74話 この頃、なんかまじめな話になってない?
前回のあらすじ
・・・
・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・・・・・ぶもっ!!(´・д・`)
そして時間が過ぎる
戦争の開始はちょうど一週間後ということだ
困るね~・・・
「・・・徹夜」
聞いたときのある声
それは幼馴染の声だ
そちらを見てみると体のところどころが包帯で巻かれている美月がいた
その立っている姿は他の人から見ればちゃんとしているように見えるようだが
どうにも俺から見ると痛々しい感じがする
「・・・美月か」
「うん・・・これから王様に用があってね」
「じゃあ、俺がいた部屋のとこに行けばいいんじゃないか?
まだいると思うぞ?」
俺がそういうと美月は行ってしまう
まだ相当辛そうだな・・・
─ ─
「勇者様か・・・」
「ええ、王様、すこし話があります」
「話とは・・・?」
美月の顔を見て近くにいた奴らをすべて部屋からのける
こういうのは重臣達がいないほうが話しやすいだろう、という配慮があるだろう
「魔族との戦争後、もし私が魔王を倒す事に成功したら
魔族との契約を結んでいただきたいのです」
「魔族との契約・・・?」
「ええ、魔王を倒すという事は戦争主義の魔族のトップを倒すということです
なので、脅威はなくなることは決まっています
だからお互いに傷をつけないという人間と魔族の契約です」
「だが、いままであやつらは人間を大勢殺してきたのだぞ?」
「それは人間も同様の事です
魔王が戦争にこだわってきたから「悪」となっていますが
殺してきた量では魔族も人間も同じです。魔王がいなくなれば
人間も魔族も同様に悪の区切りなんてなくなります」
「・・・たしかに。だが他の国は従わないも知れんぞ?」
「魔王を私が倒したという事はこの世の中には私の上を行く者がいなくなる、ということです。なので、魔族を奴隷にしたりなどということが起これば
私がその国を潰します。絶対に」
「・・・確かにそれならば恐れて何もできないだろう
だが、そんなものは隠そうと思えばいくらでも隠せるではないか」
「だから、王様に言ってるんです」
「ようするに情報網を張り巡らしてそれを察知し、報告しろということか」
「そういうことです」
「・・・協力しよう」
「ありがとうございます、王様」
─ ─
その会話を聞いてる影が二人いた
それは魔族、
その魔族は次の瞬間には走り出し
地下に向かう階段を下り始める
そして、最後まで下り
こっちを見て驚き、声をあげようとした兵士に
一瞬の内に近づき、手刀で気絶させる
もう一人の魔族は階段のところで上のほうを気にしている
その少年がある牢屋を見た
その中には少年がいた
「ジールク・ライか・・・」
その牢屋にいる少年が呟いた
「久しぶりだな、クロウラス・クロイドロウ」
その少年は闇ギルドの男
他の牢屋にも同様に捕まっているものがいる
「ジールクッ!?」
その牢屋の中に自分の名前を聞いて異様にこちらを見てくる魔族の少女もいるが
いまは気にしてはいられない。
だから、そちらは向かない
この話の後に行かなくてはいけない
ちなみにその少女は無視されてるのですこしむくれ気味だ
「クロウラス・・・お前には友達としてすこし優しさをやろう」
「優しさ?」
「これだ・・・」
ジールクが取り出したのはただの地図
それは魔界の地図だった
「情報、か・・・」
魔界がどんあふうになっているか、などは人間にはわかっていない
だから、地図
これだけの情報でも人間にとっては宝のようなものだ
「これで、取引でもするんだな。そしてちゃんとした人生を歩むといい」
「お前・・・魔族を、魔王を裏切るのか?」
「俺は仕事とプライベートとは区切るタイプだ。これがプライベートの最後
あとの俺は仕事のために生き、仕事のために死ぬだろう」
「お前・・・」
「だから、珍しい人間の友への最後のプレゼントだ」
そして地図を渡す
この情報を取引にすれば、少なくとも死ぬ事はないだろう
そして、ジールクはある魔族の少女の所に向かって歩いた
「よぉ、ルクライル。生きる道にいけてよかったな」
「お前も早くこちらにくればいい・・・」
少女は鉄格子があるが、限界までこちらに近づこうとしている
少女の手には拘束具のようなものがつけられている
それには封印の魔法でもかけられており、少女の力を抑えているだろう
「無理だな、俺が活きる道に行くとすれば奇跡以外の何物でもない」
「そんなわけないっ!!私がこちらにこれたのだ、お前だってこれるっ!!」
「俺のやろうとしてることは「特攻」とは違うんだよ・・・
とても重要な役だ・・・。それには俺の命が、俺の火の属性が必要になる・・・」
「・・・ッ!?魔王様はあれを呼び出そうとしているのかっ!?
