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俺は闇、幼馴染みは光の勇者様  作者: 焼き芋(ちーず味)
第一章 魔王編 物語の始まり
43/270

43話 寂しがり屋の白い魔女

前回のあらすじ

やっとのことで旅出よう

そんな感じで出ようとするとイリル様が「世界の事を学ばせたい」という理由をつけてルミを俺に押し付けてきた


そして次の日

今日はラルドさん達と別れて12日目である

あと二日なのだ

俺が言った期間まではあと二日

もし延びる場合は連絡すると言っておいた

普通に行こうとすれば一日はおくれるかもしれない距離だ

どうしよ・・・

ということで考えてもわからない

ということは連絡して謝るしかない

そして、昨日から泊まった村には

ギルド『空を飛ぶ鳥スカイバード』のギルドのところがあったりして

そこを使って連絡する事にした

ギルドでは前にギルドマスターが俺を逃がすために馬車を用意するときに使った

電話のようなものがある

それは風の魔法の『伝達イトデンワ』というものを使う

魔力の糸が繋がりそのおかげで電話できると言うわけだ

ということで、その電話を借りたわけだ


「・・・ということで、遅れそうになってしまうんですが」


『あ~、竜の国の話はこっち着てから話を聞くとして、大変だったね。徹夜くん』


「ええ、まぁ、大変でした」


『で、他には?』


「一人増えました」


『一人とは・・・?』


「えっと、白竜族のお姫様」


『はァッ!?』


「いやぁ、ねぇ・・・、最後まで竜の国の女王様に良いように使われてる性分でアリマス」


『ん~、別にチームに年齢制限や人数制限は無いから、別にいいけどさ

まさかお姫様を引き入れる、とは・・・』


「いやいや、俺は正当な理由をつけて断ろうとしたんですよ?そしたらイリルさんが

「世の中を学ばせるにはいい機会です」みたいな事を言ってさ、無理やり」


『・・・まぁ、徹夜くんだ。仕方が無いだろう』


「『徹夜くんだ』ってなんですか?俺は常識人ですよ」


『常識人か、闇を使える時点でも異常だというのによく言えるな』


「・・・」


『まぁ、いいじゃないか、楽しそうで。頑張ってくれ』


「・・・頑張ります」

その言葉を最後にプツンッ・・・と音をたてて回線が切れた

ん~、もうやだぁ

ていうか俺たちがいる村って寒いんだよね~・・・

この村あたりに入るといきなり寒くなって

慌ててルミとラウに厚手の服を買ってあげたし


「テツヤ、どうだったの~?」


「ん?頑張れってさ・・・」

ルミが聞いてきたので簡単に答える

ちなみにルミも何故かギルドに入る、というチャレンジ精神を見せてくれる

なぜかラウはライバル精神を燃やして入ろうとするが

さすがに戦闘能力無いから無理、と諦めてもらった

ラウは今も少しガッカリしてる様子だ

こういうときにはドラゲイル王都で買ったアレの出番である


「はい、飴玉」


「・・・!。・・・ぶどう味、美味しい」


「えッ!?武道味!?そんな味あるの!?」


「ひらがなで考えろ、武道じゃなくてフルーツのぶどうだ」

ルミが変な聞き間違いをしてるので、俺が訂正をする

武道味ってなんだよ・・・

今も混乱してるようなのでぶどう味をルミの口の中に投げ込む

すると、やっと落ち着いたようで


「うみゃ~・・・」

と、ほっぺをとろんとさせている

なんか、いろいろと大変だ

ラウはめちゃくちゃ落ち着いてるから迷惑をかけてこないが

ルミは王都から出たのも初めてのようで(空腹で意識を失ってない状態で)

めちゃくちゃはしゃいでいる

金も十分だし、わざわざギルドでなにか依頼を受ける必要も無いので

村からサラスラム王都のほうへ向かって山を越えることにした

するとある老人がいて、俺達が村を出ようとすると


「待ちなされ」


「はい?」


「そっちの山を超えるよりも、迂回して山を越えない道を行ったほうがいいですぞ」


「急いでるので、それは無理かと・・・」

いつもならその老人の話を聞くと思うけど

待たせてるのはあのラルドさん、ニッコリ笑顔でなにをされるかわかったもんじゃない

・・・・ということで、急がなければッ!!!


