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俺は闇、幼馴染みは光の勇者様  作者: 焼き芋(ちーず味)
第三章 セカンドワールド 堕勇と勇者の戦争
257/270

123話 ぎゅひゅひゅ

これはですね、テスト期間じゃないんです。21、22、三連休挟んで26,27なんです。なのでテスト期間じゃないです。

そういえば親がWindows8に変えやがりまして、キーボードが認識されるボタンが変わっていて直したりするのが大変でした。

Google先生マジパネェッス。

爆炎の後には煙のようなものが空中で塊になり、溜まっている。

そこから下に落ちるようにポフッという音が聞こえ、何かが落ちてきた。


それは…美月である。



「つ~っ…!!」

ドサリと受け身もとれずに地面に落ちた美月は悲鳴になっていない声をあげた。

その片足…詳しく説明すると、左足は焼け焦げところどころが抉れ、血が出ているところもあれば爆発の熱による火傷ですでに血が止まってる傷もある。

どちらにしろ、美月にとっては激痛の原因である。


「……これで、終わりだな。俺にとってはあまり良い終わり方ではなかったが…美月にこだわる必要もない。

とりあえず気絶でもさせるか」


「…っ」

唯時が美月に歩いていくのに対して、美月は足を引きずりながら唯時から少しだけ離れるように下がる。

そして地面に激突した時に落とした剣が後ろに転がっており、それを美月は辛そうにしながらも再び持つ。


「…簡単に終わりになんかしないで欲しいな、唯時くん。

私は徹夜の元に行くって言ったんだから……絶対に負けないし、ここでなんか気絶させられて倒れるわけになんかいかない」


「……その状態で俺に勝てると思ってるのか? 健在の状態でも俺に勝てなかったのに」


「…やるしか、ないでしょ」

唯時の質問に返事を返す美月は…なんともテキトーなことか。

その返事をしたときの美月の表情は少し微妙なものでもあったし、それを聞いた唯時も少し微妙な表情になっていた。


「…ふぅ」


「言っておくが、お前は片足を使えなくなって移動速度は激減しているわけだから、俺は今まで以上に攻撃をあてるなんて事は不可能だからな」

一息ついて休憩する美月に対して唯時はそんなことを言いながら美月へと迫る。


「…私はね」


「…?」


「私は、老人に徹夜と一緒に戦って負けた時に決めたんだ。

私は…片足を使えなくされて徹夜の迷惑になったし……それで徹夜が下手したら死ぬようなものにもなった。

だから、私はね絶対に負けないの。徹夜にはソレは俺が嫌だ、って言われたけど……私は、もう二度とあんな事にはなりたくないから」


「……」

黙って美月を唯時が見ている。

その目の前で美月の怪我をしていない片足には何か光が覆うように発生する。それはただの光というわけではなく、何かを形どっていく。

それがどんな形になるかを唯時の目の前から、美月が消えた。


その瞬間には、唯時の目の前に剣が存在している。


「ッ!!?」

驚きに目を見開く唯時だが、自分が倒れても可笑しくないほどの勢いで体を後ろに勢いよく反らし、顔が上下に分かれるのから逃れた。


「前髪、がァァァ!!?」

全部ではないが前髪は犠牲になったが…。


そのまま体を回転させ、地面に手を付き腕力で体を大きく移動させて美月から距離をとる唯時。

美月の足には指先から足の付け根あたりまで伸びる光の半透明な生地のようなものが美月の足の周りを渦巻き、浮いている。


「その光でできたモノには…魔法が混ざっているのか」


「ま、そんなところ」

だが、美月も今までは剣しか作ったことがないので今回が初めての形のものなので未だにイメージが固めることができていない。

そして奈菜の世界で一度見せた光の剣に魔法を混ぜるというモノを…今行っているのだ。


光の帯が周りに浮いている両足だが、片方はまだ血が出ており満足に使える状態ではない。

…つまり、美月は片足だけで唯時が驚く(・・)ほどの速度を出したわけである。……両足ならば、どの程度になるのか。

そんなことを考えた唯時の目の前で美月は短く息をはき……そして吸った瞬間に美月が飛び出した。


「あらかじめ、準備しておけば…ッ!!」

次の瞬間には目の前に迫っていた剣を唯時が思いきり蹴り上げ、美月の剣を空高くへと弾き飛ばした。


「…私は、負けないって言ったでしょ?」

そんなことを言った美月の周りにはいくつもの光の剣が浮いている。


「…!?」

美月は眼を見開いて驚いた…だが剣が空中のに浮いていることに驚いたのではない。

それを見た唯時の目には数秒先という短い未来ではあるが見れるわけである…つまり唯時の目には自分が殺されるのを見て、その予知にはなかった行動を小さいモノでもいいから行い、その未来を潰すわけである。


数秒という短い間にいくつもの未来を見て、勇者の身体能力を駆使し数秒の間にいくつもの微妙な動作を行っている。

それを今回も試していた唯時だが……


「うわ…これがよくある死にゲーか」

……唯時が美月の攻撃を食らう未来しか見えなかった。



その次の瞬間には美月の振るう剣が唯時をたたき切るために動いた。

唯時は自分が剣で切られる寸前で未来を見るのをやめ、未来を変えるために何かをし、また見始めるという動作を繰り返すせいで、美月の剣に切られて何が起こるかは見ていない。


