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俺は闇、幼馴染みは光の勇者様  作者: 焼き芋(ちーず味)
第一章 魔王編 物語の始まり
72/270

72話 (血)祭り

前回のあらすじ

魔隊は滅び

ミルリアに迫る刺客

ルクライルの最後の任務

ジールクの言葉


全てが重い物

今日はあの日から3日後

もうサラスム王都に着いている

この日はサラスムでは何かの記念日で祭りがあるのでどんちゃん騒ぎだ


「・・・はい、これラウ。わたあめ」

あの祭りに定番のふわふわした甘いもの

これは三代目勇者の時に「祭りの時には子供にはこれが必要なんじゃアァァァァァ!!!」

との事より、作られたものである

他にも勇者の力は絶大であり、射的や金魚みたいな魚をすくう物など

さまざまな屋台が並んでいる


「ありがと」

そう言って受け取ったラウは嬉しそうに口に頬張る

とても美味しそうに食べていて、すごい良い顔をしている

久しぶりに・・・癒されるぅ~・・・♪

この頃、殺されそうになったり、殺されそうになったり、殺したり

だったから、俺の心の傷によく染み込む、この癒し

とても最高です


「ラウは俺の助けだな~・・・」

そういって俺はラウの頭を撫でている


「・・・~♪」

それに対して、訳のわからなそうな顔をしながら嬉しそうな顔をするという

矛盾の顔をするラウ


「ラウにばっかりかまってないでよッ!!」

ルミがそんなことを言ってくる


「お前はガキか・・・」


「いや、この姿は完全に子供だと思うぞ、徹夜くん・・・」

ラルドさんからのツッコミ

ええぇ~・・・だってさ~、癒され度ではラウが俺にとってのMAXですよ?


「・・・ごめんごめん」

俺が適当にルミを頭を撫でてみる事にした

適当なのだがルミは嬉しそうにしている


「徹夜~♪わたしにもかまって~」

お決まりな感じでハクが俺に抱きついてこようとするが・・・


「どっせェいッ!!」

それを投げ飛ばす俺

ハクは器用に空中でクルクル回ったかと思うと

着地する


「なんで私だけ投げるのッ!?」


「周りを見てみろ、彼女のいない男共が惨めにも俺とハクを恋人だと勘違いして

俺を睨んできている」

俺の周りでは男供が凄い形相で睨んできている

ちなみに、さっきの徹夜の言葉によって殺意が出ている所もあるが

徹夜は気にしない


「・・・徹夜は人気がある」

ライルのそんな言葉


「人気なんて無い、あれだ・・・俺には良くわからない・・・」


「・・・話を戻すが徹夜くん、それで会わなきゃいけない人とは・・・?」


「ああ、俺の『最悪だよ、センサー』が告げている、こっちに間違いなくいる」


「・・・そのセンサーは何?というか使えるの?」

ライルのツッコミ


「大丈夫だ、問題ない」


「問題しかない気がするよ」


「やだなぁ・・・ラルドさん俺を信じてくださいよ」


「私は信じるっ!」


「どっせぇいッ!!」

また、抱きついてこようとしたハクを投げ飛ばす

さっきと同じだ


「とりあえず、行こう」

俺が歩き出すと同時に


『大丈夫、私の『最高だよ、ヒャッハアァァ!!センサー』に反応がある』

そんな声が聞こえると同時に

俺は誰かとぶつかった


「いたぁッ!!」


「きゃッ!!」

それは女性だった

しかも、聞いたことのある声、見たことのある顔

この世界には珍しい十年以上の知り合い

美月だ


「「みつけたぁッ!!」」

俺と美月が大声を上げた


「てぇつぅやぁ~・・・私を捜してくれてたんだね~♪」


「げうっ!!」

ハクと同様投げようとしたのだが、さすがは勇者、突然のことで

美月のスピードに間に合わず体当たりを食らい、倒れてしまう


「てぇ~つぅやぁぁぁあ♪」


「抱きつくなッ!!顔をスリスリしてくなァァァァ!!!そして俺を撫でようとするなッ!!