しかもお前の命を使ってまでもかっ!?」
「ああ、そういうことだ。とりあえずプライベートの心を捨てるために来た
ほら、これをお前にやるよ」
ジールクの手から投げられたものをルクライルはキャッチする
それは赤い石のはめられたペンダントだった
「火属性の魔法石・・・?」
純粋な火属性の魔力を宝石に溜め込むと
低い確率でうまれるときのある石だ
「俺が頑張って作ってみた。それをお前にやるよ
まぁ、お前の属性は水だからな、火属性なんて無用だが
いらないなら、捨ててもいいぞ」
「いや、大事にする・・・」
ルクライルはそれを両手で抱えて胸の前でギュッ・・・と力強く持っている
「まぁ、無用なプレゼントなんて人にするのは初めてだからな
さっきの情報を渡したのとは違い、これはお前にとって不必要だろうな」
「お前からはじめてもらったものだ、絶対に大事にする・・・」
「そうか、嬉しいよ」
「・・・」
「ジールク様ッ!!」
もう一人の魔族・・・部下のメイトが名前を呼ぶ
階段の上から足音が聞こえてくる
「ふむ、俺はもう行く、じゃあな」
そうしてメイトがくると
すぐになにかの紙を取り出しそれを燃やす
すると光がパッと出てきたと思ったらその場から消えていた
『空間移動』の魔法具だろう
そしてジールク達が出て行った代わりに入ってきたのは少女
魔王にとって最大の相手であろう人間
勇者の美月だ
美月はルクライルが大事に持っているものを見つける
「・・・ッ!!」
取られてしまうかと一瞬思うルクライルだったが
美月から予想外の言葉が
「彼氏からのプレゼント・・・?」
まさかの予想外の言葉
「な、ななななな何を言っているッ!?こ、ここりゅはッ!!ち、ちゅがうぞッ!!」
「言葉が可笑しくなってるよ~♪うふふ~♪」
鉄格子の前でしゃがんでニコニコと笑っている勇者ミツキ
それに対してズザザザ・・・ッ!!という音を立てながら下がる顔が真っ赤なルクライル
「っだから違うといっているッ!!」
「あっやしぃ~・・・」
「むがあああああああああああああああああああああ・・・ッ!!」
恥ずかしさにより爆発しているルクライルを見て美月は笑っていた
それが20分ぐらい続いたので
最後にはぐで~・・・と疲れたルクライルがぶっ倒れていた
「あ~、楽しかった。えっと、たしかクロウラス・クロイドロウだったね
どこにいるのかな・・・?」
「俺に何か用か・・・?」
美月はその声がしたほうに歩み寄る
「徹夜の記憶をわけて欲しい♪」
「あの男か・・・だけども、記憶ってのは生きてる間のことだからな
その中にもプライバシーな事もあるわけだが
あの男にとっての異性と呼べる相手にそんな記憶を全部渡せるわけが無い
それは誰にとっても恥ずかしい事だからな
とてもだが、簡単には渡せることではないわけであり
あいつを憎む気持ちはあるが、すこしそこは気が引ける」
「その手に持った情報を王様と直接取引ができるようにしてあげる
あとは、そういう部分はあなたが故意に抜いてくれてかまわない。
私にとって重要な部分でいいからね・・・すこし残念な部分もあるけど・・・」
「ふむ、それならかまわないが・・・
私を信じて、お前の精神を壊されるかもしれないがいいのか?」
「そんなことする人が、わざわざ徹夜のことなんて心配しないと思うけど」
「・・・ぐっ」
とりあえずはクロウラスが美月の頭にさわり
記憶が移っていく
徹夜のプライバシーは事細かに守られていて
美月は内心ガッカリ気味だったことは言うまでも無い
そして、時間がたち
「私が二代目勇者リシの生まれ変わり、
そして徹夜がその恋人だった魔族のリヤナの生まれ変わり・・・
ということは、前世からの赤い糸ッ!?」
そのあと城の中では「うふふ~♪」と笑いながらスキップする勇者
そんな珍しい光景を見た者は多いと聞く
誤字・脱字があればマジで御報告宜しくお願いします