68話 戦いの終結
前回のあらすじ
戦いで幹部三人は倒された
「・・・なんで行かせてくれないのッ!?」
ある少女が大声を上げる
それはルミだ
後ろにはルミが守るようにしてラウがいる
ラウは一応魔法は少しは使えるが、まだ強力なものではないし
防御魔法などに力を入れていたため攻撃魔法がほとんど使えない
「あくまで掃除係ですので」
名の知らない教師がそれに答える
「私だって戦えるよ?」
「だったらまずはこの状況をどうにかしてください」
教師とルミ達の周りでは魔法が行きかい
鉄のような臭いがあり、赤い液体がそこらじゅうに水溜りのようになっている
だが、そんな状況でも
敵はまだまだ多い
ここら一帯の敵の部隊が集中してきてるようだった
傷を負った生徒は後ろに連れて行かせ、動く事のできる生徒が対処している
教師は生徒に前の列が結界を張り、その後ろが攻撃をするように。などの命令を下す
そんな命令をだしていても、人というのは混乱する
今、ルミがいるのは教師が生徒を制御しきれずに乱戦状態となってしまった場所だ
「どうにかすればいいのね?じゃあ、少しの間ラウをお願いするね」
「は?あなたは何を言って・・・ッ!?」
教師が驚いた理由は簡単
今まではか弱いような自分より年下の少女の格好だったものが
いきなり、白く輝く美しい竜の姿へと変わる
『思いっきり暴れてあげるッ!!』
そんな言葉がまわりに響く
その姿と迫力のある声を耳にし
闇ギルドの敵のほかに、生徒まで・・・それどころか教師までもが動きを止めてしまう
─ …ゴオアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!! ─
白き竜の雄叫びが学園全体をビリビリと揺らす
そして、白竜の長く太い尾が敵の集中してる場所をなぎ払う
その攻撃は強烈、それに巻き込まれた敵は赤い液体を撒き散らしながら空中を舞う
攻撃は器用にも学生を避ける
そして、その攻撃は、魔族にやられたときのストレスを発散してる様でもあった
─ ─
「は~い、こっちに来る」
「「ちょッ!!まだ一人としか戦ってないんだぞッ!!」」
「もうダメ、下手したら死ぬよ?どうやら戦った奴のレベルは低かったから
今回は大丈夫だったけど・・・二人で戦ってて集団に囲まれたらどうするの?」
エミリィにしてはまともな意見を出している
「じゃあ、お前の体に大量についてる返り血は何だよッ!?」
ジークの疑問の声
エミリィは二人をひっぱってるが、学生の制服には色は残っておらず
その体は少し肌色の部分が残ってるもののほとんどが真っ赤である
その光景は軽くシュールである
「20人ほどに囲まれちゃってね、殴り飛ばして来た」
「「Aランクってそんな事可能なのかッ!?」」
「あ~・・・あれぐらいなら普通よ」
「殴ってその大量の返り血は無いんじゃないか?」
「いやぁ、獣使いがいてね、大蛇に襲われたから。その時ね」
獣使い、というものがこの世界にはいる
獣は基本的に「使い魔」というものだ
それなりに面倒な契約をして、まるで戦友のような・・・または奴隷のような感じに
獣は使われてしまうのである
「とりあえず、行くわよ」
エミリィは二人を引っ張りながら食堂へ向かう
─ ─
「クハハハハハハハハハハッ!!これが学園が裏で作っていた強力な魔法具か・・・ッ!!」
黒き聖職者がいた
その聖職者の前には、なにやらゴツイ兵器が一つ
それは、今他の国などで使われている砲台の数十倍の威力を持つ砲台
魔族の戦艦に使われているチャージ式のエネルギー砲の二倍の威力を持つ
「ククク…!!さぁて、これを使えば邪魔な者を殺すことも容易くなる・・・ッ!!」
黒い聖職者はその兵器へ向けて
ゆっくり歩き出す
