52話 三人と一匹の冒険者(2)
前回のあらすじ
三人と一匹の冒険者が現れた
その三人と一匹の冒険者たちは
勇敢にそして凛々しく、そして完璧にッ!!
・・・
・・・・・・
嘘です、すみませんでした
「何か良い依頼はないの?」
口を開いたのは黒い少女
「なにか」「いい」「「依頼は・・・?」」
次に口を開いたのは
双子の兄妹
「バフッ{依頼}」
次に口を開いたのは狼
(今回につきましても、クオのことばは{ }により変換させていただきます)
「これでいいんじゃないか?」
目の前にいるハゲさん、それが一枚の紙を渡す
その依頼は簡単なもので
簡潔に説明すると荷物持ちだ
「もっと難しい、魔物を倒したりとかの方が・・・」
クロが反論をあげる
「いやな、最初の内はこういうものをやり、基礎体力など上げて行き
魔物を倒せるような体力にまであげていく事が一番いいんだぞ
それをやって有力な冒険者になった者だっているからな」
はっきりいってこれはハゲさんの嘘だ
「ふむ、それならやってみようと思う」
そして、騙されてしまうのが子供だ
─ ─
「大丈夫かい?お嬢さんたち?」
「だ、だいじょうぶです・・・これ・・っでも・・・ぼ、冒険者ですから」
「正直」「これは」「「きつい」」
「ワフッ?{大丈夫?}」
今の三人は体が見えなくなりそうなほどの荷物を抱えて
よたよたとそしてフラフラしながら歩いている
それを見て依頼主のおばあさんとクオは心配の声をあげる
クオは後ろに車輪のついた板に荷物を乗せていてそれについてる紐を引っ張っている
だから、転ぶ可能性も無い
「うぅ・・・どこまで運ぶんでしたっけ?」
「あそこを曲がればすぐだよ」
「みんなで」「がんば」「「ろぉ~」」
「ブフッ{オー}」
「なんかクオに笑われた気がした・・・」
気のせいである
クオ的には「オー」って言っているのだが
他の人から聞くと「ブフッ」とはまるで吹いてるみたいである
「ガゥ・・・ッ{そんなつもりじゃ・・・}」
「クロちゃん」「クオが」「「笑うわけ無いでしょ」」
「・・・うむ、そうだよね」
そんな会話をしながらも
着々と目的地に進んでいく、そして数分かかったが
やっとのことでついた
「ありがとね~、偉いねお嬢さん達」
褒めてくれるおばあさん
「これでも冒険者ですから」
えっへんという感じで胸を張るクロ
「冒険者」「です」「「から」」
「ワフッ{ですから!}」
てな感じで返答している三人と一匹
「じゃあ、報酬以外に少し飴玉をあげるよ」
そういうと飴玉を三個渡してくれる
「「「わぁ~い」」」
てな感じでもらってしまう三人
何年も生きてるはずなのだが・・・
やっぱり子供である
「バフッ?{私の分は?}」
今回も、もらえないクオ・・・
「ワンちゃんにはこれをあげるよ」
おばあちゃんは犬を飼う人用の犬専用のおやつをあげる
「バウンッ{ありがとう!・・・でも犬じゃないんだけど}」
今回はもらえてうれしいのだが
なんだか複雑な気持ちである
「ありがとね~」
「「「さよおなら~」」」
「バフッ」
依頼も終わり
依頼主にお別れを言って分かれる
そして時間は進み依頼を達成した報酬をもらった後
もう一回依頼に行く
今度は庭の草刈だ
その家の人は老人で草刈でも相当つらいらしい
「わるいねぇ、ばあさんや」
「ばあさんじゃないですよ」
答えるクロ
「わるいねぇ、ばっちゃんや」
「言い方」「変えても」「「意味無いですよ」」
答えるフレとイム
「本当に悪いねぇ、ポチや」
「バフッ!?{犬ですかッ!?}」
叫ぶクオ
とまぁ、こんな感じである
ちなみにこのおじいさんのおばあちゃんは
めちゃくちゃ元気である
一緒に草刈をしながら談笑していたほどだった
最後には少しだけ飲み物をもらって帰っていく
そして最後にまた報酬をもらう
今回は依頼を受けずに報酬でお菓子を買おうということになった
だから三人と一匹で歩いてる状態である
そしてある道を曲がろうとしたところで
「いたっ!?」
「きゃっ!?」
クロが誰かとぶつかった
クロが最初に小さな悲鳴をあげて、そのあとにその人も小さな悲鳴をあげている
「ごめんね、考え事してて・・・」
そのぶつかった人は綺麗な女性だった
その女性はクロを立たせてくれる
見た目は細い腕でヒョロい感じなのに意外と力があるようで
起き上がらせられたときにすこし足が浮いた
「いえ、こちらこそすみません」
クロが洋服を叩いて埃をおとしながら答える
「だい」「じょう」「「ぶ?」」
「バフッ」
それに気づいてフレとイムとクオが駆け寄ってくる
「お嬢さん達は何をしてるの?」
「お菓子を買いに行こうと・・・」
「えっ!?私も行っていい?」
予想外の言葉だった始めてみる女性は
目をきらきらさせてこちらをジ~ッと見ている
そして三人はコソコソ会議だ
「・・・(どうする?)」
「・・・(私たちは)」「・・・(僕たちは)」「「・・・(別にいいと思う)」」
基本的に精霊などは人の感情・・・
特に悪意などのものには鋭い
それをこの女性からは微塵も感じないのだ
「わぁ~、この犬かわいい~」
ちなみに女性は会議をしてるから
その間の暇つぶしにクオをなでまわしている
「バッ!バウ・・・バフゥ~・・・{まッ!ちょ・・・まふぅ~・・・}」
またもや脱力してしまうクオ
撫でられるのは基本的に反則なのだ
「「「いいよ!」」」
そして元気よく三人で答える
その後は自己紹介をしている
「私はクロだよ。で、この犬はクオ」
「僕はフレで」「私はイムで」「「二人合わせてフレイム」」
「バフッ{犬じゃないよ・・・}」
「そうなの、クロちゃん、フレくん、イムちゃん、クオちゃんね」
女性はニコニコしながら答えると
自分の名前を教える
「私の名前は美月、ミツキ ナイトウだよ。よろしくね♪
やっと仕事が1段落してサラスムに帰ってきたばかりなんだ☆」
女性の名前は美月だった。それはちょっとした有名人の名前である
─ ─
「・・・ハッ!!美月の気配が・・・ッ!?」
ある全身が黒一色の少年は何かの気配を感じ
まわりをキョロキョロと見回して自分の身の安全を確認していた
そして身の安全を確認した所で一言
「俺の出番は・・・?」
だから、ありません、って。しつこいですよ
誤字・脱字があればマジで御報告宜しくお願いします




