67話 それぞれの戦い
前回のあらすじ
それぞれでの戦い
まだ途中だ
「ハァッ!!」
「ふんッ!!」
剣と剣がぶつかり合う
ラルドとスウァフルがぶつかり合う
今はつばの競り合いという所である
「・・・正直こちらは疲れてきたよ」
「我も久しぶりに息が上がってしまった。
強い者と戦うのはこれだから良い・・・とてもつらい戦いだ
・・・その上で勝つ事が我のやる気を引き出す」
その言葉とともに魔剣が動き
一瞬の内に数回の突きがラルドに迫る
「・・・ッ!!」
それをエクスカリバーを回転させるようにして全て防ぎ
相手の懐に忍び込んで、下から上に切り上げる
「クハハハハッ!!久しぶりの強敵。久しぶりの冷や汗
殺しがいのある敵を見つけ、我は嬉しいぞ!!」
ラルドさんの剣を避け
笑いながら攻撃を仕掛けてくるスウァフル
「私にとったら、ただ厄介なだけですがね・・・」
その攻撃を避け
光の斬撃を放つ
「そういうな。、聖剣の使い手よ。戦いとは楽しいものであろう!!」
「・・・それは人それぞれです」
光の斬撃をしゃがむようにして避けた後
しゃがんだ体勢のまま足のバネを極限にまで使い強力な突きを繰り出す
それをラルドさんは
体全体を使った一撃で迎え撃つ
その結果は、互角
どちらも、同様に同じ距離を吹っ飛ばされる
「・・・堂々とした戦い方。・・・何故あなたは裏の世界にいるのか。私にはわかりませんね」
「表に立っていては人を殺すことなど不可能ではないか。
裏にいるからこそ今の私がいる、表に立ってなどいたら
我が欲求など潤す事など不可能。そのうち干からびて死んでしまう」
「性格が最低と・・・」
「・・・否定はできないのである
そんな我だからこそ、今ここで戦っているのだッ!!」
その言葉と同時に動く
聖剣と魔剣がぶつかり合う
絶え間ない金属のぶつかり合う音
火花。
全てが一瞬の内にたくさんの量が見え、聞こえる
どちらも互角
この状況は動かない
体力、スピード、パワー、精神、経験
個々に格差はあれど、全ての総合を見ればどちらも互角
この状況は異様な物が無ければ動かない
「「ハアァァッ!!」」
また二人ともぶつかり合う
懇親の力を込めた一撃、
だが、決着はつかない
ふたりの手に汗がにじむ
どちらも、死ぬかもしれないという生きるか、死ぬかの所でのやり取り
その中での金属音
その全てをなぎ払う爆発音が響いた
「・・・ッ!?」
ラルドが眼を見開き、驚く
「ふ、ボスがやったか・・・。さて、こちらも決着をつけよう」
その声のほうを向けば
スウァフルが魔剣を構えている
慌ててそれに反応しラルドが聖剣を振るうが
「甘いな。ほかに気を取られた瞬間にお前の死は確定だ」
その言葉とともに放たれた突きは
聖剣エクスカリバーを持っていたラルドさんの手ごと貫くような軌道だ
どうにか、聖剣の柄に当たらせるようにして手を貫かれる事を避けるが
エクスカリバーが甲高い金属音と共にラルドの手を離れ
空中を回るようにして飛ぶ
「しまッ・・・!!!」
その瞬間にラルドさんの横腹を魔剣が貫く
強烈な突きの勢いでラルドは後ろに数㍍吹っ飛ぶ
わき腹には魔剣が刺さっている
そして・・・
「自分の剣である聖剣によりとどめを刺してやろう」
スウァフルの手には黄金の剣が握られており
もう上に持って行き、振り下ろせば殺せるという所まできている
偶然にもスウァイルの手に落ちたか、それとも計算してラルドの手からはじいたのか
それはわからない
「・・・ッ!!」
「楽しい戦いであった」
その言葉と共に振るわれる剣
そして・・・
「ガハッ・・・!!」
口から血を吐いた
それはラルドさんではなくスウァフルである
黄金の剣はラルドのギリギリ横をとおり地面を斬りつけた格好であり
ラルドの手には相手が使っていた剣・・・
魔剣ティルヴィングが握られている
その剣はスウァフルの腹を貫いていた
「・・・我もやろうとしていたこととはいえ
・・・我が剣で倒されるとは、なんとも滑稽である」
「正直危ない所でしたが「絶対に外さない」という能力がこの剣に無ければ
負けていたかもしれませんね。正直避けるのに精一杯で攻撃は雑なものでしたので・・・」
その言葉を聞いて
スウァフルは気絶して倒れる
死んではいない、今の時点ではまだ
そのスウァフルにラルドは治療魔法をかけ始める
殺しはしない、罪人は国で裁くべきである
「・・・倒したものの、私もさすがに他の人に応援とまではいけませんね
正直体を動かすのが辛いです・・・」
スウァフルの治療と同時進行で自分の横腹に魔法をかけながらそんなことを言った
─ ─
「シネェェェェェエエエエエエエエエエエエッ!!」
赤い吸血鬼が絶叫し
赤い矢が数十本飛ぶ
「いつもそうね」
その矢は全て氷の壁に阻まれる
「変わらない、・・・いや、変われない」
