49話 懐かしい奴らが三人
前回のあらすじ
錬金術師の笑い方はきもくて
吐き気が・・・
いや、そんなことはいまはどうでもいいだろう
とりあえずは錬金術師を捕まえ
事件は解決だ
錬金術師を預けた後は簡単だった
簡単にやることも済ませ
次の日には出発という事だけだった
何回も言うように待たせているのはあのラルドさん
どんなニッコリ顔で何を言ってくるかわかったもんじゃない
錬金術師を預けた後はこんな感じだった
「あ、あのっ!」
「はい?」
話しかけてきたのはサジさん。なんだ?
「お、お名前を教えて欲しいんですがッ!!」
聞いてきたのは名前だった
むぅ~、俺テーヤって言ってたしなぁ~
一応教えておこうかな
「徹夜です。テツヤ カゲヤマです」
この場合苗字って名前の後のほうが良いんだよね・・・?
「は、はじめまして、テツヤさん。私はサジって言います」
「知ってますよ」
むむ?なぜに今頃自己紹介?
「え・・・?何で知ってるんですか?」
「わからないんですか?俺ですよ」
そう言って
髪の毛の縛りを解くと髪の毛がブワサァ…!!という音を立てながら広がる
それを見たサジさんは
「え?えええええええええッ!!?? テーヤさんっ!?」
「テーヤてのは偽名です」
「えええええええええっ!!?男性!?女性!?どっちッ!?」
正直うるさいです
「男性です」
俺がそういいながら髪の毛を縛り直す
むぅ、俺ショック・・・
「で、でも・・・なんでッ!?」
「ミルダさんに頼まれて一日潜入してただけです
女性に変装しないといけないと言う事で髪の毛を解いてました」
「か、髪の毛を縛らないだけでこんなに変わるのッ!?」
「・・・そのようで」
もう嫌です
別にこんな顔になりたくなかったのに・・・
そうやって俺をいじめていくんですね・・・
「まぁ、そんな感じだから、一応知り合いですよ」
俺がニッコリと笑いながらそんな感じのことを言った
それでサジさんは混乱しながらも
まだまだ質問をしてきた
それは無駄に多かったし無駄な質問が多かったので省こう
次にミルダさんと話していた
「ありがとうございました」
「いえいえ」
「報酬は受け取りましたよね・・・?」
「ええ、はい」
報酬はちゃんともらったし
もう完全に依頼は完成である
「本当にありがとうございました、行方不明だった人たちもちゃんと戻ってきましたし」
「それはよかった」
それから少し話しながらも
どんどんと時間は進んでいった
ちなみにクオとミルダさんは異様に仲がよく
ミルダさんはクオと仲良く話しをしていた
狼と話せる人間て・・・すごいな
そして
おれは少しの時間だけ寝る事にした
そして次の日の朝には出発である
…というのが二日前の話である
そして俺は夢の中だ
夢の中といっても普通の夢ではない
あの世界
俺がこの世界に来てすぐに入ったあの世界である
「・・・忘れ去られてた・・・、ほとんど役に立てないから忘れ去られてた
私はご主人に忘れ去られてた・・・」
「なんか」「もう」「「いやだ・・・」」
俺の目の前には三人が一列に体育座りで並んでいる
一つ目のコメントでの「ご主人」と
二つ目のコメントの「 」「 」「「 」」のしゃべり方には見覚えがある方は多いでしょう
最初は時々出てきていたが
この頃はほとんど出てこなかった人達
クオと同じで忘れ去られた孤独、三人組の精霊達だ
「いや、本当にごめん
いろいろと忙しかったし、お前達も話しかけてこなかったしで忘れてただけなんだ」
「それはご主人が忙しそうだったからで、私達が話しかけづらかっただけだぞ」
「僕の」「私の」「「親切だッ!!」」
「別に話しかけても良かったって、ちゃんと相手にする事もできたよ」
「ふっ・・・最初のほうはみんなそう言うのさ。ご主人」
「僕達なんて」「前の主では」「「しゃべり方が面倒だからって無視されてたし・・・」」
「いや、本当に悪い
そして双子はそのしゃべり方をやめれば良いだけだ」
「それは」「ぜったいに」「「無理」」
これは本当にめんどくさい
「よぉし、ご主人がそう言うなら手加減はしないぞ」
「・・・?」
「ご主人の魔力を一定以上吸い取れば私たちは実体化できる」
「でき」「るの」「「だぁ~」」
双子さんのしゃべり方が本当にめんどくせぇよ
「・・・ふ~ん」
「何だその薄い反応は?ご主人」
「いや、別にいいけど」
「いいのか、ご主人ッ!!?」
「本当にッ!?」「良いのッ!?」「「・・・驚きでしゃべり方が変わっちまったぜ」」
なんか二人でシンクロしてたのが一回解けたぞ
やめられるんじゃん!