「そうですか、無理に引き止めるつもりはありませぬ。ただ・・・」


「ただ?」


「白い魔女には気をつけてくだされ」


「白い魔女・・・?」


「この村には冬しかやってきません、それはその存在が邪魔してるからなのですよ

そのせいでここの土地は600年前は豊かだったのが年中冬なせいでなにもなくなってしまいました・・・」


ん~、聞く限りとても危ない存在だな

でも大丈夫じゃないかな?俺の幸運さは世界一品だからな

・・・あんなに巻き込まれまくる俺が幸運なわけないか


「会ったら、逃げますよ」

そういって歩き出す俺

その後に二人は白い魔女について

キャッキャと話しながらついてくる。全然怖くなさそうだ

そして山道を歩いていく

登れば登るほど寒くなっていく


「やっぱり私は白い体の魔物かなにかだと思うわけ」

ルミがそんな事を言い出した


「え~、私は妖精みたいなのだと思う」

ラウの考えはとてもロマンチックな感じでいいと思う

それに対して俺は


「めちゃくちゃデカイ鼻で『フェッフェッフェ』とか笑いながら

デカイ鍋をかき回している老人だと思う」


「「え~」」

なんだいその反応は

魔女と言ったらあの姿が定番だろう!チョコとかクッキーとかで作った

家に住んでてさ!!


「黒い服の少年と竜人のお嬢ちゃんの考えは失礼だけど、

獣人のお嬢さんの考えはロマンチックでそれなりにいいわね

獣人のお嬢さんが一番のアイディアね」


「「ちくしょうッ!!!」」

悔しがる俺とルミ


「やった~♪」

嬉しがるラウ

ふふ、ラウには賞品として飴玉をあげちゃいます


「~♪」

嬉しそうに笑うラウ・・・かわえぇ~・・・

ん?てかさ


「さっきの声だれですか・・・?」


「え?私だよ」

横を見てみると雪の積もった木の横に座っている少女

白い服を着ていて17~18歳ぐらいの少女だ


「だから誰?」


「君達がさっき話していた人だよ。『白い魔女』って呼ばれてるよ」

白い魔女が

キタ――――――――(0д0)――――――――――!!!

こ、これはどうしよう・・・


俺が迷ってると


「ここは通せませんよ~、もし通りたいなら私に一発でも当てられたら通してあげます」

え、それだけでいいの?