その瞬間
「がァ・・・ッ!?」
横に吹っ飛ばされた
「間に合ったッ!!俺の速さスゲェ・・・!!さすが俺!!」
自画自賛をしている男が一人、とび蹴りを食らわした後だった
それは黒髪、黒目の男
「お前がボスか・・・なかなか面白そうだ」
徹夜である
黒い聖職者は立ち上がり、本を開く
「ふん・・・また邪魔か。私が良い気分で歩いてる所を邪魔するとは
・・・その罪の償いは、体中を穴だらけにしても足りぬ」
「おぉ~、怖い怖い」
徹夜はわざと大げさなそぶりをしてる
なにごとも大げさな反応が一番だと思う、そのほうが相手が切れる確立が高い
「・・・処刑の準備だ
我が神に捧げるのは『狂気』。・・・この世には狂気にまみれた話がごまんとある。
そのうち一つを選び、我が言葉を現実に現そう」
聖職者は本をぺらぺらと高速でめくり
あるページでとまる
「ある貴族の女・・・。そやつは自分の髪をとく召使が、櫛を髪に絡ませてしまったときに
その櫛で女を殺した、そのときに女の血がついた自分の肌を拭き、その肌が黄金に光ってるように見えた。それにより生まれたのが『鉄の処女』
女の狂気により生まれた拷問具でお前を殺そう」
その声と同時に俺の後ろにアイアンメイデンがいきなり現れる
「・・・ッ!?」
俺が驚き、何かを反応する前に
アイアンメイデンは俺を飲み込んでいった
「クハハハハハハッ!!次にそれを開けたときが楽しみだ」
聖職者は笑っている
その笑いを爆発音がなぎ払う
その爆発はアイアンメイデンが内側から爆破された音だ
「ビックリした~・・・」
そのアイアンメイデンの会った場所からは傷一つ無い徹夜の姿がある
徹夜は今は普通になっているが
生き残った理由は闇
飲み込まれるところで全身に闇をまとわせた。どこまでも収納させられると言う事は
自分の体に突き刺さろうとした針だけを闇で収納する事も可能だ
だから、針は一つも刺さらなかった
そこを俺が『火の球』で爆破した
「・・・なッ!!?」
その光景に驚く聖職者
「チィッ!!死刑「七つの大罪」の準備を開始する」
徹夜は知らないが、それは学園長にもはなった技
「サタン、マモン、ルシファー、ベルフェゴール、アスモデウス、ベルゼバブ、レビィアタン。七つの像を一つ一つの間を均等に、七つの方向に配置する
最後に黒き逆十時の像を我が背後にたてる
・・・死刑を開始する」
その一つ一つの像が光りだす
その像は円を描き、その中心に立っているのは俺
「我は邪神様のために、異端者を排除する」
その言葉と同時に、光が俺に向かって迫り
爆発がなぎ払った
「・・・痛い」
その中でも徹夜は立っている
正直、肌がぴりぴりと痛いが、素の体で耐えている
この少年は何故だろうか・・・威力はさっきのアイアンメイデンよりも高いものなのに
防御をしないで受け止める、防御の序列がおかしい
「・・・さすがに攻撃を食らい続けるのも嫌だ、次ので終らす」
次の瞬間には凄い速さで聖職者に徹夜は迫り
その拳が顔面を捉えた
戦いは終った
─ ─
あの戦いではいろいろと大変だった
生徒は決して少ない数のけが人が出て、死人が出ることが無かった事が奇跡と言える
建物もところどころ壊れてしまい
そこを直すために使う金額は決して少ない額ではない
ラウなども頑張っていたようだ
そして
「じゃあな、エミリィ」
「あと一年でもしたら、また一緒に旅しよう」
「・・・じゃあね」
俺、ラルド、ライルの言葉
「じゃあね、また今度♪」
「また遊ぼうね」
ハク、ラウの言葉
「・・・じゃあね、みんな。また旅をしようね?」
そんな感じでエミリィとは別れた
今回では徹夜のチートぷりで終了です
次の話も頑張らなくては・・・ッ!!
誤字・脱字があればマジで御報告宜しくお願いします