86話 ||Ф0|д|0Ф|| イヤ―――ッ!!
あらすじ
美月と徹夜が交差した
そして、目の前には
上層部の魔族がいた
─ 徹夜サイド ─
「ククク、私が戦いたいのは少年一人だけだ、だから少しそこで動かないで欲しい」
クロイズルがそんなことを言いながら指をパチンッ・・・!!と鳴らした
すると俺以外のメンバーが結界のようなものに包まれる
「・・・ッ!!」
それを壊そうとラルドさんがエクスカリバーを振るう
だが、それは容易く弾き返された
「それは魔王様がわざわざ仕掛けてくれたものです
あなた如きでは壊せるわけありませんよ。勝負が決まるまでは消えません」
結界には相当の魔力が込められている
クロイズルの言うとおり相当硬いだろう
「なんで俺なのか、わからないんだが・・・」
俺の疑問
だって当たり前でしょ!!俺ってただの一般人だよッ!!
「600年前のNo,1の実力を知りたくてね」
俺はやっぱり一般人だ!!
俺自体は眼中にない感じだしねッ!!
ヒャッホォォーイ!!
「それに生まれ変わったという後の少年の実力も知りたいしな」
・・・
・・・・・シ・・・・・ネ
「俺はそんな価値ないよ~、戦っても意味無いよ~」
俺は足りない脳ミソで説得を試みる!!
「ククク、戦うのが楽しみだ。
魔族という上位種族から人間という下等種族に成り下がったものの
相当の実力をもってるらしいからな…」
やるき満々ですか、こんちくしょう
「では、行くぞ」
そういってクロイズルは動く
クロイズルは手を地面につけると
その地面がいきなり腐り始めた
「・・・ッ!?」
急激に迫ってくるそれは全てを腐りつくす
それを急いで後ろに跳んで避ける
腐食は魔王の結界に弾かれラルドさん達は無事のようだ
うわぁ・・・俺も中に入りてぇ~・・・
そして着地する
どうやら腐った後のには触っても腐るわけではなく
見えない線が円形に広がっていき、その線に触ると腐るらしい
とは言え靴が汚れるのは少し嫌だ
「・・・『火の球』!!」
俺は火の玉を作り、それを投げる
そしてそれはクロイズルに一直線に進んでいく
「・・・ククク」
そんな笑い声が聞こえた
すると、俺の放った魔法が腐っていく
「うぇ・・・ッ!?」
俺の驚きの声
「・・・『腐針』」
その言葉と共にクロイズルの足元の腐った地面から
針が数本飛んでくる
「うわぁっと・・・ッ!?」
それを避ける、それは後ろにあった岩に刺さり岩を腐らしていく
・・・あたったら腐るのか
ということはあいつは一撃必殺の魔法ということだよね・・・?
うわ、なんだよあのチート・・・
「物の試し・・・っとッ!!」
腐っていない岩を持ち上げて投げてみる事に
それは魔法と同様腐っていた
「じゃあ、これはどうかな?」
闇を使う
俺の周りに6個の大きさの違う闇の球体を作る
それがクロイズルに襲い掛かる
「クク、闇であろうと例外ではありませんよ」
最初は小さいのから、そして最後は結構大きいのまで
順番ずつに襲い掛かる、どんどんと腐って消えていく
そして、6個目だった、それをクロイズルが避けた
6個目の大きさは大きなバスと同じ程度
「ふぅん・・・その量から消しきれないという事か」
「・・・計っていたわけですか」
「そりゃ、当然・・・」
俺の周りに闇が充満していく
「どの程度の闇の量で倒せるかわからなかったからな
この一発で決めさせてもらう」
そして、集まりだす
それはさっき打ち消せなかった量の5倍は多い
それほどの量が集まっていく
「・・・こぉんの、下等種族ごときにこの私がやられるわけにはいけないんだよ」
クロイズルが両手を前にかざす
その手には相当の魔力が込められており
触れたら一瞬の内に腐り消えていくことだろう
「俺の闇でただ倒れてればいいんだよ」
「最後に立ってるのはこの私だ、腐って死ぬがいい景山 徹夜!!」
俺は闇を放ち、それを両手にためた力で待ち構えるクロイズル
おれの闇と『腐土』のクロイズルの力がぶつかり合った
そして・・・
「死んではないな・・・よくあれで死なないもんだ」
立っているのは俺だ
「あの量をぶつけるとはね・・・」
そして、結界が消えたらしくラルドさん達が出ている
クロイズルは気絶しているんだろう
いつも思うがあの量をぶつけてやったのに何で敵は死なないんだ?
「私が・・・」
そこでクロイズルの声が聞こえた
すぐに正気に戻ったッ!?
「私がただ負けて終わりではいけないのだよッ・・・・『全てを食らう腐食の力』」
クロイズルの呪文が聞こえた
「・・・なッ!?」
俺が驚いた声をあげる
その呪文の魔法が最初に餌食にしたのはクロイズルだった
クロイズルの体が腐ってボトボトと肉が落ちていく
そして、最初の腐食と同様、円形状に広がっていく
ただ威力は数倍だろう
「ククク・・・アッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハ!!
