122話 ドヤァ
できたら21日までに本編を終わらせようと思ってたんですけど、丁度その日からテストなんです(テストがなくてもおそらく無理)
なので、12月1日までには本編終わらせようと改めて考え直しました(テスト中でも書く気満々)
というかテストの時は投稿せずに書き溜めとしておく感じですかね。
「…さてさて、他のメンバーは他のメンバーで戦い始めているし…こちらもこちらでそろそろ終わらせにゃならんな。
当然、俺の負ける形で終わらせたいんだが…俺は命令で本気、内藤 美月は苦戦中、と……」
「…うるさいな、それは嫌味か」
唯時の目の前には、剣を構え唯時の言葉に短く言葉を返した美月が居るが……美月は肩で息をするほど疲れている。
「…どんな速さでも、どんな数でも……先読みして全てかわされている私の気持ちを考えてよ」
「いや、でもさ…俺がかわし続けているとそっちマジになってきてるじゃん? その分だけ、かわさないと俺が死ぬ確率上がるんだよ」
「そう、だねッ!!」
そんな言葉と共に美月は一瞬の内に唯時の背後に回り、剣で唯時の首を切断するように横一線に振るうが、唯時は見ていない状態なのに、しゃがんでかわす。
そのしゃがんだ唯時を上から切断するために、一瞬のうちに空中に作られた光の剣を美月は掴み、振り下ろすが…これも同様に見ていない状態の唯時は横にずれてかわした。
「……」
美月は完全にイラりと来たのか表情をしかめっ面になり、唯時の周りにはいくつかの光の剣が空中に浮いていた。
それの刃の先には唯時に向けられており、それがいくつかずつのグループで動き、それにくわえてグループとグループの間に時間を空けてわずかな時間差を入れながら、唯時へと突き進む。
「ほッ!!」
それに対して唯時は短い掛け声と共に一回空中に跳び、そこで体を捻ると光の剣は唯時の周りを通過していく。
いくつも用意されて、隙間を空けないように美月は剣を動かしたわけだが…それら全部の光の剣は全てうまく避けられた。
「…これは、さすがにイラつく」
徹夜の関係の無い所で、美月がここまで怒りに満ちた表情になっているのは……なんというか、うん…初めてだろう。
「…こわっ」
「………」
唯時の一言に、美月からさらにブチブチという音が聞こえた気がする。
黙って俯いている美月だが、わずかに肩が震えている……別に笑っていると言うわけではない、当然分かるだろうが怒りからである。
「もう今までのキャラとか、色々とあるものを全て一時的に投げ捨てて叫ばせてもらうけど……」
「…んん?」
俯いたままの美月の言葉に唯時は不思議そうな表情になった。
その瞬間に、美月が顔を上げた。
「こぉんの……死ね、ボケェェェェェェェェェェェェェェェェェ!!」
そんな叫びと共に唯時を中心とした半径5メートルの光の柱が空高く昇り、その場にあったもの…そして、その柱が昇った末で空を飛んでいたジパングの飛行艇が光の圧倒的な熱量で焼き払われた。
飛行艇なんて、一隻作るのにも金を相当かけているであろう…。
「…スッキリしたぁ~」
美月の目には唯時が避けた所は見えていたが、それでも美月の表情は晴れやかである。
唯時を狙った結果、当たった当たらなかったに関わらず…周りの物を壊し、上空を飛んでいたお金の塊を壊したことで八つ当たりではあるがストレス発散になった。
「なにこの子、思っていたよりも怖いぞ!?」
そして、そんな事を言っている唯時も居る。
「…あ、唯時くん。別にさっきので負けたフリをした出番をもうなくしてくれてよかったんだよ? 疲れたでしょ?
