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俺は闇、幼馴染みは光の勇者様  作者: 焼き芋(ちーず味)
第一章 魔王編 物語の始まり
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58話 古い日記の記憶

前回のあらすじ

徹夜は日記の魔法に

のみこまれていった

「・・・ここはどこだ?」

さっきまで魔法学園の先生用の部屋で

日記を読んでいたはずだった俺は

どこかわからない場所に立っていた

俺が予想するにここはあの日記に書かれていた文字・・・


「あの文字は元の世界で言うルーン文字ってとこか・・・?」

・・・ルーン文字の力により

なにかにひきこまれたようだ


「・・・えっと、文字の意味を考えるに・・・記憶?」

俺はそんな言葉をもらしながらも

進む

ここがどこでどういうわけかは周りを見ればわかるだろう


「ん?」

金属がぶつかり合う音が聞こえた

俺からは見えないがどこかで音が聞こえる

そちらに向かって歩いていってみる事にした

そして、やっと見える所まで着く


「は?」

俺の目の前には

ある御一行と腹からしたの体を氷付けにされ身動きの取れない魔族がいた

その魔族は女性だった。俺の見たことの無い女性

そしてその魔族と戦っていたらしい御一行には

俺が一方的に見たときのある顔がいた


「このクソ勇者がッ!!」

魔族の女性が吠えた

この言葉通りその魔族の女性の前には勇者がいた

二代目勇者の山本 李氏が


「そんなこと言わないでよ。『魔界六柱』No,5のサイト・リズメリアさん」

魔族の名前には聞き覚えがあった

ジークル・ライが悪竜の封印を解いたときに

悪竜のイルリヤが言っていた名前だ


「うるさいッ!!我が同胞を3人も排除したお前などにッ!!」


「君も同じ事になるんだ」


「・・・ッ!!」


「知ってる?僕は初代勇者に比べると物理攻撃では劣るんだ

ただ、僕は精神干渉魔法が得意でね。相手に触るだけでも頭の中をいじる事は可能なんだ

記憶だって例外じゃない」


「このクソがァッ!!」



「顔の整形の魔法もある。あなたは魔族と他の種族の戦争から排除される

僕が転送する大国『サラスム』では僕が魔族を保護するようにと、

話をつけてあるからね。君はそこで平和な暮らしができる」


「そんな物私が望んで無ければ意味は無いッ!!」


「確かにそうだろうね。でも君は記憶を永遠に失い、それを思い出すことも無ければ

その事が不幸な事に思えるわけも無い

それに、僕は相手が魔族でも殺したくないんだよ。

僕の勝手な理由で悪いけど、生きてくれ」


そういうと李氏は魔族の女性の頭に手を置く

その手が光ると同時に、その女性はどこかに転送されていった

あの一瞬でやることは終ったようだ


「・・・リシくん」

ある女性が勇者に声をかけた

その女性は真っ白な格好で。俺の知る顔だった

今も昔も変わらない顔だ

多分魔族を拘束していた氷は彼女のものだろう


「…何を言われても殺さないのは変わらないよ。」


「それはリヤナが魔族だったから・・・?」


「それは違う。そんな理由でなんて考えていない

この考えはリヤナさんと会う前からあったものだ」


「・・・それならいいけど、あなたはリヤナと戦えるの?」


「戦えない、でも決着は僕がつける」


「矛盾してるわ、リシくん」


「矛盾してても構わない、俺は俺の考えを曲げるわけにはいけない、この考えだけは」


そんな会話が続き

また御一行は歩き出した

どうやらこれは魔界にいるようだ

どうやら今は昼の時間らしい

だが、空は真っ黒で薄暗い

洗濯物は乾きそうに無い・・・こんな無駄な事を考えている俺はほっておこう


「日記になにしているの、リシくん?」


「僕の血でルーン文字を書いてる」


「なぜ・・・?」


「文字だけで僕の存在を残すのだけは嫌だからね

この魔法に少し前から僕の記憶をコピーしておくの

・・・よし、完了。あとは糊付けしてはがれないようにと・・・

完璧」


そんな事を言っている李氏

どうやらこの魔法のせいで俺はこれを見ているらしい


「でも、数日間記憶をコピーしたら、もしかしたら誰かが見たときに

数日間寝たきりになるんじゃないの?」


「大丈夫、僕の記憶ごときなんて時間をかけさせないよ

大事と思われる所以外は自動的に消去されるようになってるから」


そんな言葉を聞いた後に

すぐに違う場面に移った


・・・大事な所以外は消去される、というのはこういう意味か

次の場面は魔族と戦ってる所で

俺の知っている魔族ではないことは確かだった

そして、その魔族に勝ち、魔族の女性と同じことをし

すぐにまた画面が変わるようにして

違う場面に移る


それは李氏とリヤナというなの魔族が敵対してる所だった


「勇者リシ、お前を殺す」

リヤナという魔族の冷たい声が響く

そして李氏が何か言う前にリヤナは攻撃を繰り出す

手から何個もの球状の黒い物体が飛び出す

それは岩をいとも簡単に砕く威力を持っていた

それをリシが避けながら進む


「リシくん!」

ハクのそんな声


「手は出さないでくれ!前も言ったとおりこれは俺が決着をつける!」

そんな李氏の声

その間にも攻撃は続き、それを避けながら進む

が、進もうとしていても李氏は攻撃を避けるのに精一杯のようで

近づけてはいない


「リヤナさんは何がしたいッ!?」

李氏の突然のそんな声


「お前は私が殺す!任務は全うする!!それが私のやりたいことだ!」

それにたいして攻撃の手を緩めることなく大声で答えるリヤナ


「そんなの嘘だッ!!」


「嘘などついていないッ!!」


「じゃあ、なんでリヤナさんはそんなにつらそうなんだッ!!」


「・・・ッ!?私はお前と一緒にいたときもつらかったッ!!」


「俺は君といる間はとても楽しくて、とても嬉しくて

ずっと君の顔を見ていたッ!!

