117話 ロリコン堕勇
こんなグダグダな感じでも…結構、俺にとっては文字数いってます。
途中でブレーカーがおちて絶望しかけましたが、なんとか無事でした。
「…何がどうなってんだ、コレ?」
俺の目の前では、真くんがテッカテカに光っております。
…いや、そんなハゲみたいな表現は嫌だなマジで。
そんな事は置いといて、真くんから出ている光は紫色で光の柱となっていたのだが…先ほどとは違い光の柱を外に広がらないようおささえるかのように魔法陣が囲んでいた。
徹夜は知らないが、唯時の言う仕掛けとはコレのことである。
「真くん…の光の柱の周りに、ビビが入っている……?」
そう、目の前の光の柱の周りは空気なので本来ひびが入るモノがないはずなのだが……ガラスを割るような甲高い音と共にヒビが入っているのだ。
柱からは何回も衝撃波のようなものが発生し、再び瓦礫を体の上に乗せながら真くんをジーと見つめ周りの現象をただただ観察することしか出来ない。
「何が起こってるの、徹夜くん? ボクは全然状況が理解できないんだけど」
「え? あ、奈菜か」
後ろから聞こえた声に振り向き誰かを確認したわけだが、城で色々と動いていたらしくすぐに駆けつけてきた奈菜である。
「…ふっ、俺がわかるわけないだろう?」
「徹夜くんって、無駄に偉そうにそんな事を言ってるけど正直情けないよね」
「ひどいな…結構グサッと来るわ」
今更だが俺の体の上にある瓦礫をどかし、服にくっついている砂埃やらを手で払う。
奈菜は光の柱を見上げるようにして見ながら、見つめているがその手にはもしものときのためにいつでも反撃ができるようにするためか剣が握られている。
「真くんを攻撃するなよ? アレがなんでアアなってるのかしらんが、絶対にダメだからな」
「わかっているよ、徹夜くん」
俺の言葉に奈菜は軽く笑いながら答えている。
…だったら剣をしまえや。
まあ、とりあえずはどういう感じでこうなっているのかが不明…真くんに何が起こっているのかを確認しなければ対処することは難しいだろうが…どうにかするしかあるまいに!
ふっふっふっ……こういうときに都合のいい解説先生であるリヤナさんが居るのだよ。
さぁ、リヤナ先生早く解説してください!
「…む、景山 徹夜に最堂 奈菜ではないか。どうやら楽に終わらなさそうじゃのぉ」
後ろから忌々しい老人の声が聞こえた。
「…クソ老いぼれめ、本当に邪魔だな。せっかく解説を聞こうとしていたのに」
「徹夜くん、よくわからないことをいわないで誰から解説を聞こうとしていたの?」
「気にすんな」
そんな事はさておいて、俺と奈菜は老人のほうを睨む。
老人の脇には狼の姿だった美咲が人の姿へと戻り、軽く息を吐きながら疲れた様子で老人の隣にドカリと尻から座った。
「お前、人の上に乗っておきながら文句ばっかりうるせぇんだよ!」
「おぬしが乱暴な動きだからであろう!」
どうやらここに来る間に色々と言い争っていたようだ。
「おい老いぼれ、真くんがこうなってる理由を知ってるのか?」
「光の柱の中心にあるソレを利用しているのだから、理由を知っていなければ可笑しいじゃろ」
ソレ…? 真くんの事をモノみたいにいいやがるな。なんであの老いぼれ如きに真くんがモノ扱いされなきゃいけないんだ?