恥ずかしいわァァアッ!!」

慌てて、俺の体の上からどかし

体勢を立て直す俺


「「「「・・・」」」」

なんですか、みなさん

俺と美月をそんな目で見ないでください

俺が一方的に恥ずかしいです


「・・・とりあえず、美月落ち着け

って、俺に顔を近づけようとしてくんなッ!!何をする気だッ!!」


「え?キスしようと・・・」


「よし、手を頭につけてゆっくりと後ろに下がれ、急に動くなよ

そして、理由を話せ・・・ゆっくりだ、ゆっくりだぞ」


「え?それは徹夜に会えなくて寂しかったから」


「・・お前レーゲンで俺のこと追ってきただろ・・・」


「でも、ちゃんと会ったわけじゃないし、話してないし」

俺と美月の会話


「「「「・・・・」」」」

ちなみに俺と美月以外はこの事態に追いつけていない

ちなみに、勇者御一行も一緒だったようだ

みんな、ボケ~としてる中に

凄い怒りの表情でこちらを見てくる少女がいるのがとても気になる


「それに一回キスしてあげたじゃない♪」

めちゃくちゃクネクネしながら言っている


「・・・あれはほっぺにだろ、それに一回したとしてもダメだ。

あの時は不意打ちだろ・・・ノーカンだ」


「・・・(ム~ッ)」


「むくれてるんじゃない、これじゃあ、本題に入れないだろ」


「・・・徹夜は何を抱えてるの、とても疲れてる顔だよ?」


「そこから言ってくるのか・・・。とりあえずは俺じゃあ、うまく話せないな

この王都の牢屋にいるだろう、闇ギルドの幹部だったクロウラスという少年から

記憶でも移してもらえ、記憶を自分に持ってこれる、ということは相手にも渡せるはずだ

それは見ないとわからないからな・・・」


「・・・ふぅん、その少年には秘密を話したんだ?」

若干不機嫌な美月


「勝手に覗かれただけだ」

というか美月が知らないということは

あの少年は黙っててくれたみたいだね・・・なんとも予想外だな


「「「徹夜(くん)ッ!!」」」

ラウを覗くラルドさんたちが声をあげた


「「「美月さまッ!!」」」

勇者御一行の無口な女性を除いた人たちが大声を上げた


「「「「これはどういうことだッ!?」」」」

そして、その全員が同じ言葉を言った


「あ~、話して無かったな・・・こちらはミツキ ナイトウ

現勇者様。そして俺はその幼馴染だ」


「「「「・・・ッ!?」」」」

みんなが驚いている


「だ、だが勇者は異世界から呼ばれた人物・・・

その幼馴染ということは・・・」


「そ、俺も異世界から来ましたからね~・・・無理矢理だけどねハハ・・・王様達コロス

あ、なんでもないです。最後のは忘れて」

ついつい本音が漏れてしまった


「・・・ところで、美月。お前俺のことをなにかの情報網で追ってたんじゃないか?」


「・・・(ギクッ」


「わかりやすい反応をありがとう。それはあとで叱るとして

・・・『魔界六柱』のNo,3だ、そいつを捜してくれ、お前にとって良いことに使える」


「・・・わかった、その情報は良い事だね。

それにしても・・・私の考えてる事がわかるの、徹夜?」


「幼馴染を結構長い間やってるからな・・・不本意な事に」


「てつやぁぁぁ♪」


「だから、抱きついてこようとすんなッ!!」

その反応に若干むくれ気味な美月

最後の言葉は完全無視ですか


「できるだけ早くな。その少女は命を狙われる危険性もある・・・」


「わかった・・・ラルチ頼んだからね。

さっきの徹夜の言葉通りできるだけ早くお願いね」


「・・・はい」

こっちを怒りの形相で見ていた少女が返事をした

その少女はこっちをキッと今まで以上に睨んだ後、人ごみにまぎれていった


「・・・とても面白くないな、この世界は」

俺のポツンとしたそんな呟き


「・・・確かにこの立場に呼ばれちゃったからね、他の立場なら楽しめたと思うよ」

いつもとは違いまじめな表情で返してくる美月




「本当に面白くないよ、この世界は・・・」



そんな声が聞こえた、そこには俺と美月の間に割り込んできた少女

その少女は魔族だった。俺と美月が動く前に準備していた攻撃を実行する

少女の周りから赤い水があふれ

周りを攻撃する


「どっちの二人の性格もお人好し・・・この場合は二人ではなく

回りを狙えばここは正解と見た」

そう少女は呟き

俺の場合は俺の横にいたラウ

美月の場合は近くにいた無関係な子供数人


「「・・・ッ!!」」

俺と美月は動き

俺はラウをすこし強引ながらも、位置をずらし攻撃範囲から離す

美月も同様で子供数人をどかす

そして、赤い水が俺と美月をなぎ払った

そして、俺と美月は反対の方向に吹き飛ばされた

そのどちらもが建物を一つか二つほど突き破っていった


「・・・私の任務はこれで終了」

そう呟いたときにはジャリンッ・・・!!という金属の音が複数響き

ラルドの黄金の剣、ハクの氷の剣、マイルの鋼の剣、ロミルの白銀の剣

その四つの武器が首元に向けられている


「・・・私の命もここで終わり」

魔族の少女が呟く


「たしか『魔界六柱』No,6のルクライル・リーンですね?