「大丈夫ですよ、私には自信がありますから!!」

えっへん・・・と胸を張って威張ってる少女

よし、これはやろうじゃないか


「よぉし、やってやるよ

その自信を木っ端微塵に砕いてやんよッ!!」

俺がビシッと指を指しながら答えてみる


「え、私がやりたい!!」

ルミがこっちに言ってくる


「ダメ~、あんた魔族にやられたばっかでしょが」

えぇ~・・・。とブーイングをしてくるが

関係ない

なんか、変な感じがするからここは俺に任せもらおう


「じゃあ、はじめちゃっていいね?」

俺がルミとラウに後ろに下がるように言うと

ラウは普通に、ルミはしぶしぶ下がっていく


「オッケーです」


「じゃあ、行くよ」

その言葉とともにバッっと駆け出してパンチを放ってくる

顔に向けて放ってきたので顔を横にずらして避ける


「うふふ♪」

そんな笑い声とともに後ろに下がっていく白い魔女

むむ?なんで笑ってるんだ

白い魔女のパンチを繰り出したほうの手

その手はなにも持っていないはずだったのに今は透明な棒を持っていて

その棒からは透明な鎖が俺の顔の横を通って後ろのほうまで延びていた

そしてそれを思いっきり白い魔女がひっぱる

なんか嫌な予感がした

だからしゃがむようにして避けると俺の首があったところを透明な鎌が通っていく

完全に首をちょん切るコースだ


「・・・チェッ!!これにひっかからないなんて、初めてだよ」

そんな声を聞いたけど

今は気にしていられそうになかった

他にあることを気にしていたからだ


「その武器は今どこから取り出した・・・?」

武器を持っていなかったはずなのに今は彼女の手の中には

武器がある。それが何故だかわからなかった


「『白い魔女』ていうのはね、別に私が白い格好をしてるから

呼ばれるようになったんじゃないんだよ?」


「じゃあ、何で呼ばれたんだ?」


「私が「氷」の属性の魔法を使うからさ」

その言葉を聞くと同時に彼女の周りでは大きな氷の結晶がいくつもできる


「氷の属性?そんな属性無いはずだが・・・」

前にも載っていただろうが

この世の中の属性は

火、水、風、土、雷、光、闇、創造、時空

というもので「氷」なんてものはありはしない


「世界には必ずしも一つや二つは『異常』があるというわけさ

あえて言えば勇者も『異常』な存在だ。だけど、もう世界のみんなは

勇者が『異常』だということは忘れている、人々に認めてもらっている証だ

それが当然だということ、認めてもらえないものは『異常』な存在」

ニコニコしながら話を続ける魔女


「私は『認めてもらえない』の方に入ってるけどね

昔は化け物として扱われたときもあるよ。だからこの山に住んで

人と会わないようにしてるのさ」

多分この人は・・・


「あんた、寂しいんだろ」


「・・・あっはっは」

少女は笑う

どこか寂しいように、悲しいように

笑っている


「確かに寂しいよ、私の『氷』は時さえも止めてしまう

私は700年生きてるんだ、

そのうち600年はここで一人で暮らしている、

そんなの寂しくないわけがないよ

化け物と呼ばれた、人と接しようとするのをやめた」

そんな生活を600年も続けてきて

寂しいくない訳が無いだろう


「でも、だからってどうする事ができる?

私の異常な物はどうやっても取り除けない

どうやってその寂しさを取り除く事ができる?

どうやって私の居場所を見つければいいと思う?君はどうする、少年?」


「俺は・・・」

うまくいえそうに無いが言葉を見つけよう


「俺は自分の居場所を見つけるんじゃなくて作ると思う」


「は…?」


「異常な存在を見つけたり、自分の異常さも受け止めてくれるような仲間を作ったり

そんな努力をすると思う。

あんんた700年生きていたっていったけど600年しかここに住んでないよな?

なんでだ?」


「え?最初は私を受け入れてくれた居場所があったからかな」


「どんな居場所だ・・・?」


「二代目勇者御一行とか色々かな・・・?」

えッ!?ここでも二代目勇者御一行ですか!?

と、とりあえず話を進めよう


「だったらそのときと同じような仲間を見つければいい

別にこの世界の人たち全員が異常を嫌ってるていうわけじゃないだろ」


「そんな大変な事したくないし」

こいつ、めんどくさがりやかッ!!


「じゃあ、一緒に行こう」


「は?」


「俺が居場所になればいいんだろ?」


「えええ・・・?いいのかな?」


「別に問題ないだろ・・・.

お手をどうぞ、寂しがり屋のお嬢さん」


「・・・ん」

ニッコリと笑って手を差し伸べると

そこに白い肌の冷たい手が乗せられた


ラルドさん・・・

早速ですがまた一人増えましたよ

勝手に仲間増やしてごめんなさい

マジデごめんなさい、だから許して



「でも、さっきの「俺が居場所になればいいんだろ?」って告白みたいだね♪」←ラウ


「はぁッ!?何言ってんだラウッ!?」


「わぁ、私告白されたの始めて~、私、徹夜の事を好きになっちゃう!!」←白い魔女


「うぉわッ!!抱きついてんなッ!!」


「ちょッ!!テツヤに抱きつくな~ッ!!」←ルミ


「お前も抱きついてくんなッ!!」


そうか、さっき言った俺の言葉はそんなに恥ずかしい事だったのか・・・

不覚・・・




「また賑やかになって楽しくなった♪」

ラウが楽しそうにつぶやいてる言葉は俺を含めて誰にも聞こえませんでした

そしてラウは抱きついてる二人に混ざるべくスキップしながら徹夜に向けて

ロケットずつきをしたのだった


誤字・脱字があればマジで御報告宜しくお願いします

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