最初は無理にでも笑おうとしていた感があったのは否定できないッ!!

でも、そんなに辛そうで、悲しそうで、寂しそうな顔は見たときなんか無いッ!!

戦うのなんてやめようよ!!どこかで平和に暮らせばいいッ!!」


「そんなわけ・・・」


「否定できるの?リヤナさんは・・・?

あんなに楽しそうに笑っていたリヤナさんはそれを否定できるの?」


いつのまにか攻撃はやんでいた


「できない・・・。でも、私は『魔界六柱』のNo,1として・・・

多くの人間を殺した・・・それに今だってリシを殺そうとした・・・

そんな私がッ!!・・・──」



「──・・・私が今更、私がそんなことできるわけがな・・・ッ!?」


いつの間にか李氏がリヤナに抱きついている

きゃあああああ!!これは俺の悲鳴ですよ

リアルで恋愛ドラマみたいなものを見た俺の悲鳴です

乙女じゃないです、男です。もしそう思った人がいるなら目をえぐりますよ?


「リヤナさんは僕を助けてくれた。あの時僕を助けなければ任務なんて終っていたのに

人が死ぬのを見たくなかったから、そんなことをしたんだよ

それに短い間の旅立ったけど、リヤナさんは途中で寄った村で子供達と

笑顔で遊んでいたし、危ない所を助けてたりもした!」

え?子供を助けた?そんなの日記にそんなこと書いてなかったんだけど


「その姿をもったいないから日記に書かずに俺の記憶だけの楽しみにもしたッ!!」

そんな理由ですか・・・


李氏は少しだけリヤナさんから離れて

目を見ながら言う


「俺は君が好きだッ!!この戦争が終ったらどこか人のいない所で一緒に暮らそう・・・?」

そんな李氏の言葉

それに対してリヤナさんが答えようとした

その時、なにかトッ…という軽い音が聞こえた



そして、リヤナさんの胸辺りには小さな穴が開いており

血が噴出した


力なく倒れるリヤナ

何かの攻撃だったようでリヤナさんの体を貫通したその攻撃は

李氏の横腹も貫いていた


「な・・・ッ!?」

李氏が驚きの声をあげる

リシの動きは遅く、とても辛そうで力が抜けて倒れそうになるのを必死にこらえてるのがわかる


「これは敵前逃亡というのか?私の娘にしてはダメなやつだ」

そんな声が聞こえた

それは30台程度の歳の男性だった

それは魔王のようだ


「リヤナさん!リヤナさん!」

李氏がリヤナさんの横に座り込み

リヤナに呼びかけている

どうやら死んではいない様でまだかすかに息がある

だが、もう死しかないとしか言えない


「リヤナさんっ!!」

李氏の目からは涙がボロボロと流れていた


「リ・・・シ・・、・・・あなた・・・は泣き虫・・・ね」

かすかに聞こえるリヤナの声

リヤナはゆっくりと李氏の頬を撫でながら言う


「うん、俺はだめな男だから」


「だめ・・・なん・・・・かじゃな・・・い・・・・わ。・・・私のからっぽ・・・の心。

どう・・・・にか・・・お・・・とうさ・・・まのやくにたって・・・

どうに・・・かうめよ・・・うとし・・・ていた・・・からっぽ・・・のこころに・・・

あなたは・・・・・かんたんに・・・あた・・・たか・・・い心・・・でまんた・・・んに・・・して・・・くれたわ」

かすかな声

途切れ途切れの声。

その声はだんだんと確実に力がなくなってくる


「ありが・・・とう、リ・・・シ。わた・・・しも・・・あなた・・・が好き・・・だった・・・・わ」

そんな言葉を言った後に

力なく下に落ちるリヤナの手

その顔は死ぬというのがわかってるのに幸せそうな顔で

李氏とあったことに後悔はなくとても幸せだった、というような顔だった


「俺も好きだよ、リヤナさん。もし生まれ変わることが可能なら

あなたとずっと一緒にいたいくらい・・・」


そんな事を言うと李氏は立ち上がる

次の瞬間には、顔を上げる

その顔には悲しみもなにもない、ただ怒りのみ


「お前を殺す。魔王」


「ほぉ、横腹に穴が開いてる状態でそんな事を言うか」


そんな魔王の言葉

李氏は後ろに向き直り

なにもできずに呆然と立っている仲間達に


「ここまでありがとう。さようなら」

そんなことを言うと次の瞬間には仲間達の周りが光りだす


「リシくん!!」

「「「勇者様ッ!!?」」」

次の瞬間には仲間たちは消えていた


「大国『サラスム』に転送の魔法で送ったのか。

それでいいのか?傷を負ったお前では到底私にはかなわないぞ?」


「いいんだ、これで・・・」

李氏は体の前に手を持ってくる

胸の前で手をかざす


「俺ごとお前を殺し切る!!」

その言葉とともに李氏の手のひらの間で

凄い量の光が現れる


「お前その魔法は・・・ッ!!お前の命と替えてまで私を殺すつもりがッ!!」

その魔法をみて魔王があせりを見せる


「・・・『生命最後の輝きライフ・フィニッシュ・シャイニング』!!!」

その手の光がまるで爆発の衝撃破のように周りに広がっていく


「・・・ッ!!『最強の闇の盾ダークネス・シールド』!!」

魔王が防御魔法を張る

李氏の光の魔法はその盾ごと魔王を飲み込んでいった


誤字・脱字があれば御報告宜しくお願いします


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