表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺は闇、幼馴染みは光の勇者様  作者: 焼き芋(ちーず味)
第三章 セカンドワールド 堕勇と勇者の戦争
270/270

END (´・ω・`)ノシ

今回、小説内での文字数がトップ。今までは8000を超えませんでしたが…今回は超えてしまいました。

最後の〆が『これでいいのか?』と思いましたが、まあ…俺の小説なのでいいかなぁ、と。


誤字・脱字があればご報告よろしくお願いします。


次の瞬間には拳と蹴りがぶつかり、蹴りを放った方の人間が吹き飛ばされた。

そして……吹き飛ばされた人間は、定番ではあるが…空中でくるりと回り足から地面に綺麗に着地した。


「……暇だな」


「だな~」

吹き飛ばされた人間…瑞穂の言葉に、吹き飛ばした人間…徹夜こと俺が簡単に答えた。

結局は異世界でたむろっている俺たち。…カントクからは放課後のみOK。やる事がない時は授業は欠席してはダメ、ちゃんとした高校生活を送るように、との事だ。


今までこき使っておいて調子のいいことを…と思ってしまうのも仕方がない事だ。

まあ、カントクのいう事聞いておけば…多少、故郷の世界で問題をやらかしたところでもみくちゃにもみ消してくださるので、言う事を聞くしかあるまい。

奈菜は、まだそれなりに仕事があったりするのだが…俺は少なくとも暇。瑞穂は今日は和馬が王子様の護衛担当なので、瑞穂は暇なのだ。


正直、堕勇もいないんだから護衛する意味ないけどね。



「…帰るか」


「おう、じゃあ俺は適当なことしてから帰るわ。じゃあな」


「おう」

瑞穂と別れる俺。

ちなみにちゃんと説明しておくが瑞穂が帰るか…と言って、俺はちょっとこの世界で寄り道をしようというわけだ。

まあ、何か食べるモノでもこっちの世界で買おうかね。


そんなこんなで、歩き始める。


「あれ、徹夜君。瑞穂は?」


「ああ、今さっき帰ったよ」

そんなときに要が走ってきた。


「ああ、もう!! なぜか知らないけど王子様が呼んでるのに! …ありがとう徹夜君。瑞穂が帰る前に呼び止めないといけないから」


「おう、頑張れ」


「じゃ、またね」

俺の横を通過して走っていく要。


要は今現在も神官担当の勇者様。やはりやることは少なく、アイドル様の仕事に集中できているそうです。

前よりも、雑誌やらで見ることが多いので本当に人気らしい。


「…な~んか、マジで暇やわな」

そんなことをぶつぶつと呟きながら歩く俺。ぶつぶつと呟きながら歩くのも暇だからこそできることなのだが、今までそれなりに忙しかったので、珍しくブラリ一人散歩ができなかった。


とりあえずは、暇だし一人一人何しているのかを見に行ってみるかね。

瑞穂と要は大体理解したし、和馬はなにやってるのかわかるが…まあ、一応見に行くか。

そういう事で、やることを決めたので…ボチボチ歩き始めます。


「おう、炎。なにやってるん?」


「ん~? 特になんにも」


「特にちゃんとしたことをしてないっちゃあ、してないが……俺的には気になるわな」

俺の目の前には炎。

その炎は俺に本を渡した少女の頬をつまみ、左右に広げるように引っ張っている。

それなりに力をいれているのか、少女は微妙に涙目になりながら炎の手がこれ以上引っ張らないよう抵抗しているが、俺が見る限り無意味だ。

この描写で想像すると可愛いように思えるが、見ているとそんな生易しそうなものではない。

あえて、描写せずに可愛い光景として読者には勘違いさせておこう。


読者ってなんや?



