34話 俺と戦艦とアイアンクロー
前回のあらすじ
いつもどおり、さぼり・・・じゃなくて護衛をしていて
今日も一段層へ買い物へ行った
ただ最後に帰ろうとしたら色々とめんどくさい事になった。
目の前に突然現れたのは魔族の兵器
これはどういうことだ・・・?
なぜだ、俺の行く先に魔族が関係してくるのは何故だ
ふぅ~、
ん?さっき爆発音、目の前の状況
それなのにみんなは何故混乱しない?
目の前には住んでいた人たちは混乱する事もなくぞろぞろと歩いている
その住人の眼を見てみると光がなく
感情のない表情、この緊急事態と言っていい場合には
不自然でしかない
『あ~、疲れましたぁ・・・都市全体に魔法をかけて住民を誘導するのは
この老体には骨が折れるですぅ~、おかげで魔法使用中は動けませ~ん』
その時に頭に響くように幼い女の子の声が聞こえる
これはこの国で一番えらい王女様の声だ
老体って・・・見た目は幼女だろ・・・
「イリル様・・これは・・・?」
ルミが声でたずねている
むむ、対話できるのか?
『あはっは~。時空と創造をつかさどる竜はこんなこともできちゃうんですよ~
とりあえずルミちゃんとラウちゃんと護衛二人は今すぐ避難してくださいな~』
「え?テツヤは・・・?」
ルミがそんなことをきいていた
ああ、俺も思いましたよ、何故俺の名前が出てこないか
はぁ~
『徹夜くんには追加でお仕事です』
人使いが荒いなぁ・・・
『もう迎撃に出てる竜人もいますし、あとは徹夜君たちの目の前のやつらだけです
住民の避難するのに他の兵たちは使ってるので十分実力を持ってて空いてる兵士が
いないんですよ~』
違う方角の戦艦のほうをみてみると戦艦一組に対して竜が10体ずつ
迎撃に向かっている様子だ
はぁ~、どうも嫌だな
『そういえば、あなたの捕まえた闇ギルドの連中、消されてましたけど
どうやらこれに使おうとしてたんでしょうね。人質にでも使おうとしてたのかな?』
あぁぁ!!
めんどくさい、めんどくさい、めんどくさいッ!!
やるしかないのかな~
やるしかないのかな~・・・ッ!?
『追加報酬を出しましょう』
「任せてください、イリルさま!!」
『相変わらずですねぇ~・・・』
あっはっは~・・・と笑っている
いいじゃないですか、別に
俺は俺なんですもの、
「徹夜、大丈夫?」
ラウが心配そうに見てくる
その頭を撫でながら
「大丈夫、大丈夫
ロイルさんマイアさんちゃんとラウを安全なとこまで連れて行ってくださいよ」
「任せてください」
「心得た」
それぞれ返事をしてくれる
「ちょッ!?もう一人でやるって決まってるみたいだけど
大丈夫なのッ!?私も手伝うよ・・・?」
これはルミだ
心配してくれるとはこちらもいい人ですな~
「俺より弱い奴に心配されたくないな~?」
俺がニヤニヤしながらも
冗談を言ってみる事に~、まぁ弱いのは本当だが
「な・・・ッ!!」
それを聞いてめちゃくちゃ反応してるルミ
冗談なんだけどな~
「とりあえず行きますよ、ルミ様」
「仕事を増やさないでください。昼寝だ、なんだかんだじゃすみませんよ」
マイアさんとロイルさんが手をがっちりとつかんで
違う所に連れて行く
お役目ご苦労さん
「ではでは、俺の仕事ですな」
そんな事をいいながら
結構なスピードで四隻の空中戦艦に向けてダッシュする
「う~ん、あれはどのぐらいボコボコにすればいいんだ?」
『徹底的にお願いします』
俺が疑問に思っていると
イリルさんが答えてくれる
ふむふむ、おっけ~
『ぶっ壊せる程度に力を出してください。住民はほとんどは今の事を
詳しくは覚えていません、他の人に隠しておきたい力があっても
使って結構です』
ははは
結構お見通しですなぁ~・・・
目の前の四隻の主砲がギチギチと動いてるように思える
次の瞬間複数の爆発音が響き
十数発の砲弾が飛び出している
その方向は当然都市でまだ避難してない人がいる
「っ!!弾幕だな・・・『火の球』×50だァ!!」
わざわざ一つずつ狙うのはめんどくさいので
簡単に火の球で弾幕を造らせていただく
砲弾は火の球にあたり爆発して消える
残りの火の球は空中戦艦にぶつかって爆発するが特に大きいダメージはなさそうだ
くぁ~・・・ッ!!
魔力がぁぁ・・・
疲れるなぁぁ~~~・・・
どうやらさっきのでこちらを認識したみたいで
こちらを狙っているのがわかる
爆発音が響き
次の瞬間にはすごいスピードで砲弾がこちらに迫ってくる
「にゃはははは!!!無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァァァッーーーッ!!!」
それらを全て両手に持った剣で
はじき返していく
正直なところ手がジンジンするけど
今は気にしてはいけません
『本当に・・・人間なんですかね~・・・?』
一番すごそうなあなたにそんなこといわれたくありません!!
何百歳も生きてるのに人間の姿が幼女のあなたになんか
言われたくありません~~~ッ!!!
「もっと、もっとだァァ!!俺を楽しませてくれェ!!」
『なんか妙なテンションになってませんか?徹夜さん?』
気にしません
変なテンションで変なキャラになっているんだろうけど
俺は絶対に気にしません
気にしない、気にしたくない、気にするわけがない
四隻の戦艦の中の一つで紫色の光が見えた
次の瞬間にはぶっといエネルギーの塊のようなものが
こちらに向かってとんでくる
あれです、ゲームでもあるような
チャージすると出せるエネルギー砲みたいなものです
「あれはちょっとやばいかな・・・」
俺がそんなこと言ってる間も近づいてくる
「『闇』よ・・・。食らえ」
俺が手をかざすと足元から闇が広がり
こちらに向かってきたエネルギー(ここは魔力と言えるのかな?)を
飲み込んでいく
闇は、全てのエネルギーを食らっていく
そして食らい尽くし、エネルギーの砲弾は一時的にだがなくなる
その間に急接近だ
「人間投球とでも行きますか」
その声とともに闇で俺の体をつかみ
持ち上げさせる
そして力をためて~
投げました~~♪
とりあえず手を目の前でクロスさせて防御の体勢
「んごごごごごッ!!風の魔法で保護しとけばよかった・・・ッ!!」
飛ぶ
飛ぶ
飛ぶ
そして戦艦に激突した
・・・痛い、
けど、俺は潰れないで
反対に戦艦のほうの装甲が貫かれる形になった
まぁ、とりあえず接近完了♪
「なんだァッ!?今のはッ!!!???」
そんな魔族の声が聞こえた
モブキャラ程度だろう
「ヤッホォ~・・・」
「ッ!!!???」
俺は挨拶の言葉と同時にその魔族の顔面を
アイアンクローのように鷲づかみにする
次の瞬間には
「…わるいね」
握り潰した
当然相手の顔はグチャグチャになり
俺の手は血で真っ赤だ
まぁ、それはあとで手を洗うとして
「さて、まずは一隻めを落とそうじゃないか」
誤字・脱字があればマジでご報告宜しくお願いします