もう裏で休んでいても良いんだよ?」
「全然理解できない!! 内藤 美月が言っている言葉の意味が全然分からない!」
「私もよくは分かっていないけど、とりあえず言うなら…私を徹夜の元に行かせてってことかな?」
「だから、命令されてるからソレは無理なんだよ……まあ、とりあえず俺も避けてばかりではなく攻撃を仕掛けていくか」
そんな事を呟いた唯時。
唯時が美月に向かって懐から出した数本のナイフを投げ、それを美月は当然のことだが横に跳んで避けた。
だが、それは美月が着地する足場に起こった。
「むッ!!?」
一瞬だけ魔法陣が見え、その次の瞬間には美月が起こしたものよりは小さいが光の柱が昇った。
それを慌てて交わした美月だが、交わした先にも必ず罠のように魔法陣が発生しては美月が避ける。
「俺は相手の動きをこの眼で全ての先を見れるわけだが…この能力はハッキリいえば攻撃向きではない。
なので俺の欠点は攻撃力がないわけなのだが、それは踏むとか通過する…などの条件を満たすと発動する罠式の魔法で全ては解決済みだ」
「くっそ…本当に厄介!!」
唯時は美月の攻撃を避けまくっているときに魔法陣を仕掛けまくっていたのか、美月がどれだけ発動させて避けても絶える事がない。
美月が五回目を踏み、とりあえず避けるために上へと跳んだ。
飛んだ勢いがなくなり、一番上へと跳んだ瞬間に魔法陣がいくつも発生した。
「ッ!!?」
美月が驚き空中に足場を作り跳んで逃げようとしたが間に合わず、次の瞬間には美月の小さな体を完全に覆うほどの爆発がおきた。
─ ─
「…シッ!!」
「ほっ!!」
爪と三つに分かれた槍がぶつかり、お互いに吹き飛んだ。
大きく吹き飛ばされた二人のうち片方…奈菜は光が発生すると共にいつの間にか装着されていたメタリックなブーツが竜巻を発生させ、勢いを全て殺す、
そして奈菜の相手をしている美咲は魔力を使い体に勢いを生み空中でクルリと回って着地した。
「……食らえ!!」
着地した美咲は手に魔力を溜め、それを奈菜へと向けて放った。
それは今まで放った攻撃の中でも一番の高濃度の魔力の塊であり、さすがの奈菜でもこれはさすがに普通の武器では防ぐことは出来ない。
なので、当然避ける事なのだが…奈菜は避けることは選択しなかった。
迫ってきた魔力の塊を奈菜はそのまま槍で切断した。
その槍は…光を溜め込み刃は光っている。その刃にはどんどんと光が溜まっていき、奈菜の槍も今までで見たことがないほどの光を放っている。
「ボクの魔法具には、一から作り直すのが面倒だから壊れないために一応リミッターがついてるんだけど…悪いんだけど、ソレは今回解除させてもらったよ」
奈菜の持つ槍は光を集めまくりっておる。
次の瞬間には奈菜が美咲に迫り、槍を放つ。
「ッ!!」
槍の形上の問題でただの突きでも、体をそらすだけでは三つに分かれたうちの真横にのびた刃に斬られるかもしれない美咲は、大きく後ろに跳んだ。
それを追う様に奈菜も動くき、槍を前に突き出したままだったのを…そのまま上に振り上げる。
「あぶッ!?」
それを顔を後ろにそらして避けた美咲である。
さすがに美咲も避けるだけはせず、魔力を込め…脚力だけを獣の状態とし…回し蹴りを放つと奈菜はそれを槍の…あの長い持つ場所(名前ってあるんですかね?)で受け止めた。
その受け止めた場所はわずかに軋み、ピシリと微かにひびが入る。
奈菜はリミッターを解除し、能力を最大限までに上げて使用している…それは魔法具自体には相当の負担をかけているので本来一撃でヒビが入らないような攻撃でもヒビが入ることはある。
「すぐに壊れそうで…怖いなぁ」
奈菜はそんな事を呟きながらも、槍の事を気にせずに美咲の顔面へと向けて蹴りを放つ。
ただの蹴り。
一瞬、美咲はこの程度の攻撃ならば避ける必要が無いのではないかと考えたが…蹴りによる風を切る音とは別に何かが聞こえ、慌てて後ろに跳んだ。
その次の瞬間に美咲の体が浅く縦に切り裂かれた。
「ッ!?」
切り裂かれた事と…何故か勘が当たってた事に美咲は驚く。
それに対して奈菜は少しドヤ顔気味になっているわけだが……その体勢は少し可笑しく、先ほど美咲に蹴りを放った足を地面につけずに上げたままの辛そうな状態になっている。
不思議な事だが、その足の先には少しだけではあるが美咲を切ったときに付着した赤い液体が…空中を漂っている。
だが、空中の何も無い所にあるわけではない。
その血は何か見えない何かについているらしく、空中を赤い液体が何かにそって移動した。
「……『不可視の剣』」
奈菜の、ドヤァ…。
─ ─
そして、そこからそれなりに離れた都市の中。
そこでは里稲が辺りを見回しながら、早歩き程度で移動しており…そこに数人の騎士達が合流した。
「…状況は?」
「周りではジパングの兵士が入ろうと城壁を攻撃しており、城壁が無事なところは本来の仕掛けを使用しながら敵をそれなりに押しておりますが……壁が破壊された場所ではジパングの王とそれの本隊。
そしてソレをカントクを中心に騎士と兵士合わせ数百名…それとあらかじめ仕掛けてあり、壊されていない数少ない罠などのモノを利用し、どうにか進入を抑えている状態です。
カントクは敵の兵士を操る中心となっている人間で王を除く全員を始末しましたが…王がどうにも手強く、長引いております」
…カントクも一応、勇者だった。
そして生きている長さであれば徹夜たちの倍に近く…魔法は使用不可能な状態だが身体能力は高い。それを考えればカントクでもソレぐらいは可能なのだ。
「…ふぅん」
騎士の報告に里稲は少し考えながら壊された城壁や中心で空へと昇っている紫色の光の柱…それらを交互に眺めている。
「どうなさいますか?」
「…うん、じゃあアッチに行こう」
里稲が考えを決めて走り出すと、騎士たちもソレを追う様についていく。
アッチってドッチだ?
予想だと、番外編に入るまでの本編は後3~5話の内に終わると思います。
あくまで予想ですし、この一話にコレを詰め込もうと考えても途中で疲れて、全て終わらせずに投稿するかもしれないので結局はわかりません。
誤字・脱字があれば御報告宜しくお願いします