「…いい加減に俺に付きまとわなくていいといってるのに、付きまとうから痛め付けてる」


「言い方が悪くて炎がただのクソ野郎に見えるわ。

もうちょっとちゃんとした言い方に直しなさいな、マジでさ」


「ぐへへ、このオンナの頬を引っ張り苦しむ姿を……続きの言葉が思い付かないな」


「別に無理して変なキャラを演じなくていいから、それに声に感情こもってないから棒読みみたいなんだよ。

偽物でもいいから感情込めろ、感情」


「…徹夜は、俺の事を知ってるんだろ。だったら、別に昔の俺を演じる必要もない。

ここには、俺とアルと徹夜……俺がなにかを失っていると言うことを知らない人間はいないのだから」

炎が真面目な顔で俺にそんなことを逸馬手来ているが、その横では助けを求めるような目でこちらを見ている少女がいる。

目をそらそう。


「ふぅん、そういうのは炎が判断するものだが……俺は炎が演じていた炎しか知らないわけだし、少し違和感がな」


「…ま、考えとくよ」


「おう、そうしとけ」


「……」


「………」

俺も炎も黙ってしまい、少女の呻き声だけが、この場に響いている。

特に話すことがない。


「じゃあ、俺他のところにいくわ」


「またなぁ」


「むひひないふぇ、ふぁふけてっ!」

少女の良く意味がわからない言葉が聞こえたが、内容が理解できなかったので、とりあえず無視して助けないことにした。


まあ、そんなこんなでこんちゃこんな!(意味不明)

なんとなくボチボチ歩いていると兵士などが訓練するための大きな広場へと出た。

ちなみに今更ではあるが、美月さんはちょっとした用事があり、居ない。

多分、美月と合流したら帰るだろう。


「オイッス、和馬。なにしてんの?」


「よぉ、徹夜」

そこにら和馬がいた。

その和馬は腕組みをしながら、テキトーなものに腰かけており、その目の前ではある男の子が『うぐぐ…』という感じで呻き声をあげながら、腕立て伏せをしていた。


「なにしてんの?」


「訓練」


「いや、それはわかるけどさ」


「徹夜はほぼ始めてみるだろうから説明するが、この人は一応この国の王子さまだ。

誰だか知らないけど、ある人に認めてもらうために体を鍛えたいんだと……恋するなんとかってやつか?」

ほおほお。


「王子様が鍛錬とかえらいな。俺だったらだらだら生活して終わりそうだわ」

実際、王族だからと言って楽ができるわけではない。

王になるという事は国をダメにしないためにさまざまな技術や礼儀、そしてほかのモノに見られて恥ずかしくないような体、そんなものが必要だ。

なので、王子さまが王になる前にやることは学生とほぼ変わらない。あえて言ってしまえば、礼儀などのモノや貴族に対しての考え、人を纏める事をできる限りマスターしなくてはいけないので絶対に辛い。

人を使えるから楽できるというわけではなく、人を使うからこそ苦労が必要なのだ。


…そんな感じであってんのかな、これ?


「ま、王子様も和馬も頑張れ…俺はそろそろ別の所に行くわ」


「じゃあな」

俺に別れの挨拶をした和馬は王子さんにさらになにかを指示している。王子様筋肉ムキムキプロジェクトを和馬は進めているのだ。

まあ、再びボチボチ歩き始めますか。


ちなみに里稲は完全に異世界への出入りは禁止。

なので、ここを歩いていても里稲には絶対に会う事は出来ないし、会っても特に話すこともないので問題はないだろう。

最後の一人である奈菜だ。奈菜の居場所は分かっている。


「また、ここでさぼりか…お前は」


「だってしょうがないじゃん! なんか、今回の堕勇とも最後の戦いで色々と被害が大きくて色々と面倒だったんだもの!

嫌じゃん! 本当に面倒なんだから!」


「どうでもいいから、仕事しろ」


「徹夜くんは仕事がないからって! ボクは苦労しているのに!!」

そんな奈菜は楓や美咲、そして唯時が居る部屋。そこでずっとたむろってるんだ、この不良は。


「あ~、でも魔法具作り直さないとなぁ……」

たぶん、これは十字架のデザインをした魔法具である槍であろう。戦いの時に粉々に砕け散ってしまったので作り直さないといけないのだ。

この頃の奈菜は本当に忙しそうなので、魔法具も作り直す暇がないほどなのだ。正直、俺だった場合奈菜よりもさぼりまくると思う。


「まあ、さぼってるだけだと……仕事は山のように積もっていくからね。必ずやらないと、さ……」

遠い目をしておられる。

ちなみに俺と奈菜以外に、この部屋には支配の魔法をかけられ堕勇だった三人が居る。つまりほんっとうに煩いわけだが…俺の耳には防御機能がある。

煩いやつらの声は、無視することができる。(面倒だから描写したくない、なんていう事は秘密だったりします)



「あ、徹夜。帰ろうよ」


「おう、お主は美月ではないか。お主のやらなければいけない用事はおわった…のかえ?」


「徹夜くん、いきなり変なキャラにならないでくれる? いきなりすぎて美月ちゃんじゃなく、ボクがビックリしたんだけど?」


「……すんません」

奈菜に怒られた。


「奈菜ちゃん、今日もさぼり?」


「………もう、本当に心にグサリグサリと刺さってくるね」

やめて、奈菜さんのライフはもうZEROよ!


