47話 仕事ですよ、仕事
前回のあらすじ
モブキャラ①が現れた!
モブキャラ②も現れた!
冷たい笑みの人が現れた!
「ふぅ~、やっと終った」
もう夜であり、ほとんどの人は仕事は終わり
家に帰っているか、召使専用の宿舎にいるか、だ
それでして
俺はミルダさんに一つの質問
「俺って、どっちなんですかね?家ですか、宿舎ですか?」
「誰が聞いてるかわからないので「俺」じゃなくて「私」と言いなさい」
「私はどっちなんですか?」
「宿舎でしょうね。あなたには寝る間も惜しんで調べてもらいますから」
「人使いが荒いですね、ミルダさん」
「いえいえ、それほどでも」
「ほめてないです、ところで──」
「テーヤさ~ん」
俺が何かを質問しようとしたところで
サジさんの声が聞こえた
「はい?」
「早く行きましょうよ」
「どこに?」
「お風呂ですよぉ~」
そういえばこの領主さんはお風呂とかを作らせているらしい
それを召使さんが使ってもいいらしい
「・・・ッ!?」
俺が助けを求めるようにミルダさんのほうを見る
ミ・・・ルダさ・・・んたす・・・けて・・・
「テーヤさんにはもう一つ仕事があるので、今は無理ですね」
ニコリと笑いながら助けてくれるミルダさん
よくやったぞ!ミルダさん!!
「そうですか、さきに行ってますね、テーヤさん」
「はぁ~い」
そういうと走っていくサジ
う~む、ざんねn・・・じゃなくて何事も無くて良かった~
・・・本音なんか言ってないもん
「とりあえず、仕事してきます」
「え?私は仕事って嘘でいったんですが」
「いいんですよ。仕事ですよ、仕事」
俺がフラフラと歩いていく
え~っと
どうしようかな~、とりあえず部屋の前に来た
部屋には誰もいないようだ
夜なので結構暗い廊下、ということで例の闇がついてるコートでカモフラージュ
「光学迷彩!!」
ちがうか、とりあえず体育座りで待つことにした
なんかさ
一人で体育座りでポツンと座ってるのって寂しいよね
でも、とりあえずこの姿で待ってようと思う
・・・
・・・・・・
(´~д~ …zzZZZ
─ 20分後 ─
「ハッ!!」
遠くからカツン…カツン…という足音が聞こえておきる俺
俺がより一層静かにすると
白衣を着たモノクルオールバック錬金術師が歩いてきている
そしてドアを開けて部屋に入っていく
おれがドアの隙間(指で穴を開けておきました)で中を見てみる
すると
錬金術師が部屋の真ん中のカーペットをめくり始める
そのカーペットをとると
真ん中に青い水晶が床にはめ込まれている
「・・・(『空間移動』用の水晶?)」
前にギルド同士で戦う大会のときに出てきた奴と一緒で
大会のときは数人同時に送る用だったので大きかったが
今回のは1~2人という感じで小さい
そして見ていると
水晶が青く光だし、次の瞬間には錬金術師が消えた
俺が部屋の中に入っていく
「これが青い光の正体か・・・」
どうしよう、少し時間がたってからいくべきか・・・?
うむ、行こう
こういうのは単純な言葉で起動するからな
「『空間移動』」
本当に単純です
すると、水晶が光りだす
「徹夜くん!!」
む?俺がそちらを見てみるとミルダさんがこっちに来ていた
「ああああッ!!!こっちに来ちゃダメだって」
俺が止めようとするも
俺とミルダさん二人を魔法具は『空間移動』させた
すると、まわりは石でできている道になっている
・・・
この石とかを見る限り、まだ領主の城の中だ
隠し通路でもあったのか・・・?
「なんで、ミルダさん来たんですか・・・?」
「光に包まれる徹夜くんを見てつい・・・」
・・・はぁ
帰る方法まではわからないのに・・・
「とりあえず行きますよ」
「はい」
ちなみに俺は部屋に入った時点で服を闇で一瞬にして着替えて
髪の毛を縛りなおしてるので
いつもの俺だ
二人ともスタスタと歩いていく
むぅ~、なんにもないなぁ
そしてまだ歩く
「徹夜さんはなんで冒険者に・・・?」
ミルダさんが口を開き俺に質問をしてきた
え~?何でって言われてもなァ~・・・
「なりゆき・・・?」
「・・・」
「・・・なんか、すません」
「別にいいですよ。なにかないんですか?」
なんだろう
本当のことを言っただけなのに
俺の全身にミシミシとのしかかる威圧は
なりゆきで冒険者になるんだもん苦労はしてないけどさ
あとは~・・・ん~・・・
「あえて言うなら、逃亡・・・?」
「逃亡ですか?」
「まぁ、俺を巻き込む無駄に完璧な奴がいましてね
そいつといると面倒なんですよ、いろいろと
だから冒険者になっていろんなところに行ってできるだけそいつから離れて
みたいな感じかな・・・?」
「それは貴方にとって嫌な人ですか・・・?」
「ん、ああ、とっても嫌だよ」
「それにしては話すときの顔がとても楽しそうですね」
ん?そうかな、俺?
「そうですかね?まぁ、自分でも良くわからないのであまり聞かないでください」
俺がそんな感じのことを言うと
こくり、とうなずいて質問してくるのをやめてくれた
ん~、俺はなんで冒険者になったんだろうな~?
めんどくさいからじゃなかったっけ?他にもある気がする~・・・?
まぁ、わからないからいいや
そして歩いていくと
なにやら部屋が見えてくる
その部屋をソ~っとみてみる
そこには錬金術師がいた
「フヒヒ、フヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ。これで、これで!
やっと見返すことができる!!俺を馬鹿にしたあのクソ野郎どもを!!」
うああ~、完全にトチ狂ってるよ
完全に変な人だよ~
「・・・(私にも良く見せてください)」
そしてミルダさんが近づいてきて
ゴン…!!と壁を間違って蹴ってしまう
結構大きな音が鳴り
錬金術師がギョロッとこちらを見てくる
なにやってんですか、この人は・・・
「そこにいるのはわかってるんですよ!!でてきなさい」
錬金術師が声を張り上げている
「こんばんわ、トチ狂った錬金術師さん」
俺がドアを開けて中に入っていく
ミルダさんもあわてながらも俺の後ろについてくる
「召使をまとめてる女性と見知らぬ男性ですか・・・
何か御用ですかァ??」
「俺がなんのために貴方の後を追ってきたかわかるでしょう?
・・・消えた六人を返していただきたい」
「ふふふ、私の作品を見せてあげましょう」
え?あれ?俺の話しを聞いてた?
男がパチンッ…!!と鳴らすと
まわりから何人かの黒い影が錬金術師のまわりに集まった
「これが私の作品だよ!!本人の意思を無視して体を自由に操れるばかりか
自動的に肉体を強化する!!このときに成人男性3人分の力はあるはずだ!!」
その黒い影は六人の人間だった
召使の服を着ている女の人たちで顔の上半分は仮面で隠されている
そしてその女性達の手には一つずつ武器が握られている
完全に服装と似合わない物騒なものばかりで軽くシュールだ
「なんでこんなものを作った?」
「私を馬鹿にした奴を・・・みか──」
「見返すんですね。わかります、さっき自分で言ってたから聞かなくていいんだった」
さっき、めちゃくちゃ大声で言ってたしね
失礼な事しちゃったかな・・・?(笑)
「・・・殺れ」
あ、怒った・・・
その声とともに六人の召使さん達が動く
次の瞬間に城全体に爆発のような音が響いた
誤字・脱字があればマジで御報告宜しくお願いします