118話 マジなバトルを始めたい ´・ω・`
神には下位、中位、上位……そして、上位の神しか会うことが出来ない本当の上の存在、最上位の神が三人。
この最上位の神は上位も含め神全ての神の親と言える。
神はさまざまなモノを一人1つ意味をする。
魔力の属性、人の感情、自然現象、偶然、さまざまなモノを司り、神は何人かのグループで1つの世界を管理している。
そのグループでひとつの世界を管理し、管理する前にはグループで1つの世界を作ったわけだが……多々ある世界の中で、三つの世界がもっとも価値の高い。
それは当然のことではあるが、最上位の三人の作った世界。
『力』『知』『命』を意味する最上位の三人。この三人が世界をつくる際に、神は生まれた。
世界に必要な土、火、風、水などのモノを創造したとき…それを意味する神が生まれ、生き物の感情を創造した時にもさまざまな神が生まれた。
最上位の神が創造すれば、神が生まれる。
その最上位の三人がつくったのは最初で最後、三つの世界。
『力』は自分達の力の源でもある魔力を、主なモノとして考え、異常に強い力を持った者が他の世界よりも多く存在し、本来なら神の力を持つモノが何人も居れば自然と世界が崩壊してしまうのだが、この世界は特別で、崩壊しない強固で力の象徴となる世界。
これは徹夜たちが最初に召喚された世界。徹夜が言っていた難易度が高いせいは、このせいである。
『知』は魔力などの世界の理を曲げる魔法ではなく、世界の理を利用する科学を主とした世界。
自分達の力の源でもある魔力を主なモノとして考えるのは意外と容易いが、神の世界に存在しない科学というモノを考え、作った世界。
つまりは徹夜たちの故郷の世界である。
そして『命』を司る神は、他の二人とは少し違う。
命とは、弱肉強食も含め…他の命と強力しながら保っていくものである。ならば…と考えた結果が「三人で1つの世界を作らないか?」というモノだった。
それに他の二人は嬉々として賛成し、ひとつの世界を作ることになり出来たのは……現在徹夜達が戦っている世界で、神々の元となった三人全員で作ったため、他の世界とを区切る壁が薄く、他の世界へといける扉が自然発生するのだ。
その三人が世界を三つつくったころには、さまざまな神が生まれており三人はその神たちに後を任せて、自分の楽な生活を送る事にした。
数百年、数千年という時が流れていく。
そして『命』を司る最上位の神は、さまざまな世界を神の居る世界からのぞき、人の行動を見ることがその時にはまっていたものだった。
そんなモノにハマっていたせいか、『命』を司る神は人への興味を深くし、最終的には人が好きになった。
今まで以上に人をよく観察する事になり、今まで以上に人の細かい所まで見て行くこととなった。
人のさまざまな行動や感情を見る事となり、人の負の感情を見た。
その結果…『命』を司る最上位の神は人の負の感情を出来るだけ無くそう、という考えを持ち…自分に集め始めた。
何百というある世界、そして生まれ続ける負の感情は消えることは無く最上位の神に集まり続ける。
周りの神はそれを止めようとするが、止まる事はない。
そして溜まりすぎた腑の感情は、最上位の神の『暴走』という神すらも恐れる神災を神たちの世界にもたらした。
暴走した最上位の神は、他の二人の最上位の神ですら止める事は難しく…一時的に世界と世界のハザマに強制的に送る事で、破壊を免れた。
「…そこをワシが利用した、というわけじゃな」
「ど、どういうことだってばよ」
老人の言葉に俺は目を見開きながら、老人に聞き返した。
この老人の言いたいことは…つまり真くんが。
「その光の柱を作り上げている子供の姿をしているモノは、人ではなく神。
神の元でもある最上位の三人の神の内の一人であり………邪な念を集め暴走した愚かな神、『邪神』じゃよ」
─ ─
そこは王城の多々ある部屋の1つ。
真くんが暴走して吹き飛ばした場所と比べると遠い所に存在しているので、真くんに対して気にすることは無い。
それにその部屋には結界が複雑に組まれており、音もできるだけ遮っていたので周りのことは気にすることは無い。
そして、その部屋の床には魔法陣が組まれている。
「魔力の虫を駆除し終わるのは、もう少しなんだけど…」
その魔法陣の上に立っている少女…栞はそんな事を呟きながら、周りを警戒するようにキョロキョロと見回している。
それを見た周りの神官は、不安を表情に出した。
「何か来たな」
栞がそんな呟きを漏らすと共に、壁の一部が切断され葵が片手に刀を持ちながら現れた。
現れた葵は少し周りを見回す。部屋に居る人間達を確認し栞を見た後に、大分楽にはなっているがまだ苦しんでいる要を確認した。
「…ターゲット発見。
あの『蟲女』は私が殺したから…ちゃんと『獣の主』まで殺しておかないといけないからな」
「カタナ馬鹿の目的は、彼女ですか」
「…丁度良く裏切り者も居るし、ここで二人始末しておくか」
刀を栞へと向ける葵に対し、栞は自分の持っている杖を床へ一回だけ突くと…その瞬間に切断された壁が勝手に復元し、周りにいる神官たちを青い膜が囲んだ。
神官を囲った膜はただ単純に守るためであり、壁が勝手に戻ったのは『時空』の属性の魔法を使用したことにより、時間が巻き戻されたわけだ。
「そのまま、魔力を流し続けて…こいつは私が殺すから」
栞の言葉に神官は頷くことしかできない。
神官に刀をもった狂人の相手などをすることが出来るわけが無いのだから。
「さて、ではとりあえず目の前の狂った人間を出来るだけ早くどうにかして…兄の友人であろう彼女を治す作業に戻りましょう」
「……舐めた事をいうな、『魔道書』。お前が私に勝てると思っているのか?」
二人とも完全に殺意を向け合い…次の瞬間には葵は栞へと向けて駆け出し、それに応じるかのように栞は杖を軽く振るい、栞の周りの空間が歪む。
何千という魔法を完全に覚え。操る。魔法博士な少女…『魔道書』
そして、おそらく勇者ともに堕勇の中では一番狂っている少女…『妖刀』
この二人でバトルだ。
いい加減にマジなバトルを始めたい(´・ω・`)
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