「まぁ、とりあえず徹夜くんも美月ちゃんもまたね」


「おう、じゃあの」


「またね、奈菜ちゃん」

俺も美月も奈菜に別れの挨拶を済ませて、そのまま歩き始める。

テキトーな会話をしながら俺と美月はそのまま元の世界へと戻れる扉に入る。この頃の奈菜が忙しいようにタベも忙しくなっており、扉の前に張り付いていることが少ない。

丁度、タベが居ない時に来てしまった。


最後だというのに…残念だな(メタぁ)



 ─  ─


まあ、そんなこんなで電車に乗り今は電車をおり……俺の家に向かってる途中であったりする。

いつも思うが、なんで美月さんは俺の家に来るのですかね? 別に美月の家でも良い気がするが…今更になって美月の家っていうのもね…。


「徹夜、手つないでよ」


「お前は子供か、嫌に決まってる。絶対に無理無理」


「え~……なんで無理なの?」


「別に理由はないが…」

じゃあ、いいじゃん…という言葉を漏らした瞬間には美月が俺の右腕に抱き着くようにしてくっついた。

他の人間からはただイチャイチャしているだけに見える光景。


だが……



「…ッ~!!」


「え!?」

あからさまに俺の顔が苦痛を感じた時のモノに変わり、それに驚いた美月は結構速い速度で俺から離れた。


「え、なにッ!? 大丈夫、徹夜!?」


「……気にしなくていいよ、美月。別に何でもないから」

心配そうにしている美月をほっといて、できるだけ早く家に帰るために歩く速度を速める。それに美月は合わせるようにする。


「なんか、徹夜…隠してるでしょう?」


「別に何も」


「本当に?」


「本当に。もし俺が嘘ついてるっていう事実を美月知った場合……まあ、なにをされてもいいし、何をしてやっても…どんな事だって言ってあげてもええのよ?」


「徹夜、言ったね? 録音したから」


「おう、言ってやったよ……というか、美月は録音する機械をいつの間に準備してんだよ」

そんな感じで俺と美月は話していると、すぐに俺の家に着いた。俺の家の扉を開き、それに続いて美月も当然のように入っていく。

美月は今日、真くんとゲームする約束をしていたりする。


「あ、テツ兄…お客さん来てるよ?」

最初に会ったのは妹である栞さんだ。

ちなみに再び今更の説明だが、もう大体のメンバーの包帯はとれている。なので、栞さんも包帯はまいてはいない。


栞は美月の弟である冬日関係で美月や徹夜といろいろなんか気まずい何かがあったようだが、それもおさまってきており栞は地味に安心している。


とりあえずお客さんというのを見に行くか。

客間…はうちにはないなので、リビングだな。リビングのドアをあけると母と話し込む二人の男女がいた。

一人は白い髪のロングヘアーの女性、そしてもう一人は灰色の髪をした男性。20~30ぐらいだ。


「あ…美月ちゃん、徹夜おかえりなさい」


「美月はおかえりなさい、ではないだろう」

他の家の人間を勝手に自分ちの人間に変えるな。


「いいじゃない。どうせ、将来は……というのは置いといて徹夜、おじさんとおばさんに挨拶しなさい」


「こ、こんにちは……というか、誰?」

見たことがない…それに、日本にあの都市で白い髪とか灰色とか居ないだろ。他人なら『~~さん』と呼ぶのが普通だが…どういう事だ?


「は? 何を言ってるの徹夜。遠くはあるけど親戚で、前に一度会ったことはあるでしょ」


「ん、んんんん…?」


「それに、真くんの親なわけだし…私の家に預けに来た。って、その時は徹夜は居なかったんだっけ?」

ん~? え、あ~……はァ!?


何を言ってるんだ? この母は? 真くんの親? それは暴走しこの世界に迷い込んだ神である真くんには普通存在しない。

しかも真くんは預けられたのではなく、俺が何となく拾ったのだ。いや、拾ったっていう言い方はどうかと思うが…なんか違うぞ?

