51話 三人と一匹の冒険者
前回のあらすじ
偽者と本物
本物はキレて、偽物は泣き喚く
あるところに三人と一匹
全身が黒い格好で黒髪などの真っ黒の少女
14歳の少年と少女
全身が黒い毛で覆われている狼
が、立っていた
「ふふふ、これが」
「これが」「あの」「「・・・あれかッ!!」」
「ガウウッ{これがっ}!!」
(※クオの言葉も{ }に入れてわかるようにしていきます)
「「「冒険者ギルド!!」」」
「ガウウウウウウッッ{冒険者ギルド}!!」
そんな三人の目の前には
徹夜たちがいる『空を飛ぶ鳥』よりは小さいが
立派なギルドの建物があった
このギルドの名前は『集う野良猫達』という名前で
ギルドはあまり大きくなく、凄い実力の冒険者がいるわけでもない
ただあまりにもお人好しな人たちが集まり、雑用と思われるような依頼を
文句一つ言わずに笑顔で楽しくやっていくギルドである
だから、周りの人からは評判がよく
お年寄りが食べ物を運んでもらったり、荷物を運ぶのを手伝ったりと
冒険者がしなくてもいいような依頼の集まるところだ
「たのも~」
「た」「の」「「も~」」
「ガウブ~{たのも~}」
三人と一匹が中に入って行く
すると
「なんだいお嬢ちゃん達、ギルドになんか用か?」
さっそく人のよさそうなおじさんが話しかけてくる
「ギルドに登録しようと思って」
クロが答える
「そうかい、あそこに行けば登録できるよ。
でも、なんで登録するんだい?」
「チャレンジ精神だよ」
「ちゃれんじ・・・?まぁ、頑張ってくれ」
そして三人と一匹が受付みたいなところに行くと
真ん中がハゲてるおじさんがそこには座っていた
「登録したいんだが・・・」
「登録」「お願い」「「します」」
「ガギュゥ!{登録したいっ}」
その言葉を聞いてハゲおじさん・・・略してハゲさんは
紙を取り出す
「この紙に名前と歳なんかを書いてくれ」
「この髪に書けばいいのですね?」
「・・・「紙」の部分のアクセントが気になったが・・・まぁ、そういうことだよ」
ハゲさんが苦笑いしながら教えてくれる
「ガウブッ?{なんで私の分の紙が無いの?}」
そんな質問をしても
狼の言葉なんてわかるわけが無い、みんなスルー状態である
「グルルッ{ム~っ!!}」
クオは頬を膨らませているみたいだったが誰も気づかない
「ここはこうで、こうすると・・・こうかな?」
「えっと」「こうで」「「こうかなっ?」」
「うん?ちょっとそこは違うな、こう書き直せ」
文字の間違いを優しいことに一つ一つ指摘しては
違う紙に書き、それを写させるハゲさん
「グルルルルッ!!ガルブッ{ムゥ~~~~~ッ!!ねぇ、無視しないでッ!!}」
クオはまだなにか言っているがだれも気にしない
言葉がわからないから気にする事もできない
「はいはい、少し待ってて、クオ」
クロが何を言われたかわからないのにそんなことを言って
あごの下辺りをなでるようにしている
「バフッ!!ガウッ!!クゥゥ~・・・(ちょッ!!待っ・・・!!まふ~・・・)」
脱力して倒れているクオ
クオにとってこういうのは反則である
「これで大丈夫かな?」
「うんうん・・・大丈夫だ、クロちゃん、これでギルドカードをもらえばギルド登録完了だ」
紙を見て名前を呼ぶハゲさん
「・・・」「・・・」「「どうしよう」」
双子の精霊が迷っている
「どうしたの?」
クオがそれにたいして尋ねる
「名前を」「まだ」「「つけてもらってない」」
徹夜はいつも双子と読んでるだけで
名前をつけていない状態である
「う~ん、ハゲさn・・・じゃなくて、受付のおじさん名前って偽名でもいいかな?」
「今「ハゲさん」って言おうとしたよな?・・・はぁ、偽名でもいいよ。
あとで名前の記録を変えることもできる」
これは徹夜も初耳だ、これだと最初に正直に名前を入れたのが
馬鹿馬鹿しく思えるだろう
「ありがとう、ハゲさん」
「完全にハゲさんって言ったな、俺にはハグルゲって名前があるんだ」
「・・・「ハグルゲ」の真ん中の「グル」を取れば、ハゲ。だから、やっぱりハゲさん」
「ちくしょうッ!!」
おじさんが大声で叫んで落ち込んでいるがこちらは気にしない
「どうする・・・?」
「どう」「しよう」「「かな?」」
「ガウッ!!(頑張って)」
少し悩む事20分(少しじゃない気がするが気にしないで)
そこでクロが手をポンと叩き、頭上で電球がつくかと思うような行動を取る
「じゃあ、「フレイム」からとって「フレ」と「イム」なんてどうだ?
ちなみに少年のほうが「フレ」で、少女が「イム」だよ」
「それ」「結構」「「いいね!」」
「よし、決定だね。フレとイムで」
「「いぇ~い」」
「ギュウガァ~{良かったね♪}」
「じゃあ、それでいいんだな」
「「「は~い」」」
「バフッ!!」
─ ─
あるところに黒い服のスラリとした感じの少年がいた
その少年は黒い髪をへそあたりまで伸ばして
後ろに縛っていて、まっくろなコートを着てる
すこし目立ってる感じの少年である
すると、その少年が口を開いて一言だけ言った
「・・・俺の出番は?」
徹夜君には最低でも後一話は出番はありません♪
誤字・脱字があればマジで御報告宜しくお願いします