「じゃあ、あなたは何が変わったて言うのッ!!」
その言葉と同時に
魔力の込められた矢が放たれる
その矢は氷の壁を砕くが、すぐに次の氷の壁ではじかれてしまう
「変わったわ、私は長年、独りで暮らし
そして、今は好きな人だっている。全てが変わったわ
孤独を味わい続けた、でも今は暖かいとても良い環境にいる」
「それは昔の事を・・・リシたちとの旅をまた体験してるようなものだッ!!」
吸血鬼の言葉
「だからどうしたの?私は同じように旅をしている。それは良いことだわ
あなたはリシのことが忘れられない・・・でも、リシは死んだ
昔のあなたは吸血鬼と呼ばれながらも楽しそうに笑顔で
暮らしていたわ。だけど、今はどうなの?
闇ギルドの幹部にまでなって、なさけないとはおもえないのかしら・・・」
「・・・ッ!!」
「昔の生活が良いのならば、また同じ生活を作ればいい
別に死んだ人を忘れろ、というわけではない
だけど、昔は昔、いつまでも進まない事は間違いだ」
この会話の間にも矢が飛び続け
それらが全ての壁に阻まれる
「リシは決してそんな事を望んではいない
だから、私がここで止めてあげる。
私の氷は全ての動きを止め、私の冷気は全ての力を削り取る」
そこでハクは手を突き出す、その方向には吸血鬼がいる
「私の冷気で体力を極限までに削ってあげる
その間にあなたの力は拘束具についた封印で抑えられるでしょう
牢屋の中でまた考え直せばいいわ」
ハクの手から白く冷たい空気が噴出し
吸血鬼を襲った
その結果、死んではいないものの体力が無くなりドサリと倒れ気絶する
「・・・ま、『仲間を作る』ってのも徹夜から教えてもらった事だけど
やっぱり徹夜のように受け入れてくれるのが一番よね~♪」
そんなことを言った後
「・・・楽だし」
この言葉は十分雰囲気を壊せるものだと思う
─ ─
「はァァ!!」
「・・・ッ」
少年が大声を上げながら切りかかり
それを徹夜は剣で防ぐ
「・・・『想像は精神を壊す』」
その呪文と共に
なにかよくわからないものが回りに広がっていく
よくわからないし、避けれそうにもないので
俺は呆然と突っ立ったまま、それに呑まれていく
『ここはお前と俺の世界、お前の想像が具現化するし、
俺の想像も具現化する』
異様な声が響く
それはクロウラス・ロイドロウの声
「想像が具現化だと・・・ッ!!」
『そうだ、そしてここはお前の精神を壊していく
生き地獄を味わえ!』
そんな事を言ってくる・・・が、徹夜は
「・・・(想像が具現化ということは、ライトノベルもまた読めるのではッ!?)」
隠れたオタク魂を呼びさます
「・・・やっぱりやめておこう」
徹夜はやっぱり諦めた
そこで徹夜は溜息をつくと、両手を前に突き出す
その手には、グローブのように見えてわからないだろうが闇がはりついている
「食え・・・」
そんな言葉と共に
闇が動き
魔法を飲み込んでいく、その食べっぷりは力士を軽く超える
まぁ、限界の無い闇ならば当たり前の事だが
そして、一瞬で魔法が消失する
「な・・・ッ!?」
そんも現象にクロウラスが驚く
今起きた現象は
闇がわからない相手にとってわかるわけがないのだ
「おらァッ!!」
徹夜はそんな声と共にクロウラスを殴る
それをクロウラスは腕をクロスさせるようにして防御するが
パワーが圧倒的に上の徹夜の一撃は受けきれずに吹っ飛ばされる
「・・・ぐっ!!」
靴底がガリガリと音をたて、地面をえぐりながら
どうにか耐えるクロウラス
「ふっ!!」
その目の前には徹夜がいた
いつの間にか移動している
その徹夜は下から上に向けて蹴りを放つ
「がぁッ!!」
それをくらい
空中に吹っ飛ばされるクロウラス
「・・・チィッ!!今まで本気じゃなかったのかッ!!」
クロウラスが思わず言ってしまう
それほどまでに動きが違う
「ふんッ!!」
徹夜は何も答えずに空中のクロウラスを追撃する
空中で徹夜の踵落としがクロウラスの腹に突き刺さり
思い切り地面に叩きつけられる
そこから数㍍離れた所に徹夜は着地する
そしてクロウラスはフラフラとしながらも立ち上がる
「がああああああああああああああああああああああッ!!」
クロウラスは大声を張り上げながら
凄い速さで迫る
「・・・『火の球』!」
徹夜はそれに向けて火の球を造り、投げつける
そしてそれはクロウラスにぶつかり、凄い爆発音と共に
瞬間的に火が周りにひろがる
「・・・その程度で止まるかァァァッ!!」
その火の中からクロウラスが出てくる
その体はボロボロで火傷や皮膚が裂け、血の出ているところまである
「・・・ッ!?」
その行動に驚き
一瞬動きが鈍る徹夜
その頭をガシッとクロウラスが掴み取る
「俺の手に触れたものは頭の中を覗かれ、最後には俺に壊される
これが俺の名・・・『食夢』がつけられた理由だ!