後ろでは美月もよくわからない、という表情になっているが…特に何か言うわけでもなさそうだ。


「何を言ってるんだ? 真くんは…」


「景山さん、徹夜くんと私たちが会ったのは徹夜くんが小さな時ですし覚えているほうが可笑しいですよ。それに、私たちが真を預けた時は、徹夜くんは居ませんでした」

俺の言葉を遮るように白髪の女性がしゃべる。

それに続くかのように、灰色の髪の男性が立ち上がる。


「真もお世話になったようですし、少し徹夜くんたちと話してていいですか? 徹夜くんにプレゼントしようと持ってきたものもありますし」

男性の言葉に母はどうぞどうぞ、と言うと…どうやら女性も来るようで立ち上がる。

男性に俺は肩をつかまれる形で俺の部屋がある二階へと押されていき、美月は女性に押されている。


まあ、そんなこんなで俺の部屋。

俺の部屋には真くんが一人、グータラグータラしている。


「私は『生』を司る上位の神。よろしくお願いします、二人とも」

白髪の女性。


「俺は『死』を司る上位の神。今回は少しやらなくちゃいけない事があって来たんだ」

灰色の髪の男性。


ふぇぇ、なんか変な大物がきたよぉ……うん、俺キモイな。


「あまり納得できない気がしますが…なんで、こんなお家に大物様が来たのでしょうか? そして、神って強すぎる力だから世界壊れるんじゃ?」


「この世界は私たちが入るために、今現在は二人の最上位の神が強化し壊れないようにしています。

そして今回は…最上位の神であり私たち二人の生みの親である真様のことで来ました」

真くんが司る力は『命』…そこから生まれたのが生と死というわけだ。


「俺たちが来たのは、ちょっとした世界への干渉の説明だ。

先ほどの景山さんの会話を聞いて可笑しいと思ったことはあるだろう? あれは俺たちが無理やりに干渉して、少しばかり真様に関する過去を変えただけだ」


「ほ、ほぉ…」

神様はやることが大きい。


「ですが…さすがに魔力を多く持っている勇者などへの記憶の干渉は世界への負担が多すぎます。なので、徹夜くんや美月ちゃんへの記憶の干渉はやめて説明しに来たわけです。

なので、真様を知る他の勇者の方々への説明をしてくださるとうれしいです」


「恐れ多い事ではあるが…俺たちが、真様の両親。そしていつも外国に居て、真様を連れて行けない用事なので預けている、という設定だ。

今回は一応様子を見に来た、という事で…真様のこの世界での記憶へも干渉しているので問題はない」


「真くんって一応最上位の神ですよね? 干渉できるんですか?」

美月の質問。


「真様の魔力はほとんど誰かが吸っているおかげで、少しだけしか現在は持っていない…それが完璧に戻るのはおそらく人の寿命を最大限まで使っても不可能。

しかも、この世界に入る瞬間に真様は自分で無意識に人の体を作ってしまっている。今の状態だと、ただの人間。

ならば、人の人生を全うしてもらってから神の世界に戻ってもらうしかないだろう…記憶もほとんどないわけだしな」


「…ほ、ほうほう」


「まあ、これは二人の最上位の神の判断です。

真様が、こちらで楽しそうに生活をしているのを見ての判断ですが、誰も反対していません。なので、これからも真様をよろしくお願いします」

ぺこりと頭を下げる二人……か、神様に頭を下げられたぞ!!


「あと……徹夜くんには少し私たちの方でやらなければいけないことがありそうなので」


「む?」

疑問の声を上げた俺の服をつかんだ灰色の男性は(『髪』を入力するのダルくなった)そのまま俺の来ている服…腕のあたりを引き裂いた。

その腕はあるラインで赤く腫れている。


俺が家に帰る前に美月に抱き着かれた場所だ。


「徹夜、それ…」

驚いている美月に苦い顔をすることしか出来ない俺。


「それは自分の体に混ぜ込んだ闇を完璧に取り除くことができずにいる証拠です。光属性の魔力が強い美月さんに触られたから拒絶反応をおこしているんです。

今回のこれは徹夜くんへのお礼でもありますよ」

白髪の女性が、その腕を軽く触ると赤く腫れた皮膚は元に戻り…それと共に体全体から闇がプワリと抜け、消えていった。


「あなたの中にいるリヤナという魂の者は、転生する前に闇属性の神に少しばかり教えを受けていました。

ですから、一発で取り除く技術はありませんが…最終的には闇を完璧に取り除くことは可能ではあるでしょうが最低でもあと一か月はかかります。それでは光属性を持つ美月さんがいつも近くにいる徹夜くんにとっては不都合の方が多いでしょう。