だけど、結局は最後はシンクロしてるけどね
「別にいいさ、表の世界で遊んでればいい」
「おおおッ!!これで見るだけではなく触ったりッ!!体験できたりッ!!」
「これでこの真っ暗だけで」「なにもなくて寂しいだけで地味な世界を」「「抜け出せるんだぁぁぁ~~~!!」」
その地味な世界は俺の心なんだけど
しっかりゲンコツを食らわしてやろうと思う
「いたっ!!」」「いたたたたッ!!」「「いたいいいいいいいいいいいいいいッ!!」」
「まだ片方にはやってないぞ、痛がる真似すんな」
「二人は」「一人で」「「一人は二人」」
「うん、ようするに感覚もつながってるって事か?・・・まぁ、もう片方にもやるけどな」
「ちょ・・・ッ!?」「ま・・・ッ!?」「「ぐぁああああああああああああああああああッッ!!」」
また二人のシンクロ悲鳴が響いた
「まぁ、別に世界に出て遊んできてもかまわないぞ、
その代わり面倒ごとは俺に持ち込むなよ」
「わかっておるよ、ご主人」
「そんな事」「するわけが」「「ない」」
「だったら別にいいんだが・・・」
なんか本当にこの三人を見るのは久しぶりだな
「表の世界に出るのは王都についてからな」
「「「は~い」」」
三人仲良く返事をしている
「じゃあ、俺はそろそろ出るから」
「うむ」
「りょう」「かい」「「です」」
やっぱり双子のしゃべり方は面倒だな
あとで直すようにみっちり教育するか
「ん・・・そだ。クロちゃん」
「犬みたいな名前・・・。なんだい、ご主人」
「今も外の見れて楽しい?」
「ああ、とても興味深くて楽しいよ」
「そか、それならいいよ」
それが最後の会話ですぐにもとの世界に戻り
俺は起きた
ちなみにここは馬車の中
都から王都に行くまでの馬車に乗っている
そして乗ってるのは少しの荷物と
俺とラウとルミとハク、あとはクオ。俺以外はみんな寝てる状態だ
「もうつきますよ、お客さん」
「ありがとうございます」
どうやらこちらを振り返ってこちらをみたようで
俺に声をかけてきた
「むにゃ~・・・徹夜、大好き・・・」
「スゥ・・・スゥ・・・飴♪」
「ごはん!ごはん!もうすぐごっはん~!食べるぞッ!!・・・ぐぅ~・・・むにゃあ」
「グォン・・・ワフッ・・・ガウガウ・・・ワオォォォ~ン、バフッ!!」
これはハク、ラウ、ルミ、そしてクオの順番に眠りながら言っている
なんだこの寝言は、個性的すぎだろ
しかもルミなんて意識はしてないだろうが昔懐かしい「騒音おば◎ん」のリズムだぞ
・・・クオは・・・何言ってるの・・・?
と、とりあえず起こそうか
「おし、みんなおきろッ!!」
「ん、何?私の頭サイズの飴玉は・・・?」
「ご飯の時間~・・・?」
「むにゃむにゃ・・・徹夜の事が大好き!!」
「ガゥ!!」
「おぉし、冷静にツッコミしていくぞ~
まずはラウだ。簡単だな、そんなでかい飴玉はありません
ルミ・・・確かにご飯は近いだろうがまだだぞ・・・
そしてハクだな、お前は俺に抱きついてくんなッ!!
そしてクオは何言ってるのかさっぱりだ」
俺が言ったとおり
ハクは言葉をいい終わった後に俺にヒシッと抱きついてきた
ルミはまだ寝ぼけてるようで反応はしていない
クオについては何も言わない
俺がしっかりと三人を起こし、クオは影に入ってもらう
「もうすぐサラスム王都だぞ」
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