私の仕える勇者様は魔族であろうと殺す事は好きではありません。

降伏してくださいますか?ラルドさん方のほうもそれでかまわないですか?」

マイルの言葉


「私達はそれでかまわない」

ラルドさんが答える


「・・・生きる可能性か」

少女は呟き、両手を挙げた





               ─  美月 視点  ─


「・・・ッ」

私は相手の攻撃を防御するために手をクロスして赤い水の攻撃を受けた

その攻撃を受けた所は

服が溶け、肌がチリチリとなり全体が赤く、血が出ている


「・・・酸性の水」

すかさず治療魔法をして、できるだけ手の傷を治す

そしてあたりを見回す

逃げ惑う人々、その中に雰囲気の違う男が一人

徹夜と同様でヒョロい感じの男


「俺は『黒き冒険者ブラック・ランカー』の二人の内の一人だ

お前みたいな強者と戦いたかった」


「・・・最後のトップ3だね。ここで潰れてもらおうか」

そういって両者とも動く

私の動きは早く、並の強者なら一秒も持たずに死んでしまうような速度

それを男は止めた

そして、男は私の剣を握る手に少しだけ触れる


「がァ・・・ッ!!」

その瞬間に私の体中に鋭い切り傷ができ

大量の血が噴出した

あわてて後ろに下がる

その動きはフラフラでどうも頼りない


「・・・な・・・にが?」

私の疑問の声


「俺は触った物を切り刻む、という特別な魔法を所有している

次に俺に触られた時点でお前は死ぬ」


「・・・」

こいつは・・・本気で行かなきゃだめだ


「はぁぁあぁぁッ!!『光のライトソード』を展開する!!」

私自分の体の周りで剣を振るう

その軌道にあわせて光の剣が何百・・・何千という剣ができあがっていく


「・・・ゴォー!!」

その声と共に何千という光りの剣が男に迫る


「私の魔法は他の魔法にも通用する

はあああああああああああああああああああああああああああッッ!!」

男は雄叫びを上げる

その言葉を証明するかのように手をかざす

その手に当たった光の剣は見えない何かに切り刻まれるように

ボロボロになり最後には消える


「ハァァァッ!!」

私は右手に光の力を極限にまでためる

そして私のパンチが王都の大地を揺らした

 

そして、その敵は倒れていて、気絶していた


「・・・危なかっ・・・た」

そこで私は力が抜けて倒れる。気絶するほどではないが体がとても辛い




              ─  徹夜 視点  ─


「チィッ・・・いてぇなこんちくしょ・・・」

魔力は回復済みなのでどうやら酸性だった水にうけた腕の傷を直す

美月も手でガードしてる所が見えたが

俺も美月も防御の仕方を間違えたようだ・・・

だから、わからない奴の攻撃は厄介だ


「死んでもらおう」


「ん?」

逃げ惑う人々のなかにそいつはいた

男、ゴツイ姿の男が一人


「私は『黒の冒険者ブラック・ランカー』の二人の内一人である」


「また闇ギルドか・・・」

その言葉を呟くと同時に

俺は思いっきり右の拳を振りかぶり、パンチを繰り出す


「・・・パワーが異常に強いな・・・。だが、攻撃方法を間違えたな

俺に触られた時点で終わりだ」

受け止められていた

そして、次の瞬間にはまるで俺の腕の血管が爆発したかのように

血が噴出していた


「なァッ・・・!!?」

慌てて足で蹴りを放つ形で俺から、相手を離れさせる

手が一瞬で使い物にならなくなった・・・

闇でそれを覆ってこれ以上ダメにならないようにする

だから、さっきも言ったとおりわからない奴の攻撃は厄介だ


「勇者のほうにいった相方も同じような魔法を持っているのだが

私の場合は、物を爆発させるなどの操作をする魔法を所有している。

今回は、腕の血管を爆破させてもらった

まぁ、相手に触れなければいけないのが欠点だが・・・私はSSランクの冒険者

そう簡単には行かんぞ」


「ちくしょぉがァァァ・・・!!」

この場合は片手が使えない分、本気で行かなければいけない

闇を完全に周りに展開する

それに対して驚く、闇ギルドの男

こんなところで闇を展開してはどうなるかわからなくなるが

いまこいつに殺されるよりはマシだ


闇が数千という手数になって

相手を刺殺しようと襲い掛かる


「ぐおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!!」

俺の敵は雄叫びを上げながら手をかざす

その手に闇が触れると同時に闇ははじけて消える

こいつはSSランクでも上位と言っていいほどの実力だろう

美月のほうにも行ったと言っていた、美月のほうがすこし気になったが

今はこいつを倒すのを優先する


「ハァッ!!」

俺の短い声と共に

左手に、男を刺殺しようとしている闇の5倍の濃さの闇が集まる。


「俺の闇で滅してやるよォッ!!」

その声と共に俺は左手を振るう

黒い闇の爆発が起こり、王都全体の空気を揺らす


そして、


「ここまでの量は処理しきれなかったか・・・」

敵は気絶して倒れている

短い戦いだったが、一瞬の内にピンチに追い込まれてしまった・・・

これがSSランクの上位

勝ったとは言え、とても辛い戦いだった


「・・・この手の治療は回復魔法でも上位魔法を使わないとダメそうだな・・・

そんな環境が揃ってるのは城だけか・・・」


とてもめんどくさい事になりそうだ



誤字・脱字があればマジで御報告宜しくお願いします

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