37話 白竜の姫と死炎と黒の破壊者
前回のあらすじ
ルミとジールク・ライが戦い
そしてジールク・ライが圧倒的な力でルミを倒す
とどめの一撃を加えようとしたとき・・・
徹夜がそれを防いでいた
「いつの間に・・・ッ!!」
ジールクが驚いて距離をとるように後ろに跳ぶ
「今来たばかりだよ」
俺は普通に答えてルミを抱えて部屋の隅まで運ぶようにする
ルミは傷だらけで、いつもは元気なのに対して、今はぐったりとしていて
とても頼りない姿だ
「テツヤ・・・ごめん」
「謝る理由がわかんねぇよ。あとは黙ってそこで見てろ
それに謝ったとしてもあとで説教は決定事項だ」
俺はルミを隅のほうに寝かせるようにしておき
ジールクのほうに向き直る
「心配するな。完全に無力な戦えない者を殺すつもりはない」
ジールクがこちらを見て言ってくる
「どっちにしてもお前はルミを傷つけてるからな、俺がお前を殺すことは変わらない」
「レーゲンにおいての話は聞かせてもらったよ。
たしか・・・えっと、『黒の破壊者』さん?」
・・・私欲でも殺すことに決定しました
恥ずかしい名前読んでんじゃねぇよ・・・
「『魔界六柱』がNo,5。『死炎』のジールク・ライが
『黒の破壊者』さんを倒させていただこう」
「俺は徹夜だ。さっきも言った通りお前を殺す、ただそれだけだ」
そして戦闘が始まる
「オラァッ!!!」
そんな声とともに回し蹴りをくりだす
それをジールクはバックステップするようにしてよける
そのあと何回もパンチを繰り出すがうまく避けられてしまう
「スペックが異常だが、経験は少ないな、人間と戦う事に慣れた俺を相手にするのと
魔物と戦う事に慣れた冒険者を相手にするのでは少しばかり違うぞ」
確かにそうかも知れない
同じような実力で、さっきの人間相手専門と魔物相手専門が戦ったら
魔物相手専門が負けるかもしれない
だけど、いまは
そんなことは・・・
「そんな事はどうでもいい、俺はお前を殺す、それだけだ!!」
「怒ってるね~・・・」
二つの剣を鞘から抜き、何回も振るう
相手も剣で防御をするが
相手は一本、こっちは二本、手数が違う
「・・・チッ!!!」
ジールクが手をこっちにかざす
嫌な予感がした
だから、追撃をやめて横に飛ぶようにしてこの場を離れる
すると、後ろで爆音が聞こえ
振り返ってみると今まで立っていた所が爆発している
「『火の球』!!!」
俺の手の上に火の球を造り
それを投げつける
「俺の炎より熱い炎なんか無いさッ!!!」
そいつが手をかざすと
火の球が紫の炎によって焼かれる
「炎を焼く炎ってどんだけだよ…」
むかつくなコンチクショー!!!
黙って殺されればいいものをッ!!!
「せぇいっ!!」
床に思いっきり拳をぶるけて床を割る
割れた床では相当のでかさの破片があり
「おおオォォォらああアアァァァァァァァァ!!!」
それを思いっきり投げつける
「ッ!?馬鹿力がッ!!!」
その大きな破片も爆発により木っ端微塵に砕かれる
「殺されろッ!!!」
その壊れた破片の後ろの死角から
爆発で砕けると同時に飛び出す
そしてジールクに目掛けて剣を振るう
「断る!!!」
そんな言葉と同時によこに飛んで
俺の攻撃から逃れた
チィッ・・・!!!めんどくせぇッ!!
さすがに地下だから本気は無理だ。
だから3割程度に抑えよう
「『地獄の炎』!!」
俺の指の先からライター程度の大きさの炎が噴出し
それがジールク目掛けて飛んでいく
「強力な火の魔法かッ!!!『死する炎』!!!」
紫色の炎の小さな球が三つでき
それが回転しながらこちらに向かって飛んでくる
そして俺の魔法とジールク・ライの魔法がぶつかる
次の瞬間には
聴覚が飛びそうなほどの轟音が響き
一㍍先でさえ見えなそうな煙幕が舞い上がってる
「『空気物体』」
俺の目の前に空気で壁を作る
すると同時にその壁が衝撃をうけた
たくさん紫色の炎の球が飛んできている
「まさかさっきの魔法が打ち消されるとは・・・」
いくら3割といっても結構な威力だったのになぁ・・・
火系の魔法じゃだめなのかな・・・
その間にも火の球はとんできている
空気の壁の魔法を解いて
「『風の刃』」
複数の風の刃がとび火の球を切り裂き
火の球が爆発し、その爆風に乱され消える風の刃
その間に正面に向かってダッシュし距離をつめる
さして完全に煙幕が消え、ジールク・ライがいる
その両手は紫色の炎をまとっている
次の瞬間には
ゴキィィィィィィィィィィィ…ッ!!!という音が響く
俺の拳とジールクの拳がぶつかり合う
「あつっ・・・!!!」
あわてて後ろに飛んで距離をとる
まぁ、相手の拳は炎をまとっているから当たり前なんだが
とにかく熱かった
よし、じゃあ俺も真似しよう
ポケットに手を突っ込む、その突っ込んでいる間に闇で手袋のように
手を包む、そして手を出して見てみればかっこいい手袋のようなものがある
かっこいぃぃッ!!!
・・・まぁ、それはおいておこう
そして、両者ともに動く
それからはほとんど元の世界と同じような殴り合いだった
殴り
「いてぇッ!!」ちなみにこれはジールク・ライの声
殴られ
「あつぅッ!!」ちなみにこれは俺の声
そして
「「熱い(痛い)んだよ、この野郎がアァァァァ!!!」」
二人の拳がぶつかり合い
両者とも5㍍程度吹っ飛ばされる
「「絶対にお前を倒す!!!」」
二人して相手をビシッ!!指差して大声で叫んでいた
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