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俺は闇、幼馴染みは光の勇者様  作者: 焼き芋(ちーず味)
第三章 セカンドワールド 堕勇と勇者の戦争
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116話 とりあえず戦う前

土曜、一日模試のせいで書けなかった

都市の真ん中に紫色の光の柱が立ち上り、そこからは耳が相当いい者でなければ聞くことが出来ないであろう悲鳴のような男の子の声が聞こえていた。

光の柱から結構距離が離れているので、悲鳴のような声が聞こえてくる時点で可笑しいのだが。


「……もう、か」


「何が?」


そんな中、少し距離をとり向き合いお互いに警戒するように身構えながら立っている少年と少女が一人ずつ。

少女…美月は目の前に居る少年、唯時の呟いた言葉に対して、すぐさま訊ねていた。


「…説明は後だ。

とりあえずは仕込んでいたアレを発動させないと後数十分程度で、この世界もろとも全て粉々に砕け散るだろうからな」


「…?」

美月がさらに疑問の表情へとなっているが、そんな事を無視して唯時が何かを呟いた後、美月の方をを何もせずに見た。

美月と唯時の周りには特に変化は無い。


「…何をしたの?」


「いや、あんたがあんたの幼馴染に聞いたかは知らないが…俺はあの柱の元になっているであろう男の子に故郷の世界であっといたんだ。

その時にあげた飴玉にちょっとした仕掛けをね…まあ、単純に言えば力を出来るだけ押さえ込んで時間稼ぎなんだが」


「…男の子? 徹夜と男の子……真くん? いや、でもこの世界に居るわけないし」

美月は仕事で徹夜とはずっと離れているので、真くんがこの世界に来ていることは知らない。


「それが来てるんだな、コレが」


「なんで?」


「さあ? 実際に光の柱が昇ってるから来ている…という判断をしているわけだしな」

美月の問いに唯時は答えるが、それは答えにはなってない。



「……じゃあ、とりあえず行かせてよ。真くんの近くにいるであろう徹夜の元に」


「悪いな。

忌々しい事に老人の命令で、お前を倒す…または長い時間抑えておかないといけないんでな……行きたいんだったら、俺を倒して行け。

手加減とかも命令のせいで無理だから、マジで来いよ……殺されない程度に相手してやるから」

今までは普通だった唯時の眼の色が変わった。


「…わかったよ、唯時くん」

美月は剣を鞘から抜き、その際に鞘と剣がこすれて出た綺麗な音が周りに響いた。

その次の瞬間には美月が一瞬の内に唯時の目の前に迫り剣を振るい、唯時は立っている位置は動いていないが体を捻り蹴りが放たれ、蹴りと剣がぶつかり合った。


本来なら切られているだろうが足には魔力が込められており、剣を傷つくことなく受け止めている。

おそらく勇者と堕勇、2つの勢力をあわせても一番の速度であろう美月と数秒先の未来までも視える眼を持つ唯時。

…その二人がぶつかり合っているわけだ。




 ─ そして違う場所 ─


「……」

ある場所では少女…もう面倒なので、すぐに名前は書く。

少女、つまり里稲は光の柱が立っている城のほうを向き、静かにそちらを見上げるようにしてジッと見つめていた。


「柱のほうが気になるが、他の場所にも行ったほうがいい…ならば、どちらへ行くべきか」

腕を組んでうぅぬ…という様子で唸っているが、特に表情が変わっていないので本当に悩んでいるかは不明。

そんな時に里稲は何かに気づくと、振り返る。

そちらには仁王立ちで何故かムネを張りながら、堂々とした様子で楓が立っていた。


「おう、里稲ちゃん。たまたま里稲ちゃんを見つけただけやけど、ウチは戦う相手は指定されてへんからな。

とりあえずウチとりあっておこうや」


「……」

楓のへらへらとした様子に対して、里稲はただ黙って楓を睨んでいる。

それを見た楓は特に怖がる様子も無く、やはり笑っていてへらへらとした様子からは変わった様子は無い。


「おぉ、怖い怖い。そう睨まんといて、里稲ちゃん」


「…お前を早く倒して、他のメンバーも倒す」

里稲の足元から植物が生え、楓は背中に翼が生えた。

ソレ専用の服装にしてきたのか翼が生えても、背中辺りは元々露出していたンおで破れたりはしておりません。



いくらかグレードダウンはしては居るが、本来下位の神ほどの力を持つ竜の力を自らの体に融合させられた楓。

そして、実力は勇者の中でも高く他のメンバーとは違い冷徹(?)で能力的には攻撃よりも防御のほうが得意ではあるが、それでも十分に強い里稲。


「……(普段より進退が重い…どういう事や?)」




そして、二人の攻撃が次の瞬間には交差した。




 ─  ─


「…これは嫌な状況だな」

そんな事をつぶやいたのはある少年…というわけではなく、それなりに歳のいっている男性。

まあ、カントクなので歳がいっているのかどうかはよくわからない。


カントクの目の前にはいくつかのモニターがあり、魔術師達が色々と何かを報告したりで色々と騒いでいる部屋だ。

そこは魔道書…つまり栞が結界を破らず、隙間を見つけて侵入した時にソレを察知したりなどをした場所である。


「…どうする?」

カントクの目の前のモニターには都市を囲む兵士や既に侵入されている敵の兵士。

この都市には色々と細工はされており、壁際にある建物には決まって石の人形の飾りなどがあったりするのだが、ソレはここから指令を出せば動き、敵を倒すゴーレムだったりもする。

だが、ある一部は美咲の手によって壁が崩壊し、それと共にゴーレムも無傷ではすまず…満足に動かせるものも多くない。


そして、今までウィルスのせいで動けない兵士や騎士もやはり居るので、元々の無事な上体でも単純な数としては負けているのだが、それはもっときつくなっている。



「堕勇はジパングの王の護衛または監視のための二人、あとは一隻の飛行艇に一人が都市の外側…あとの数十名は都市に侵入されている」

そのモニターはソレが誰かも詳細に分かるチート魔法具らしい。

周りの魔術師に対してカントクは向けて指令を出しながら、何かを考えている。


「…数人の堕勇は既にこちらの勇者と戦闘に入ってるわけか…よし、では何かあったら連絡用の魔法具で連絡してくれ。

私は……ジパングの王を殺してこよう」

剣を握りながらカントクは部屋を出て行き、カントクと同じ部屋にいた騎士たちはソレについていった。


誤字・脱字があれば御報告宜しくお願いします

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