27話 竜王女と竜人と俺のイライラ
前回のあらすじ
起きない少女は白竜のお姫様で
竜王女とよばれるひとにあって
その人(竜だけども)は・・・
まさかのロリ容姿だったッ!?
「いらっしゃい。人間と犬の獣人のお嬢さん
ルミを助けてくれてありがとう」
何故だ
何故なんだ・・・?
何故よりにもよってロリ容姿・・・?
普通あり得ないだろう
この世界って怖いわぁー・・・
もしかしたら魔王も子供かも・・・そんなわけないか!
「人間のあなたのお名前は?」
俺がぼ~っとしてる間に質問されていた
「徹夜です。徹夜、景山です」
つい敬語っぽくなってしまう
幼女の姿なのに威圧のようなプレッシャーのような何かがひしひしと感じられる
そして雰囲気も違う気がする
あまりにもアンバランスな人(竜だけども)だ
「『ドラゲイル』にようこそ、歓迎しますよ、徹夜くん。そこの犬の獣人のお嬢さんは?」
「・・・ラウ・バーン」
緊張してるようで少したってから返事が返ってきた
それを察したようで
「ラウちゃん緊張しなくていいですよ、私は堅苦しいのは苦手ですから」
ニッコリ笑ってそんな事をいっていた
「おっと、私の紹介がまだでしたね。私はイリル。 イリル・ドラゲイルです
一応、何千年も王女やってます」
イリル・ドラゲイルって言うのか
う~ん、何千年といいながらあの姿って・・・
「いや~。いい加減成長してもいいでしょうにね~」
すると、王女様がそんなことを言い出す
心読まれたッ!!
「正直これだとみんな驚くから嫌なんですよ」
そんな悩みまで言い始めた
そしてまだその話を続けようとしていたらしいがハッと何かに気づいた
「今の問題は誘拐した犯人ですね。」
そういうと横に並んでいた大人たちの中の一人にいた
たぶん竜人の男に向けて指示を飛ばしている
多分俺が自衛団に預けている奴らを引き取るかなにかするんだろう
「別に明日でいいですのでやっておいてください」
「ハッ!」
それが最後の指示だった
明日でいいってそんなのでいいですか
王女様・・・
「あとは・・・誘拐された方ですね」
王女様が見つめる先にはルミがいた
そして、そのルミは肩をすくめてオロオロしている
「・・・おやつなし」
「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!ひどいッ!!私が食いしん坊なの知ってるでしょイリル様!!
おやつのない世界なんて・・・もう、いやッ!!」
あ、あの馬車の食べ物の量は、ルミだからだったのか・・・
「あと、防げなかった護衛の二人」
そして次の視線の先には男女が一人ずつ膝をつきながらいた
「「申し訳ございません!!」」
その男女二人は大声で声を張り上げていた
多分護衛の任についていたんだろうが
ルミの勝手な行動によって任務が完全にできなかった人(竜だけど)だろう
「・・・ふむ、とりあえず少し休みなさい。この任を解くかどうかはそのとき決めます」
「ハッ!!」
女性はその命令に苦い顔をしながらも返事をしている
男性は・・・
「休みなど必要はありませんッ!!私にこの任務を続けさせてください」
くらいついていた
むぅ、がんばるね~
「・・・はァ、あなたが仕事熱心で一回受けた任を手放したくない事はわかります
ですが、人間に助けてもらうまでルミを見つける事ができなかったのですから
ここは諦めなさい」
「人間が見つけられたのはあくまで偶然です!私が見つけていれば、助け出す事は容易でした!!」
むぅ~、上司・・・しかもトップに逆らっていいのかなぁ?
堅苦しいのはキライということはこの程度の事は許されるのかな・・・?
その男がまた口を開いた
「私はたかが人間などに決して劣ってなどいません!!」
・・・(イラッ!!)
正直いらつきました
”たかが人間”ってなんですか?
たかがってなんですか・・・?
アハハ・・・ッッッ!!
アハハハハハハハハハハハハハハッッッッッ!!
またも俺の心を読んだのか、それともただの気まぐれか
ニヤリと笑うと竜王女様は次にこんな事を言った
「ではあなたと徹夜さんで決闘してください」
・・・え?
まさかの決闘!?
いや、ハハッ!?
相手は竜人だけど大丈夫かな・・・ッ?
「では、決闘を申し込みます」
男がそういった
えぇ~・・・
いぃやぁ!!もうめんどくさいから考えねェ!