だから、治して差し上げることにしました」


「……あ、ありがとうございます」

やばい、美月の方を見ることができない。


「これも、真様を助けてくれたお礼だ。…ま、という事で徹夜くんたちへの話もほぼ終わり、だから景山さんと少し話たら、俺たちは帰る。

これからも…できたら真様を守ってくれ、負の感情を取り込むのを抑えているようだがソレでも悪用される可能性はある」


「頑張ります」

俺がそう返事をすると、では…と言って二人とも、それに加えて真くんも抱えて俺の部屋から出ていく。

お、おう…わかってるじゃないか、お二人さん。

ちなみに真くんの手首には魔力を流すと見えるようになる変なマークがある。それは奈菜が作った魔法具なのだが、いつも何かアクセサリーをつけているのは、さすがに不可能という事なので人の肌に張り付く魔法具を作ったのだ。

これで負の感情を取り込むのを防いでいる。


そんな事は置いといて…



「…徹夜」


「………すみません」

何かを理解する前に俺はそんな言葉を美月さんに向かって言っていた。

美月は絶対怒っている、俺は隠し事をしていたのだから。

俺がギギギギ…という音を立てながら振り返ると、そこには凄まじい形相の美月……ではなく、完全に嬉しそうな美月がいた。


「…は?」


「徹夜は言ったよね? なんでもしていいし、してやってもいいし…どんなことでも言ってやるって?」


「…あっ」

察し。


だ、だから…こんなにも笑みを深めていらっしゃるんですか~!! 実際最初は怒ってたんだろうけど、途中で俺の言葉を思い出し笑顔になりやがったなコイツ!?




「徹夜、私のことは好き?」


「…さぁ?」


「いいじゃん別に、そんぐらい言ってくれも…前にも馬車のなかでも言ってくれたくせに」


「聞こえてたんか、アレェェェ!!」

(第一章、番外編の最後を見てくれるとわかります)


「思ってることを言ってよ……徹夜は、私のことが好き?」


「……」

…ひぃぃぃぃぃ。


「言ってよ、徹夜」


「…す、好きだよ」

ああ、なんて……恥ずかしい、のだろうか(作者と徹夜の心情)


「本当に?」


「…本当に」

やばい、俺…死ねる。


その次の瞬間には美月の顔が目の前にあり、それに反応できずに固まっている俺の唇になにかが当たる、俺の目のすぐ近くには美月の顔が…(作者…マジ悶絶)

へ…? という声が漏れただろうが、それは当たっている何かのせいで言葉として外に出ることはない。

そして俺の唇に当たる感触が消える。それと共に美月の顔も少しではあるが離れていった。



「私も、好きだよ……徹夜」

美月は、俺を見つめながら…そう、呟いた。

その時の美月の顔は…なんというか、本当に嬉しそうで、今までで一番の笑顔。普通の時の顔でも十分に人の視線を集める美月。

そんな美月の今までの表情でも、一番と言える。


そんな美月の表情に少しばかり見とれていた俺の口はゆっくりと開く。

正直、頭がボーとして何をどう考えているのか、よくわかっていない俺だが……何故か美月を今までで一番強く、美月を傷つかせない程度で、抱きしめていた。



「二回目を言う必要はないけど…本当に、好きだよ」

暖かい……この暖かさが永遠に続いてくれればいい、そんな事を思ってしまった。

予約投稿した日付 12/15 17:11(あくまで予約投稿した時間に確認したので、変わる場合もあります)

文字数 922,771文字 掲載期間 約1年11か月

感想 296件 レビュー 0件

文章評価 平均:5pt 合計:683pt ストーリー評価 平均:5pt 合計:722pt

お気に入り人数 2700人

総合ポイント 6.805pt


今まで、ありがとうございました。

番外編アイディア募集の時の『徹夜くんをデレさせろっ』という案をいただき、だったら最終回でやればいいじゃない…という事でこうなりました。ちゃんとデレることができましたでしょうか?

ポイントなどは全体からしては少ないほうでしょうが、俺にしてはよく頑張ったな…と思っています。

最後まで読んでくださった読者様もご苦労様です。楽しめていただけたのなら、嬉しいです。

文字数も多くなってきましたし、終わりにさせていただきます…みなさん、さようなら(´・ω・`)ノシ ←少し悲しい

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