…そのせいだろう。

美月の剣は唯時を殺さないために剣のは先は尖っていなかったので…ただの鈍器と化しており、斬られるよりもひどいことになることを。


一瞬のうちに三桁に近いかと思われるほどの数で殴られた唯時は、ガチな血を口から吐いて倒れた。

気絶する唯時はやさしさの一片か顔以外の体中があざだらけで、ひどいことになっている。



「ふぅ…さて、ストレス発散も完璧にできたし徹夜の所に行こうかな。

誰と戦うかわからないし、一応魔力は節約しておきたいから足は止血程度でいいや」

そんなことを呟いた美月は怪我をしている足のほうで唯時に弾かれた剣を拾い、杖代わりにしながらヨタヨタと歩いていく。



 ─  ─



「ッ!!」


「シッ!!」

瑞穂の振るうハンマーと葵の振るった刀がぶつかった。

だが、その次の瞬間には瑞穂が振るった重い鉄の塊は葵の刀によって、スッパリと綺麗に切断されてしまった。

それを瑞穂は予想はついていたらしく、慌てることなく後ろに跳ぶことで避けた。


「あ~あ…壊されちまった。お気に入りだったのに」


「……」

切断されたハンマーを見ながら、瑞穂は軽い調子でそんなことを言った。

それに対して葵は少し顔をしかめながら瑞穂を睨み付けている。


「…何故、あの防御を使わない?」


「んあ?」


「……アイギスだよ」


「あ~……アイギスを使ってるとほかのモノが使えないのは知ってるだろう? さすがに使えないから負けた、なんて事は言えないからな。

俺は少しばかり我慢することにきめたよ……まあ、そのおかげで本来のモノは使えるけどな」

そんなことを言う瑞穂の目はいつもとは違う。

まるで蛇をイメージさせるかのような目は、それを見つめたものを蛇に睨み付けられたカエルのように動きを止めるだろう。

実際ソレは、時空属性の魔法が関わっており本当に止まる…それを葵はわかっているので瑞穂の目を見ることはなく、体全体を見ることで相手の動きを観察している。


その瑞穂の服の襟元から一匹の蛇が出てきて、瑞穂の頬に体をすり寄せるようにして移動している。


「アイギスを使うようになったらアイギス以外のモノをい使えられないようにさせられたからな…ある子供の意地せいで」

反論をあげるかのように蛇が威嚇するときの音をたてているが、瑞穂はそれを無視した。


「…それで、何か変わるのか?」


「ああ、変わるさ。あえて言うならアイギスじゃあ、お前の刀は防げないが…それ以外なら方法はあるからな」


「ふぅん…」

瑞穂の言葉に葵は短く返事を帰す。

そんな葵はその次の瞬間には飛び出しており、それに対して瑞穂も葵に向けて飛び出す……そして次の瞬間に葵の刀と瑞穂の剣がぶつかり火花を散らした。


だが、瑞穂の刀はよく見れば瑞穂の剣に直接あたっているのではなく、その手前で受け止められている。


「これは魔法具だよ」

そんな言葉とともに瑞穂は葵の刀を上へ弾き、剣を葵へと向けて振るうが葵はしゃがんで避ける。

それを狙って瑞穂は剣を振り下ろすが、やはり葵は剣を後ろに跳ぶようにして避けた。

後ろに着地した瞬間に葵は瑞穂に向かって飛び出し剣をふるう。


刀は先ほどのように剣にぶつかる前にとまるというわけではなく、そのまま剣を切断するような勢いで動くが剣に止められた。

この剣の周りには『時空』属性の魔法で囲まれており、それを葵はすぐに見抜き…それを意識し切断したのだが瑞穂の剣は頑丈らしく葵の刀でも切断できなかった。