「では、受けてたちましょう」
おぅ、俺っておかしい頭してんな
「えッ!?テツヤ!?あなた正気ッ!?あの人は竜の中でも上の中の強さだよ!?」
ルミがめっちゃ驚いてる。
周りの大人たちも目をまるくしてるものはいるは
ニヤニヤしているものはいるは、正直イラつきます
ラウはオドオドしていた、ああ、一つ一つの行動が可愛いな・・・
「では、闘技場の方に移りましょう」
そういうと、みんながいっせいに動き出した
統率感がまったくない自由行動のようだ
そして俺も歩き始める
「テツヤ・・・あなた大丈夫なの?」
ルミの質問だぁ~・・・
「大丈夫・・・かな・・・?」
正直、自信がない
「大丈夫ですよ。私の目にはくるいはありませんから」
隣にいつの間にかイリル王女様がいた~
王女様でも自分で歩くって・・・
これはどういう・・・
「正直、あのロイルはルミの護衛の任につけたことで浮かれていたんですよ
確かに実力はありますが、浮かれていてはダメです
だからそれを思い知らせてください」
あの人(竜人だけど)ロイルっていうんだ
知らなかったよ
ああ~、まぁ、がんばります
そしてそう話しているうちに闘技場についていた
城の横に闘技場があり
いろいろ武闘会などがひらかれているらしい
そして俺は闘うとこに入っていき
イリル王女様やルミとラウは観客が座るところに移っていった
目の前にはロイルという男が一人
「殺さなければ大丈夫です。治療する準備は万全ですので~」
イリルの声が聞こえた
ふむ、殺さない程度に容赦はしなくていいと
「では、こちらも負けたくはないのでな。本気で行くぞッ!!」
そういうと筋肉が膨れ上がったかと思いきや
数㍍の大きさの黒い竜へと姿が変わった
おお、すげぇ~~
『いまさら後悔しても遅いぞ人間。我が力で一ひねりにしてくれる』
黒い竜の声がきこえ
その次の瞬間には太い尻尾が横殴りに振るわれる
おおおおッ!!こえぇっ!!
それを俺はジャンプして避ける
「むぉ・・・かっこいいな・・・、竜」
思わずつぶやいてしまう俺
う~ん、小学生のころの心が抜けきっていないな
とりあえず着地
『はァァァァァァッ!!』
その声とともに竜の黒い炎が撒き散らされる
むぎょぉぉッ!!?目の前から炎が迫ってくる様子はとても怖かった
とりあえずそれは・・・
「『火の球』!!」
火の球を造りそれを投げ一箇所だけ穴を開ける
そこに俺は移動する事で難を逃れる
「下級魔法で『竜の息吹』を吹き飛ばした・・・」
ルミのそんな声が聞こえてきた
吹き飛ばしたって言っても一部だけですよ~?
う~ん、そろそろ面倒になってきた
ふむ、思い知らせてやりましょう!!
「お~い、舌かむなよ~!!」
『は?何を言って─ムグゥッ!!?』
ロイルは何が起きたのか理解できなかっただろう
俺の姿が一瞬ぼやけて消えたと思ったら
いきなり顎に下から衝撃が来たのだから
俺が行った事は単純ですよ
バッ!!と跳んでロイルの顔の下で思いっきり膝蹴りを繰り出しました
そして俺は自然の原理に従って落下を始める
空中で身をひねってもう一発の準備
『何が起きて・・・─ぐおぉぉぉぉぉッッッ!!』
身をひねって回転したところでまわし蹴りを
竜の腹に食らわした
竜は吹っ飛んで行き
観客が安全に見れるように配慮されているであろう上に観客席のある壁に
思いっきり背中からぶつかった
かるく壁にひび割れが生じた
俺は足を抑えて
「うう、竜の鱗、硬い・・・足痛い・・・ヒリヒリする・・・」
俺のそんなつぶやきがつい口から出ていた
「竜を蹴ってその程度なのだから褒めるべきなのですが・・・」
聞こえていたのか今の呟きを
微妙に遠くにいるはずなのに大人たちとルミもちょっとわらってたりしてる
よし!最後はかっこつけるぞ!!
「たかが人間をなめるなぁッ!!・・・聞こえてないか」
改めてロイルのほうを見てみると
完全にのびていた
ああ、俺のかっこつけ意味ない・・・
・・・なんか寂しい
「ふむふむ・・・」
うん?いつの間にか近くに来ていた
イリルとルミとラウと大人たち
なんですかあなたら・・・?
忍者ですかッ!?
そして俺は信じられないものを見た
この何日かで幾度か見てきたもの
そのたびに恐怖を味あったもの
久しぶりに開放されてまさかこんなところまであるとは思わなかったもの
簡単に言おう
嫌な感じのニッコリ笑顔
寒気が・・・ッ!!嫌な予感がァァァッ!!
ちなみにそのニッコリ笑顔の主はイリル王女様・・・
あァ!!さらに寒気が・・・ッ!!
「では、徹夜さんに護衛をやってもらいましょうか」
嫌な予感的中
他の人たちは何も言わずにいる。無言
・・・直で言うと異論なし
いやぁぁぁぁぁぁ!!
めんどくせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!
たすけてぇぇぇぇ!!ヘルプ!ヘルプミー!!
今回は自分で一回一話から読み直してみました
誤字が結構ありました。メッセージで送ってくれた方もいるのですが
その話で見落としたり、まさかのメッセージでさえ読み間違いをしていたりという理由で直せていませんでした。わざわざ送ってくださったのに直すことができなくて、すみませんでした。
誤字・脱字があればご報告宜しくお願いします




