけど昔とかわらずの寝顔

それはいつ見ても飽きない顔


「んふふ~♪」

つい笑ってしまう私


「・・・ん・・・むぁ?なんだ美月?」

いろいろと考えてるうちに徹夜がおきた

のどが渇いたのか水を取り出して飲み始めてる


「私、徹夜がずっと好きだよ♪」

なんとなく子供のときに言った言葉を言ってみる事に

徹夜は昔のあの言葉を何故か綺麗に忘れている

だけど・・・


「ごぱぁッ!!」

昔と変わらず徹夜の飲んでいたものが空中で美しいアーチを作った


誤字・脱字があればマジで御報告宜しくお願いします

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