「これは奈菜に頼んで作ってもらった魔法具。

剣の形をしているが、刃は尖っておらず斬撃ではなく打撲と考えてくれていい…そのかわり剣の丈夫さは段違いで、普通のモノならば切断するお前の刀でも受け止められる。

だが、当然お前が意識すれば簡単に切断されてしまうだろうが……これは時空属性で保護しているから普通では無理だ」

葵が時空属性の魔法を切り裂き、剣とぶつかる瞬間に時空ではなく剣を切断するように意識した場合でも切断する前に時空属性の魔法で刀は止められてしまうだろう。


「……剣を使えるんだな」


「ハンマーはただの趣味だ……実際なところ本当は、あまり力のある方ではない俺は剣の方がいい」

瑞穂は剣を軽くふるいながら、葵を睨み付ける。


その次の瞬間には二人ともお互いにダッシュし両者とも手に持った凶器を相手に向かって力いっぱい振るった。

おそらく絶対的な防御をもとった剣を、絶対的な攻撃力を持っている刀がぶつかり合った。




 ─  ─


「「「……ッ!!」」」

三人とも同時に攻撃を放ち、三人はどんな方向からどんな方向に向かって放ったのか三方向から一か所に攻撃が集まり爆発した。

その爆発を突き抜けていくつもの弾丸が飛び出してきた。

それは本来の魔力を固めただけの弾丸の色ではなく、様々な色の魔力の塊。それらは風を操り、雷をまとったりなどの様々なものだ。


「「ッ!!」」

明と泰斗はそれぞれ守って戦っているので、本来よりも大きく動き和馬の攻撃を避けた。


「これだと、俺が結構有利だよな~」


「そう思うならば、この飛行艇から飛び下りてくださって結構ですよ?」


「それは嫌だ」


「……お前らの話なんてどうでもいいから、くそメイドは俺にそれを渡せ」


「私も老人の命を受けて、この女の子を保護しているだけなのでそう言われましても無理としか答えられません」

泰斗が刀を明に向けて振るうと明はチェーンソーで受け止め火花が散り、そこを和馬が横から魔力の銃弾を放つ。

それは明が複写コピーした泰斗の能力である水晶で弾かれ、泰斗が和馬に向かって貫くための尖った水晶を放っている。

この三人のうち、二人が協力すればすぐに戦いは終わるのだろうが…結局は最後にはやり合う事になりそうなので協力はしようとしない。


そんな中、三人の戦い(それに巻き込まれる形でアキとイブキ)を行っている飛行艇の中なのだが、飛行艇が全体的に揺れ始めた。

それに驚いた三人だが、すぐに普通に戻り……そのまま武器をぶつけ合う。

何を考えたか和馬まで銃で殴りに行こうとしていたので明に切断され慌てて後ろに下がり、増殖で一つを二つに増やしていた。


「横っ腹に飛行艇が突っ込んできたのを受け止めていた、この飛行艇もそろそろ限界がきているようですし……いい加減に、そろそろ終わらせましょうか…みなさん」

明のその言葉とともに、その体からは魔力が一気にドッと流れ出た。

そして明が掲げた手には本来は泰斗の能力である水晶が乗っている。

不思議なことに、チェーンソーを持っている手とアキを抱えている手で両手とも塞がれているはずなのだが、いつの間にかチェーンソーはしまわれていた。


「…俺の能力で、俺に勝てると思っているのか?」


「忘れているようですが、私はあなたの能力だけでなく総帥 和馬の能力も使えるのですよ?」

明の手に乗せられている水晶が次の瞬間には何百という数に増え、気持ち悪いほどの数になったので相当の勢いであふれ出た。