とってもいい子な真くんに失礼だろうが…。
「…殺してやろうか? クソジジイ」
短気といわれても仕方が無いが…人様に迷惑をかけるヤツに真くんをこう言われるのは、なんか異様に腹立つ。
「落ち着いて徹夜くん。
あの老人が説明するまでは待ちなよ…なんでああなっているのかを知らないと、対処法が分からないんだしさ」
「…ぬぅ」
できるなら今すぐ心殺してやりたい。
老人をおもいっきり殺意の篭った目で睨んでいると、それに対して老人はクツクツと楽しそうな表情で笑っている。
ちなみに、美咲は前に奈菜にこんな感じの目で睨まれたことがあるので、自分が睨まれていないのに少し怖がっていたりする。
「お前に、ワシを殺せるか?」
前に結構なひどい負けをした俺に対して、本当にいやらしく笑う老人。
クソイラつくわ。
「いいから早く説明しろ、ボケ」
「というか、なんでワシが説明しなきゃ…」
「いいから早く説明しろ、ボケナス」
「…それはワシが五歳の…」
「うっせぇ、黙れボケ」
「……」
時間かかりそうだわ。
─ ─
都市の中心でそんなヤリトリがあるのとは別で、都市の周りにあるいくつもの飛行艇の1つ。
その飛行艇はジパング製のモノだ種類が多々ある飛行艇の中でもそれなりに大きなモノだが…その飛行艇の横の胴体にはソレより小さなタイプの飛行艇が突き刺さっていた。
その小さな飛行艇も、大きなものと同様にジパング製である。
その大きな飛行艇の中では何人もの死体が転がっていた。
大きな飛行艇は元々転移されてきたジパングがフォルテを襲うために着ていたもの何のだが、小さなタイプのモノはそれに凄まじい速度で突っ込んでいった飛行艇だ。
その小さな飛行艇からは十数人という数の黒い布で顔を隠した兵士が大きなタイプの中に潜入し、元々居たジパングの兵士達と戦闘状態に入った。
本来、飛行艇はそれなりに距離のある場所から攻撃を放つのが目的なのでこの襲撃であっさりとジパングの兵士達は殺されていった。
そして、何人ものジパングの兵士達を倒してきた小さなタイプから下りてきた兵士を一人で殺しまくっているメイドがいた。
「あなたが、最後ですね」
「…ッ!!」
メイドの少女…つまり明がテキトーな兵士から奪った刀をしたから上に向けて振るい、最後に残っていた人間は後ろに跳んで避けた。
だが、それでも反応は遅れ顔を隠していた黒い布が切り裂かれ、この状況での苦い表情が見えた。
「おそらく私が保護を命じられた、このアキという少女を奪還しに来たようですけど…私相手にその数はぬるいですよ」
その残った人間は、イブキ。
明の後ろで人が死んだ場面を見て固まっている少女のお守り役として昔、ジパングの王城で働いていた少女である。
「…私は、絶対にアキ様の前で死ぬわけにはいかない!」
攻撃を避けるために後ろに跳び、着地したイブキはそのまま剣を振りかぶって切りかかるが…やはりそれはあっさりと防御された。
明はイブキの振った刀を受け止め、受け流すようにそらした後…そのままイブキへと向けて刀を振るう。
イブキもそれを防御する。
本来であればテキトーな兵士の刀である明の使っている者とイブキの使っている者であれば、造っている人間の腕ではイブキの刀の方が勝っている。
当然、強度ではイブキの物のほうが数倍いいだろう。
だが次の瞬間にはイブキの持っていた刀が切断され、そのままイブキの肩を切り裂いた。
そして、イブキが怯んだ瞬間に明の蹴りがイブキの腹に突き刺さり吹き飛ばされた。
「がッ!!?」
肩の斬られた傷から血を流し、蹴られた腹を押さえ蹲っているイブキに向けて明は刀を振り上げる。
「あなたの国で一番の強さであろう男は、あの泰斗に負けたのですよ? あなた如きでは私に勝てるわけが無いでしょう」
「…まるで俺が相当弱いみたいだな」
その声が聞こえると同時、イブキの後ろから明へと向けて放たれた突きを明が、そのまま剣を振り下ろし刀と刀がぶつかり合いお互いに弾かれた。
当然のことではあるが、それは都堂 泰斗である。
「実際、私とタイマンを張ったら負けるでしょう」
「…否定は出来ない」
弾かれた勢いに任せて明は、そのまま剣を捨てどこから出したか分からないチェーンソーが既にエンジンのかかった状態で横に振るわれた。
それを泰斗は先ほど突きを放った刀で受け止め、火花を散らすが…その刀はアッサリと切断された。
「……まだ刀はある」
泰斗のその言葉と共に、先ほどとは別に腰に下げてあった刀を抜き、チェーンソーの回転する刃を無視して強引に弾き返した。
「なんで、あなたがナツメ様の刀を持っているのですか…」
イブキのそんな呟き。
そう、泰斗が使っているのはナツメの刀。この世界で一番の刀であり、ジパングの王家には大切なものだ。
「……ちょっと頂いてきた」
イブキの言葉に軽く泰斗は返事をすると、イブキの服の首もとを掴んで後ろに大きく跳んだ…それは明も同様でアキを抱えあげると、泰斗とは逆の方向に跳ぶと…
…さきほどまで四人が居たであろう場所に、数百という数の魔力の塊が横から壁ごと貫いた。
「…漁夫の利を狙ったのになぁ、残念だ」
ボロボロになり、自然と砕け落ちた壁から出てきたのは総帥 和馬である…いつも思うが和馬の苗字は異様に偉そう。
というか、苗字だけはマジで偉い。
「…なんで、あなたが居るんですか」
「俺はなんとなく視界に入った泰斗をコソコソと追いかけてきただけだ…明のところにつくとはおもわなかったけどな」
「……お前の狙いは、そこのクソメイドだろ。俺まで狙うな」
「俺達の敵はあくまで堕勇だ。勘違いするなよ、泰斗」
これまた色々と複雑。
強いものに従い勝利を手に入れるという考えで動く明。
The クソ イケメン野郎の和馬。
小さな女の子のために戦うロリコン堕勇(今現在命名)泰斗。
この三人の飛行艇の中という不安定な場所での戦いである。
いろいろと誤字を見つけたり、可笑しいなと思う描写は時々直しています。
誤字・脱字があれば御報告宜しくお願いします