・・・魔王様のためにィィィィィィィィィィ!!」
体が腐っていっているのに大きな声で笑い、大声で叫んでいる
そしてそれも途切れた
「・・・あんなクソ野郎のために命を捨てるのか!?」
そんなことを言ってしまうが、今は気にしてる暇はない
できるだけ多くの闇を出し
俺達全員を包むようにして防御に移る
そして、どうにか守りきった
「・・・あれはやばかったな」
闇が消えていき、全員無事なのがわかる
まぁ、俺が守ったのだから当たり前だが・・・
そして
「さぁ、行きますかね」
そういって歩き出そうとした所で
足元に俺達全員を覆うように魔法陣が突然現れた
「な・・・ッ!?」
全員が驚いている、そして魔法陣からも出れない
その場から一瞬の内に消えた
─ 美月サイド ─
「・・・さて、魔王様の結界を使わせていただきましょう」
そんな言葉をリーシという魔族の女が言った
その瞬間に私以外のメンバーが結界に閉じ込められる
「勇者とそれ以外のメンバーと戦うのは正直辛いですからね
No,2のほうでも同じようになってるでしょう」
そんなことを言うリーシ
「私一人にだってあなたは勝てないよ」
私は細い剣を鞘から抜き、構える
「簡単に負けるわけには行かないさ、私はこれでもトップだからね」
同じように武器を抜く。右にはロングソード、左にはナイフを持っている
そして両者とも動く
次の瞬間には私の剣とリーシのロングソードがぶつかっている
鋭い金属音が響いた
「ふッ!!」
リーシが左手に持っていたナイフを私の首を狙うように横に振るう
それをしゃがんでかわした後
「・・・ッ!!」
足を一閃するように鋭く、そして早く、横に振るう
それをリーシは跳んで避ける、そしてこちらに手をかざす
「・・・『闇』よ」
リーシの背中のほうから黒一色の物体が動き
数十の数の触手のような闇が私を貫くために突き進んでくる
「・・・『光』!!」
私の手から光が爆発するように弾け
それが闇を打ち消す、そしてすぐに行動に移る
追う様にして跳び、剣を振るう
私の剣をリーシはナイフとロングソードで受け止める
「あなたは何故魔王についていくの?仲間も切り捨てるような奴に」
それらを少し強引ながら力押しで剣を振るい
リーシはそれで数㍍ふっとばされる
だが
「・・・力だ、仲間なんてものは関係ない、私はあの圧倒的な力に惚れた」
それでも答える
リーシは闇を動かす、私の首を切り落とそうと鋭く闇が動く
それを剣で受け止め、次の瞬間には切り刻む
「私はあの力に近づきたい・・・だから魔王様の近くにいる、少しでも強くなるために」
そしてまた、リーシと私がぶつかり合う
「・・・力に魅了された愚かな人だね」
「愚かなんて物は関係ない、私のしたいようにする」
ぶつかり合う、何回も金属音が響く
時には黒い闇が動き、それを光が打ち消す
そして光の剣が空を飛び、それを闇が食らい尽くす
「・・・私があなたの力の執着心を砕いてあげるよ。魔王を殺してあげる」
私のまわりには光の剣が数百という数で
空中に漂っている
「力の象徴ともいえる魔王様をお前如きに倒せるわけがない
どうせ、また勇者が倒れるだけに決まっている」
リーシのまわりでも闇が動き、力をためていることがわかる
「さぁ?それはわからないよ」
その言葉と共に私もリーシも動き
闇と光がぶつかり
闇が打ち消された
そして・・・
「・・・きっちり気絶してるね」
倒れてるリーシと立ってる私
そして、結界がとけたようでマイル達がこちらに来る
「さてさて、魔王を倒さなくちゃね」
そして、歩き出す
そのときに私とその他のみんなと囲むように魔法陣が現れる
「・・・はッ!?」
そして、その場から消える
─ ??? ─
「ここは、どこだ?」
俺の声がその空間に響いた
足元には魔法陣、『空間移動』の魔法陣だったらしい
「え、なに・・・徹夜?」
俺の知ってる声が聞こえた
それは十年以上聞き続けていた声、ようするに美月だ
「んあ?美月か・・・」
同じ部屋に美月がいた
そして周りを見ると、ラルドさん達、その他に勇者御一行も倒れていた
「・・・」
その一人を確かめてみる
「眠っている・・・しかも強制的に」
これじゃあ、起きないだろう
それを美月も確認したようだった
「これはどういうこと?」
美月の疑問
「俺にもわからない」
それが俺の答え
突然の事だったからわかるわけがない
『お前らを私の魔王城に招待してやったぞ』
声が響いた
俺は古い日記にかけられた魔法の世界で
美月は俺の記憶でその声を知っていた
「あっはっは~・・・まさかのラスボスですか」
「自分から招待してくるとは思わなかったね」
俺と美月の言葉
『早く来ないのか?お前らが魔界に来た理由の存在がすぐ近くにいるぞ』
またその声が聞こえた、大きな扉が目の前にはある
「・・・うぜぇ、言われなくてもすぐ行くっての」
俺の言葉、この声を聞いてるだけでイライラしてくる
「余裕だね、その余裕を後悔に変えてあげる」
美月がそんなことを言いながら歩く
扉を開けて前に進む
「ようこそ、私の住まいへ・・・さぁ、楽しい殺し合いをしようじゃないか」
その声が聞こえた
目の前には30台の魔族の男性
見た目とは違い何千年も生きてる存在
魔族を束ねる最悪な男
そいつが・・・
この異世界に来た理由・・・魔王の声だ
誤字・脱字があればマジで御報告宜しくお願いします