それを無視して和馬は明へと向けて弾丸を放つが、それは水晶の特性上反射され複雑な軌道で突き進み、飛行艇の壁を貫いた。


「……和馬魔力を放つ、なッ!?」

自分の能力なので特性をすぐに理解できていた泰斗が和馬に止めるように言った瞬間に言葉が驚愕の色に染まる。

後ろから魔力の塊が泰斗の横腹を貫いていた。


それは和馬が放ったのではなく、明が放った魔力だが……ピンポイントで泰斗の横腹を貫いたのだ。


「…くそ、め」

口から血を吐き体から力が抜けた泰斗は思わず、そんなことをぼやいてしまうのだが次の瞬間には泰斗自身が能力を使い…明の作った水晶をすべて泰斗の水晶で飲み込み、そのまま自分の水晶ごと全て粉々に砕け散らした。


そこに明がとどめを刺そうとチェーンソーを振りかぶったとき、その明の頭に銃が突き付けられすぐに引き金を引く。

だが、それも避けられる。


頬を掠り、明の頬は弾丸で浅くえぐられたがソレを気にすることなく明は和馬に向かって攻撃をする。

その倒れそうになっている泰斗から和馬へと注意を向けた瞬間に明の手に抱えられていたアキが横から突っ込んできたイブキによって明から奪われた。


「ッ!?」

完全にイブキのことを気にしていなかった明は驚きで目を見開く。


「……ナイスだ」

それでも明は和馬へとチェーンソーを振り下ろしているが、泰斗はアキを抱えたイブキをアキと一緒に抱えるようにして戦闘で壊れまくった飛行艇の壁から外へと飛び出した。

当然、外は上空であるが泰斗はそれを気にした様子ではない。

泰斗は水晶で足場を作り、それを跳びまわることで落ちることでの死を避けるようにしていた。


「そっちばかり気にしていて良いのか?」

そして和馬の方では振り切ったチェーンソーを手で受け止めていた。


「能力の使える幅を広げたんですね」

明はそれを見ながらつぶやいた。


簡単に説明すればソレは和馬の能力によるものだ。

ただ単純に魔力で体を強化したとかではない。

明は複写コピーする際には相手の能力などをゲームのようにステータスとして考えている…それを和馬も見習ったのだ。

ステータスでいう防御…普通ならば皮膚の硬さか何かを増殖で一気に増やしたわけである。

だが、それも完璧に行えているわけではないらしく、少し和馬の腕から血が出ているが本来腕を切断されるような攻撃を食らってコレならば問題はないだろう。


「…ですが『水晶』が離れすぎると私はここから脱出する方法がなくなってしまうので、早めに行かせていただきます」

そんなことを言った明も泰斗同様に飛行艇から飛び降りた。

それからの方法も泰斗と同様のモノである。


「くそ、逃げられたか……俺、空飛べれねぇんだよなぁ」

明に向けて弾丸を放つが、やはり水晶で弾かれる。

和馬が能力で空を飛べる何かがあったならば明も急いで脱出はしなかっただろう…それに、あまり和馬は魔法を使えるわけではない(使えたならば銃など使わない)



いろいろと積んでしまった和馬は、とりあえずどうすべきかを考え始めた。

おそらく戦闘だけでの文字数は第一章の魔王との戦いでの7000文字越えが一番文字は多いと思います。

今回は三つの戦いで6000なので、どれだけ魔王さんががんばったのかがわかります。

次話も今回程度には文字数が多くなりそうです。


誤字・脱字があれば、ご報告よろしくお願いします。

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