お前も味わえ、テツヤ カゲヤマ!!」
「・・・ッ!!」
その言葉と同時に魔法が発動する
クロウラスが頭の中を覗き込む
最初のそれは記憶だった
「・・・なッ!?」
その内容を
明確に映像となって自分の頭に流れ込む
当然のこと自分の頭がパンクしないように工夫がされているので、心配はする必要は無い
ただ、徹夜の記憶は、クロウラスにとって異様であった
自分のほかの魔族の記憶、この世界ではない異世界の記憶
今の勇者と学校と呼ばれるところに行き、なんか変な連中に襲われている記憶
そして、勇者召喚のせいでこの世界に来た記憶
「・・・おれは、これが初体験だが頭を覗かれるのは大嫌いだ」
その声とともに
魔法で自分に流れ込んでいた映像が途切れる
正気に戻れば、自分の手を徹夜がつかみ、頭から引き剥がしている
「・・・なッ!?俺の魔法の途中では動けないはずだぞッ!!」
「・・・こんなの根性で十分だ」
そんな呆れる言葉の次には徹夜の拳がクロウラスの顔面を捉える
その拳で完全に倒される
「ふぅ、終了かな・・・まじめにやるのはつかれるな」
「・・・俺にとどめを刺さなくて良いのか?」
クロウラスは気絶してはいない
ただ体にダメージを食らい過ぎて、もう動く事はできない
「お前の秘密を覗いたのだぞ、口封じしなくて良いのか?」
再度クロウラスは徹夜に問う
「別にいいんじゃないか?記憶を読み取ったのなら知ってるだろうが
俺は黒髪で片目が赤色の少女に「他人を殺してまで自分の秘密を守るつもりはない」てな感じのことを言ってなかったか?」
「・・・」
クロウラスはただ黙るだけだった
「改心するようにしなされ」
徹夜はそう言って通信機を取り出す
「こっちは終ったぞ。他の人は大丈夫か?」
『ああ、こっちは苦戦したが、十分大丈夫だ、まぁ、応援には行けないが・・・』
ラルドさんの声が聞こえた
『あっはっは~、こっちは話をして終ったよ♪相手には今眠ってもらってる』
ハクの声
『・・・むだにッ!!数がッ!!多いッ!!』
ライルのそんな言葉
まだ戦闘の音は響いている
『じゃあ、このお姉さんが応援しに行ってあげよ~♪ちょうど近いし』
ハクの言葉
『・・・それは助かるッ!!』
ライルの返答
「・・・学園長は?」
『・・・こっちはちょっとまずいですね』
通信機から辛そうな声が響いてきた
『ボスにやられました・・・一応死にはしませんでしたが、相手は進んで行っちゃいました
誰か向かってくれませんか?』
学園長がこんな事を行ってきた
『・・・私は無理そうだ。今の体力ではボスまで相手する余裕は無い』
ラルドさんのそんな言葉
「・・・俺が行くしかないじゃないですか、これじゃあ」
他の人は無理
俺はまだまだ動ける
本当にめんどくさい
「じゃあ、俺に任せてください」
そう言って通信機をポッケにしまい
俺は入り口に入り、階段を下りていく
誤字・脱字があればマジで御報告宜しくお願いします